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インテュイティブサージカル(ISRG)の株価・見通し・決算情報

インテュイティブサージカル(Intuitive Surgical)とは

インテュイティブサージカル 株価 見通し
インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical)は、手術用ロボット”ダヴィンチ”を開発・販売している企業です。
”ダヴィンチ”は、世界で最も普及している手術用ロボットです。
手術用ロボット業界でダヴィンチのブランド力は圧倒的で、現時点での有力なライバルは見当たりません。
一般的に手術用ロボットというと、ダヴィンチのことを指すくらいに世界中で浸透しています。
全世界でダヴィンチは、4,666台導入されています(2018年6月末)。
インテュイティブサージカル

インテュイティブサージカル ダヴィンチインテュイティブサージカル ダヴィンチインテュイティブサージカル ダヴィンチ
ダヴィンチは、上の写真のように3つの装置で構成されています。

執刀医が操作するコクピット装置
メスや鉗子のついたアーム部分
他の医師が確認する内視鏡のモニター装置


ダヴィンチは、手術用ロボットです。
手術用ロボットと聞くと”手術してくれるロボット”を想像するかもしれません。
しかし、ダヴィンチは自動的に手術をしてくれるわけではありません。
あくまでも、手術中の執刀医のサポートをしてくれるだけです。
そのため、執刀医がダヴィンチの操作を間違えると、手術が失敗します。
ダヴィンチは”手術を正確におこなうサポートをしてくれる機器”なので、誤解しないようにしてください。

ダヴィンチを使うことで、細かい作業が必要とされる難しい手術をおこなうことができますね。
上の動画でも、ダヴィンチはぶどうの皮をむき、それを元通りにできます。


インテュイティブサージカルは、優れたビジネスモデルを構築しています。
実は、インテュイティブサージカルは、ダヴィンチを販売することで収益をあげている会社ではありません。
下の図の通り、売上高の71%をダヴィンチで使われる消耗品とメンテナンスサービスであげています。
簡単に説明すると、インテュイティブサージカルは販売したダヴィンチで使われる専門のメスや鉗子の販売とメンテナンスサービスで安定した利益をあげています。
インテュイティブサージカル ビジネスモデル
下の図の通り、機器(Systems)の売上は3割程度しか占めておらず、サービス(Service)と消耗品(InstT&Accy)で売上の7割程度を占めています。
インテュイティブサージカル 売上高比率
ダヴィンチを導入した病院は、必ずインテュイティブサージカルから専門のメスや鉗子を発注しなければなりません。
一般的に1台の『ダヴィンチ』を納入すると、年間で約2,000万円程度の維持費がかかります。
そのため、インテュイティブ・サージカルは、景気に左右されずに安定して事業を展開できますね。


世界的にダヴィンチを利用した手術件数は、右肩上がりです。
下の図の通り、泌尿器科(Urology)と婦人科(Gynecology)の割合が大きいですが、一般的な手術(General Surgery)にも広がってきています。
インテュイティブサージカル 売上高
世界的に『ダヴィンチ』のような手術用ロボットを使って手術をおこなうことに理解がすすんできました。
日本でも、2012年から前立腺ガン、2016年から腎臓ガンの手術に対して、健康保険の適用が認められています。
さらに2018年4月から肺ガンや胃ガン、食道ガン、直腸ガン、膀胱ガン、子宮ガンなどにも保険が適用されることになりました。
今まで自由診療では『ダヴィンチ』が使われなかった手術でも、これからは『ダヴィンチ』の利用がすすむことになりそうです。


これから手術用ロボットのような医療機器の世界市場は、どんどん拡大していくことが予想できます。
下の図の通り、今後の医療機器市場は高い成長が見込まれています。
インテュイティブサージカル 医療機器市場
フィデリティ投信「フィデリティ世界医療機器関連株ファンド」

ダヴィンチのメリット・デメリット

ダヴィンチは、世界で最も普及している医療用ロボットです。
しかし、万能な医療機器ではありません。
メリットとデメリットがあるので、注意してください。
神戸市立医療センター中央市民病院がメリット・デメリットについて、HP上に載せていました。
ダヴィンチ メリット デメリット
神戸市立医療センター中央市民病院「ロボット手術センター」

