投資パンダがおすすめしている”米国株”を10銘柄ピックアップしました。
今回ピックアップした”米国株”は、以下の10銘柄です。
・インテュイティブサージカル
・アドビ
・スプランク
・ムーディーズ
・イルミナ
・セールスフォース
・スクエア
・コカコーラ
・フェイスブック
・アマゾン
私は、ウォーレン・バフェット氏の提唱する”Economic moat(経済的な堀)”を重要視しています。
”Economic moat(経済的な堀)”とは、簡単に説明すると『競合他社から企業を守る優位性』ということです。
城を守る堀のようなイメージをもってください。
“Economic moat”をもつ企業は、将来的に高い利益を計上していく可能性が高いです。
そのため、私は”Economic moat”を銘柄選定の際に重要視しています。
特に以下の4つの点をチェックしましょう。
・無形資産
…ブランドや特許、他社にはない価値がある
・ネットワーク
…ユーザーが増えると、価値が上がり他者を締め出す
・コストの優位性
…競合他社が真似できないコストに強みをもつ
・乗り換えコスト
…1度使い始めると他に乗り換えるのが面倒
上記の4つのポイントは、”競合他社を寄せ付けないビジネスモデルを構築している“ことです。
マーケットシェアの大きさの話をしているわけではないので、注意してください。
※銘柄は、相場をチェックしながら入れ替えています。
目次
インテュイティブ・サージカル
インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical)は、手術用ロボット『ダヴィンチ』を開発・販売している企業です。
『ダヴィンチ』は、世界で最も普及している手術用ロボットです。
現時点で、手術用ロボットはダヴィンチの一択となっています。
世界的に手術用ロボットが広まってくれば、インテュイティブ・サージカルが大きく成長していく可能性が高いと考えています。
インテュイティブサージカルの強み
インテュイティブ・サージカルは、手術用ロボット”ダヴィンチ”を販売して稼いでいる企業ではありません。
実は、インテュイティブ・サージカルは”ダヴィンチ”で使われる消耗品で稼いでいます。
ダヴィンチを導入した病院は、必ずインテュイティブサージカルから専門のメスや鉗子を発注しなければなりません。
下の図の通り、機器(Systems)の売上は3割程度しか占めておらず、サービス(Service)と消耗品(InstT&Accy)で売上の7割程度を占めています。
継続的に消耗品で稼ぐ体制を構築していますね。
インテュイティブサージカルの弱み
インテュイティブ・サージカルの弱みは、提供している”ダヴィンチ”がとにかく高価ということです。
ダヴィンチ1台の価格は、1億円から2億円程度かかります。
さらにダヴィンチの年間の維持費も重いため、導入することのできる病院も限られます。
”価格競争力のある手術用ロボット”が出現したら、マーケットシェアをとられる可能性がありますね。
セールスフォース
セールスフォース(Salesforce)は、世界最大のCRM(顧客管理)アプリを提供している企業です。
CRM(顧客管理)アプリとは、企業が営業する際のシステム全般のことです。
セールスフォースのプラットフォームは、クラウド上で管理されています。
そのため、PCとネット回線さえあれば、カンタンにセールスフォースのプラットフォームを導入することができます。
セールスフォースの強み
セールスフォースのCRM(顧客管理サービス)で世界トップの企業です。
ライバルはオラクルやSAP、マイクロソフト、アドビシステムズなどです。
CRM(顧客管理サービス)のシェアは、下の図の通りです。
数年前まではオラクルとSAPがライバルでしたが、現在はセールスフォースが頭ひとつ抜けています。
セールスフォースの弱み
セールスフォースの弱みは、利益率が非常に低いことです。
下のグラフの通り、売上高は伸びていますが利益は上がっていません。
利益は計上できていませんが、営業キャッシュフローはキチンとプラスです。
営業キャッシュフローがプラスということは、1年間にキャッシュ(現金)を生み出しているということです。
利益が計上できていないからといって、経営が上手くいっていないということではありません。
アドビ
アドビ(Adobe)は、”Photoshop”や”Illustrator”などのソフトウェアを提供している企業です。
実は、アドビは”ただソフトウェアを販売している”企業ではありません。
アドビは、ほとんどのソフトウェアを”サブスクリプション(定額課金)”で提供しています。
1度販売したら終わりではなく、継続的に顧客から収益を稼ぐ体制になっています。
アドビの強み
アドビの強みは、下の図のような”定番ソフトウェア”を提供しています。
Web関連の仕事をしている人なら、1度は利用したことのあるサービスばかりですね。
アドビの利益率は、非常に高いです。
特に、デジタルメディア事業の売上総利益率は95%にもなっています。
”業界で圧倒的なポジションを築きつつ、高い利益率を計上している”ことは、アドビ・システムズの大きな強みですね。
スプランク
スプランク(Splunk)は、膨大なマシンデータを整理整頓して、顧客にとって見やすく使いやすくするお手伝いをしている企業です。