ダヴィンチのメリット

患者の負担が軽い

手術ロボット”ダヴィンチ”を利用した手術が普及している1番大きな理由は”患者の身体への負担が少ない”ことです。
一般的な手術ではメスで身体を切開します。
ダヴィンチは、患者の身体に数個の穴を開けるだけで手術をすることができます。
一般的な手術とくらべて、ダヴィンチを利用した手術では身体の傷口が小さいため、患者への負担が軽くてすみます。
傷口が小さいため、出血量が少なく、合併症のリスクもおさえることができますね。

さらにダヴィンチを利用した手術は時間も短縮するため、麻酔の使用も少なくて住みます。
入院日数も少ないので、医療費の負担も小さくすみます。

執刀医の負担が軽い

ダヴィンチ メリット
手術ロボット”ダヴィンチ”を利用した手術は、執刀医への負担が小さくなります。
ダヴィンチには、手ぶれ防止機能やモーション・スケール機能が搭載されています。

手ぶれ防止機能は、手の震えを抑えることができます。
ダヴィンチが自動的にブレを補正してくれます。
執刀医の手が震えてしまい、血管や神経を傷つけてしまうリスクを排除することができますね。

モーション・スケール機能は、執刀医の手の動きに対して、ロボットアームの動きの比率を調整することができる機能です。
このモーション・スケール機能のおかげで、細かい手術や難しい手術をすることが可能になります。

ダヴィンチのデメリット

コストが高い

ダヴィンチの最大のネックは”とにかくコストがかかること”です。
実はダヴィンチの1台の価格は、1億円から2億円程度かかります。
さらに1度購入して導入したら、継続的にダヴィンチ専用のメスや鉗子を購入しなくてはいけません。
そのため年間の維持費が約2,000万円近くかかっている病院もあるようです。
ダヴィンチが圧倒的なシェアを握り続けているかぎり、コストは高いままだと思います。
ダヴィンチ

触覚がない

ダヴィンチを利用する際の最大のデメリットは触覚がないことです。
下の写真のように、ダヴィンチの操作する執刀医はモニターを見ながら手術します。
そのため、モニターで見えていないところで器具が身体の一部にぶつかっていても、ぶつかった感覚がありません。
操作に不慣れな医師の場合、ダヴィンチのアームが身体にぶつかって、患者の身体を傷つけることがあってもおかしくはないです。
”直接自分の目で見る”のと、”モニター上で見る”のでは、大きなちがいがあるようですね。
ダヴィンチ 執刀医

医療リスク

インテュイティブサージカルに投資する際は、”医療リスク”にも注意しましょう。
ダヴィンチは、執刀医のサポートをしてくれる高度な手術用ロボットです。
しかし、あくまでも執刀医のサポートをしてくれるだけです。
そのため、執刀医がダヴィンチの操作を間違えると、手術が失敗します。

米国は訴訟社会なので、手術により患者が負傷or死亡した場合に遺族から訴訟を起こされるリスクがあります。
手術で事故があった場合、医師と機械のどちらが原因で事故が起きたか判断するのは、かなりグレーな部分だと思います。
病院は絶対に医師の側に立つと思うので、訴訟リスクは一定の割合であることも頭に入れておいた方が良さそうです。

インテュイティブサージカルの歴史

インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical)
「ダヴィンチ」はインテュイティブ・サージカルが開発した手術用ロボットです。
しかし、もともとのオリジナルは1980年代”旧スタンフォード研究所”が米軍と契約して開発されたものです。

米軍では、1980年代後半から遠隔操作で戦場の負傷者に対して必要な手術をおこなうことのできる遠隔外科手術のシステムの研究をすすめてきました。
1995年にこの技術をもとにインテュイティブ・サージカル社が設立され、1999年に「ダヴィンチ」が完成しました。
そして2000年にはロボット手術装置として、はじめてFDA(アメリカ食品医薬品局)によって承認されました。
ダヴィンチは、軍事技術が転用されて開発された手術用ロボットになりますね。

ダヴィンチのライバル

現在、手術用ロボット業界では”ダヴィンチ”の一人勝ち状態です。
実質的なダヴィンチのライバルは存在しません。
ただし、様々な企業が手術用ロボットの開発をすすめているのでチェックしてください。