マシンデータは様々な形式で、とにかくゴチャゴチャしています。
スプランクのシステムを利用すれば、すべてのデータを活用することができます。
https://toushipanda.com/splunk-2/
スプランクの強み
スプランクの強みは、膨大なマシンデータを一括で活用することができることです。
『スプランクのシステムを覚えるだけで、全部のシステムが使える!』ことが最大の強みですね。
今後、企業にとって”ビッグデータを解析すること”は必須になっていきます。
スプランクのおかげで、ビッグデータ解析のコストは大きく下がっていきそうですね。
スプランクの弱み
スプランクの弱みは、収益面が赤字になっていることです。
下記の通り、毎年のように赤字を計上しています。
・2014年1月期 79百万ドルの赤字
・2015年1月期 2億17百万ドルの赤字
・2016年1月期 2億79百万ドルの赤字
・2017年1月期 3億55百万ドルの赤字
・2018年1月期 2億59百万ドルの赤字
スプランクは、毎年のように赤字を垂れ流しています。
そのため、悪い材料が出ると大きく株価が下がる可能性があります。
ムーディーズ
ムーディーズ(Moody’s)は、世界第2位の格付会社です。
格付会社とは、企業からお金をもらってその企業を調査して、債券や金融商品に信用格付をおこなう企業のことです。
ムーディーズは、S&Pとフィッチに並ぶ世界の3大格付会社の1社に位置づけられています。
ムーディーズの強み
格付ビジネスは、完璧な寡占業界です。
世界第1位のS&Pと世界第2位のムーディーズ、世界第3位のフィッチを合わせると、世界シェア9割を占めています。
格付業界には健全な競争が働いていないため、大手の格付企業は高い利益率を計上しています。
直近の通期業績をみると、高い利益率が計上しています(2017年通期)。
・売上高 42億4百万ドル
・営業利益 18億16百万ドル
・純利益 10億1百万ドル
イルミナ
イルミナ(Illumina)は、DNAのすべての遺伝子情報になるゲノムを解析する装置メーカーを提供している企業です。
現在、投資家に高い注目を集めている新技術のひとつが”ゲノム編集”です。
ゲノム編集のようなヒトゲノムを解析する際に、イルミナのシーケンサーは必須ツールですね。
イルミナの強み
イルミナの最大の強みは、イルミナの脅威になるような企業は見当たりません。
2017年7月、中国のBGI社がシーケンサーの研究開発に取り組むと発表しました。
今後もイルミナのライバル企業は現れる可能性は低そうです。
ゲノム編集のようなゲノム解析に注目が集まると、ゲノム解析をするイルミナにも注目が集まりそうですね。
スクエア
スクエア(Square)は、クレジットカードリーダーなどの端末を使った決済インフラ中心としたサービスを提供している企業です。
スマホやタブレットが簡単にレジの代わりになったので、個人事業主を中心に非常に喜ばれているサービスとして成長しました。
スクエアのサービスを導入した個人事業主や企業は、決済のたびに米国では2.75%程度、日本では3.25%の手数料をスクエアに支払うことになります。
そのため、できるだけ多く決済をしてもらうことが非常に大切ですね。
スクエアの強み
スクエアの強みは、スクエアのサービスを導入した決済システムや店のPOSシステムをおさえていることです。
実は、スクエアは決済システムだけで稼いでいる企業ではありません。
最近スクエアが力を入れているサービスは、『スクエアキャピタル』です。
スクエア・キャピタルは、小口の資金を融通する融資事業です。
スクエアは、加盟店の決済システムや店のPOSシステムを提供しているので、その企業の経営状況がよく分かります。
加盟店のお金の流れが把握できるので、精度の高い融資の判断をすることができます。
スクエアは”銀行業”の代わりに、融資サービスをおこなっていくのかもしれませんね。
フェイスブック
フェイスブック(Facebook)は、世界最大のSNSサービスを提供している企業です。
SNS業界では圧倒的なポジションを築いており、SNSの代名詞となりつつありますね。
”Facebook”だけでなく、”インスタグラム”や”ワッツアップ”、”オキュラス”などのサービスを提供しています。
日本でも”インスタ映え”が流行語になるなど、フェイスブック旋風が吹き荒れています。
フェイスブックの強み
フェイスブックの強みは、圧倒的な”ユーザー数”を集客していることです。
下の表の通り、SNS業界にライバルはいません。
SNS名 | 月間ユーザー | デイリーユーザー |
フェイスブック | 22億71百万人 | 14億95百万人 |
インスタグラム | 約10億人 | 非公表 |
ツイッター | 3億26百万人 | 非公表 |
スナップチャット | 非公表 | 1億86百万人 |
直近の決算をみると、月間アクティブユーザーが22億71百万人もいます(2018年第3四半期の決算)。
最近は鈍化傾向ですが、一貫してユーザーが増加しています。
フェイスブックの弱み
フェイスブックの弱みは、収益が広告に依存していることです。
下の図の通り、フェイスブックには広告収入以外の収益はほとんどありません(2018年第3四半期の決算)。