Verb Surgical


最大のライバルは、”Verb Surgical”です。
Verb Surgicalは、アルファベット(グーグルの親会社)の子会社”Verily“とジョンソンエンドジョンソンの子会社”Ethicon“の合弁会社です。
Verb Surgicalは、まだ1台も手術用ロボットを販売していません。
2020年のリリースを目標としています。
複数のメディアのインタビュー記事を読むと、医療用ロボットにAIを組み合わせるようですね。
だいぶダヴィンチとは異なる切り口の手術用ロボットになりそうですね。
数年後には、インテュイティブサージカルの強力なライバルになるかもしれません。

CMRサージカル


現在、『ダヴィンチ』の次に手術用ロボットの販売で、世界的な実績があるのが”Versius“です。
“Versius”は、英国ケンブリッジに本社を構えるCMRサージカルが提供している手術用ロボットです。
提供している手術用ロボットはポータブルで持ち運びが可能となっており、『ダヴィンチ』にくらべて小型サイズとなっています。
スクリーンを見ながら、スティック型のコントローラーを操作して手術をおこなうようです。
『Versius』はすでに英国の70以上の病院で利用されるなどの実績もあります。

iArmS(アイアームス)


iArmS(アイアームス)は、自動車の部品メーカーのデンソーが開発した手術支援用ロボットです。
上の動画の製品ですが、デンソーが自動車の分野で培ってきたセンシング技術とロボット技術を活かした製品になります。
医師の震えと疲れを減らすことに重点を置いたロボットです。

日本の医師不足問題

日本の医療現場で長年問題になっているのは“医師不足”です。
下の図は、”医師数”と”人口10万人あたりの医師数”が載っています。
現在の医学部定員数が維持された場合、2025年まではOECDの加重平均まで到達しません。
日本には、医師の数が足りていないようですね。
日本 医師数
厚生労働省医政局「医師偏在対策について」

日本は医師の数が少ないですが、さらに専門医も偏っています。
仕事が不規則で、さらに医療事故のリスクがある外科や産科・産婦人科は人気がないようですね。
日本 医師
厚生労働省医政局「医師偏在対策について」

『ダヴィンチ』は外科手術のサポートをするロボットなので、日本の外科医には心強い味方になりそうです。
今後、日本では『ダヴィンチ』の出番が増えていくことが予想できます。

ダヴィンチの特許切れ


現在、『ダヴィンチ』は手術用ロボット市場で独占的な立ち位置を築いています。
しかし、『ダヴィンチ』の大部分の特許は、2019年に切れる予定です。
『ダヴィンチ』の特許が切れたタイミングで参入してくる企業は、かなりいると思います。

手術用ロボットのような体内に挿入する医療機器は、大手の企業でも数年で認可が取れるほど甘くはありません。
医療機器の認可は複雑で長期間の審査が必要となります。
『ダヴィンチ』の特許切れを狙って参入してきた企業でも、収益をあげるまでに高いハードルがあります。

直近の決算

2019年7月18日(木)の引け後、インテュイティブ・サージカルは2019年第2四半期の決算を発表しました。

売上高
…10億9,890万ドル(前年同期比20.9%増)
純利益
…3億1,830万ドル(前年同期比24.7%増)
EPS
…3.25ドル

市場予想は、売上高10億30百万ドル EPS 2.87ドルだったので、予想を上回る内容でした。
ダヴィンチの出荷台数は273台(前年同期比24%増)となりました。
材料の出尽くしで、決算発表後は時間外で株価が下落しているようです。
決算をうけて、株価は時間外で-1.2%程度で推移しています。
インテュイティブサージカル 米国株 決算

直近の株価

直近1年間の株価をS&P500指数と比較しました(2019年7月23日終値)。
インテュイティブサージカル:+2.8%
S&P500指数:+5.8%
インテュイティブサージカル 米国株 株価チャート
(青色:インテュイティブサージカルの株価赤色:S&P500)

事業別の売上高

事業別の売上高はこちらです(2017年通期)。

製品(Product) 25億47.1百万ドル
サービス(Service) 5億81.8百万ドル

インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical) 決算

決算

インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical) 決算

今回のまとめ


今回の記事のポイントは、こちらです。

ダヴィンチは手術用ロボット業界で1人勝ち
ダヴィンチに使われる消耗品とサービスで儲けている企業
ダヴィンチは患者と執刀医、病院にとってWin-Win-Win
ダヴィンチの導入コストは高すぎ
今後、手術用ロボットのニーズは増えていく可能性高い
2019年にダヴィンチの特許が切れるので、参入企業が増えるかも

インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical)は、手術用ロボット「ダヴィンチ」を展開している会社です。
ダヴィンチは、世界で最も普及している手術ロボットです。

ハフポストによると、ペンシルベニア大学では『ダヴィンチ』を使って『脊索腫除去手術』というかなり難しい手術に成功しました。
手術内容は患者の背骨と頭蓋骨の間にできた腫瘍を取り除くというかなり困難な手術内容でした。
ダヴィンチを使ってどんどん難しい手術ができるようになっています。
難易度の高い手術は、一部のスター医師に頼っているのが現状です。
しかし、これからは『ダヴィンチ』を使うことで、一般的な医師でも難手術をすることができる世の中になっていくのかもしれませんね。

関連資料

インテュイティブ・サージカル:『公式HP』
インテュイティブ・サージカル:『Annual Report』

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過去の決算

2019年第1四半期の決算

2019年4月18日(木)の引け後、インテュイティブ・サージカルは2019年第1四半期の決算を発表しました。

売上高
…9億7,370万ドル(前年同期比14.9%増)
純利益
…3億650万ドル(前年同期比6.6%増)
EPS
…2.61ドル

市場予想は、売上高9億73百万ドル EPS 2.7ドルでした。
コストが増加したため、利益が市場予想に届きませんでした。
ダヴィンチの出荷台数は235台でした。
決算を受けて、株価は時間外で-7.2%と大きく下落して推移しています。
インテュイティブサージカル 米国株 決算

2018年第4四半期の決算

2019年1月24日(木)の引け後、インテュイティブ・サージカルは2018年第4四半期の決算を発表しました。

売上高
…10億4,650万ドル(前年同期比17.3%増)
純利益
…2億9,250万ドル(前年同期は3,150万ドルの赤字)
EPS
…2.96ドル

市場予想は 売上高10億40百万ドル EPS 3.07ドルだったので、まちまちの内容でした。
注目の”ダヴィンチ”の販売台数は290台と好調でした。
ただし、研究や教育の基金“インテュイティブ・ファンデーション”を設立したため、関連の費用が増加しました。
EPSが市場予想を下回ったことが嫌気され、株価は時間外で-4.9%程度で推移しています。
インテュイティブ・サージカル 決算

2018年第3四半期の決算(2018/10/19 更新)

2018年10月18日の引け後、インテュイティブ・サージカルが2018年第3四半期の決算を発表しました。

売上高 9億2,090万ドル(前年同期比14.0%増)
純利益 2億9,250万ドル(前年同期比2.0%減)
EPS 2.83ドル

市場予想は 売上高9億17百万ドル EPS 2.66ドルだったので、予想を上回る内容でした。
ダヴィンチの出荷台数は231台でした。
純利益が減少しているのは、コストが増加しているからです。
第3四半期の決算を受けて、株価はアフターマーケットで+1.8%程度で推移しています。
インテュイティブサージカル 決算

2018年第2四半期の決算(2018/07/20 更新)

インテュイティブ・サージカルが第2四半期の決算を発表しました。

売上高 9億930万ドル(前期比19.8%増)
純利益 2億5,530万ドル(前期比14.5%増)
EPS 2.76ドル

市場予想は、売上高8億7,756万ドル EPS 2.5ドルだったので、市場予想を上回る内容でした。
世界的に手術ロボット「ダヴィンチ」の販売が好調です。
「ダヴィンチ」の出荷台数は200台でした。
この決算を受けて、時間外で+3.2%程度で推移しています。
インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical) 決算

2018年第1四半期の決算(2018/04/18 更新)

インテュイティブ・サージカルは、引け後に第1四半期の決算を発表しました。

売上高 8億4,750万ドル
純利益 2億8,760万ドル
EPS 2.44ドル

『ダヴィンチ』は185台出荷されました。
2017年第1四半期は133台なので、大幅に増加しています。