アマゾン
アマゾン(Amazon)は、世界最大のECサイトを運営している小売企業です。
ネット通販だけでなく、クラウドサービス”AWS”や電子書籍”Kindle“、”ホールフーズ”、”Amazon Go“などのサービスを提供しています。
アマゾンはネット通販で一強状態で、めぼしいライバルは存在しません。
アマゾンの強み
アマゾンの強みは、1億人を超える会員数を誇る”アマゾン・プライム”です。
2018年4月、ジェフ・ベゾスCEOはプライム会員数が1億人を突破したと発表しました。
アマゾンプライムは、日本で3,900円(年会費)、米国で119ドル(年会費)もかかります。
もともと収益力の弱いアマゾンですが、アマゾンプライムのおかげで収益力が強くなっています。
アマゾンの弱み
アマゾンの弱みは、米国の有力政治家から批判を受けていることです。
ネットの小売業界はアマゾンの一強状態なので、様々な方面から批判を浴びやすくなっていますね。
I have stated my concerns with Amazon long before the Election. Unlike others, they pay little or no taxes to state & local governments, use our Postal System as their Delivery Boy (causing tremendous loss to the U.S.), and are putting many thousands of retailers out of business!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) March 29, 2018
アマゾン批判の筆頭は、トランプ大統領です。
2018年3月、トランプ大統領はアマゾンを批判しました。
上のツイートでは『Amazonは交通システムを利用しているのに税金を払っていない。そして多くの小売り企業を廃業させている』とコメントしています。
Amazon is worth $1 TRILLION.
Jeff Bezos is worth $155 BILLION.
Thousands of Amazon workers have to rely on food stamps, Medicaid and public housing to survive.
That is what a rigged economy looks like. Tomorrow we will introduce a bill to end subsidies for low-wage employers. https://t.co/jYQrtYbwZL
— Bernie Sanders (@SenSanders) September 4, 2018
民主党の上院議員のバーニー・サンダース氏も、アマゾンを批判しています。
2018年8月、サンダース上院議員はアマゾンを批判しました。
上のツイートでは『ベゾス氏は、自分の従業員を公的住宅やフードスタンプに頼らざる得ない状況に追い込んでいる』とコメントしています。
コカ・コーラ
コカ・コーラ(Coca Cola)は、ノンアルコール飲料を提供している世界最大の飲料メーカーです。
”コーラ”が有名ですが、提供している飲料ブランドは500種類以上あります。
売上高10億ドル以上の飲料ブランドが21種類も提供しています。
コカ・コーラの強み
コカ・コーラは、直近数年間で”事業の大幅な合理化”をすすめています。
事業は、”製品の企画や原液の供給をおこなっている”本社業務と、”製品の製造をおこなう”ボトラー業務をおこなっています。
実は儲かるのは”本社業務”で、ボトラー業務はあんまり儲かりません。
そこで、コカ・コーラ社はボトラー業務をスピンオフして、本社業務に注力して収益性を高めています。
今回のまとめ
投資パンダがおすすめしている”米国株”を10銘柄ピックアップしました。
・インテュイティブサージカル
・アドビ
・スプランク
・ムーディーズ
・イルミナ
・セールスフォース
・スクエア
・コカコーラ
・フェイスブック
・アマゾン
上記の10銘柄は、競合他社を寄せ付けないビジネスモデルを構築しています。
相場の状況によっては、銘柄を入れ替える予定です。
関連資料
インテュイティブ・サージカル:『公式HP』
アドビ:『公式HP』
スプランク:『公式HP』
ムーディーズ:『公式HP』
イルミナ:『公式HP』
セールスフォース:『公式HP』
スクエア:『公式HP』
コカ・コーラ:『公式HP』
フェイスブック:『公式HP』
アマゾン:『公式HP』
注意事項
・当サイトに掲載されている事項は、投資に関する情報の提供を目的に作成したものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません
・当サイトは特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではありません
・最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします
・当サイトでは、債券についての情報を提供しています。