目次
ユナイテッド・テクノロジーズ(United Technologies)とは
ユナイテッド・テクノロジーズ(United Technologies)は、米国を代表する製造業のコングロマリット企業です。
大きく分けると、以下の4つに分類できます。
オーティス事業
…エレベーターやエスカレーターを開発している
UTC空調 コントロール&セキュリティ事業
…ビルの空調設備やセキュリティ等を提供している
プラット&ホイットニー事業
…航空機のエンジンを提供している
UTC宇宙・航空システム事業
…航空宇宙や軍関係の製品を提供している
ユナイテッド・テクノロジーズは、エレベーターやエスカレーターを提供している”オーティス事業”を運営しています。
オーティスは、エレベーター業界の最大手企業です。
1973年、ユナイテッド・テクノロジーズはエレベーター世界シェアNo.1だったオーティス社を買収しました。
創業者は、”エレベーターの落下防止装置”を発明したエリシャ・オーチスです。
”エレベーターの落下防止装置”とは、万が一エレベーターのロープが切れても落下を防止する装置です。
現在では、”落下防止装置”はすべてのエレベーターに付けることが義務化されています。
エレベーター分野のライバルは、スイスの”シンドラー”やドイツの”ティッセンクルップ”の2社ですね。
ユナイテッド・テクノロジーズは、ビルの空調設備やセキュリティを提供している”UTC空調・コントロール&セキュリティ事業”を運営しています。
1979年、ユナイテッド・テクノロジーズは家庭用エアコンで成功したキャリア社を買収しました。
キャリア社は、エアコンを発明したウィリス・キャリアが創業した企業です。
”夏の暑さで印刷機が壊れる”と悩んでいた印刷会社が、キャリア氏に解決を頼んだことがきっかけでエアコンが発明されました。
ユナイテッド・テクノロジーズは、航空機のエンジンなどを製造している”プラット&ホイットニー事業”を運営しています。
プラット&ホイットニー社は、GEとロールス・スイスに次ぐ航空機エンジンのビッグ3の1社です。
ちなみに、プラット&ホイットニー社のエンジンは、ボーイングやエアバス、ボンバルディア等の民間航空機だけでなく、戦闘機や爆撃機にも広く使われています。
ユナイテッド・テクノロジーズは、”UTC宇宙・航空システム事業”を運営しています。
UTC宇宙・航空システム事業では、航空宇宙関連製品の数字が計上されています。
他にも軍事関連や脱出シートなどの防衛関連製品も提供しています。
ユナイテッド・テクノロジーズは、軍関連の製品を提供しているので、米国政府としてはつぶせない企業になりますね。
ユナイテッド・テクノロジーズの特徴は、”サービスの売上比率が3割近く占めていること”です。
2017年通期の売上高比率をみると、以下の通りです。
製品の売上
…413億61百万ドル(69.1%)
サービス売上
…184億76百万ドル(30.9%)
製品の販売に依存しておらず、サービスやメンテナンスで継続的に稼いでいます。
サービスやメンテナンスのアフターサービスは、継続的に収益が見込めるので経営が安定します。
2018年11月、ユナイテッド・テクノロジーズは、会社を3つの事業領域に分割すると発表しました。
エレベーター「オーティス」と空調設備の「キャリア社」を独立企業として分社化するとのことです。
これからユナイテッド・テクノロジーズは、プラット&ホイットニー事業に注力していくようですね。
直近の決算
2020年1月28日(火)の寄付き前、ユナイテッド・テクノロジーズが2019年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…195億51百万ドル(前年同期比8.4%増)
純利益
…11億43百万ドル(前年同期比66.6%増)
EPS
…1.94ドル
市場予想では、売上高193億80百万ドル EPS 1.84ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は+1.21%で引けました。
直近の株価
直近1年間の株価チャートとS&P500を比較しました(2020年1月30日終値)。
ユナイテッドテクロノジーズ:+30.4%
S&P500指数:+21.1%
(青色:ユナイテッド・テクノロジーズ株価、赤色:S&P500)
事業別の売上高
事業別の売上高はこちらです(2017年通期)。
オーティス事業
…123億41百万ドル
UTC空調・コントロール&セキュリティ事業
…178億12百万ドル
プラット&ホイットニー事業
…161億60百万ドル
UTC航空宇宙システム事業
…146億91百万ドル
地域別の売上高
地域別の売上高はこちらです(2017年通期)。
米国
…339億12百万ドル
欧州
…118億79百万ドル
アジア太平洋
…87億70百万ドル
その他
…52億62百万ドル
売上高の比率
売上高の中身はこちらです(2017年通期)。
製品の売上
…413億61百万ドル
サービスの売上
…184億76百万ドル
決算
今回のまとめ
今回の記事のポイントは、こちらです。
・ユナイテッドテクノロジーズは、製造業のコングロマリット
・製品の販売だけでなく、アフターサービスで稼ぐ経営が特徴
・傘下のオーティスは、世界最大のエレベーター企業
・軍事製品を開発しているので、米国にとっては潰せない企業
ユナイテッド・テクノロジーズは、米国を代表する製造業のコングロマリット企業です。
様々な事業をおこなっており、なかなか全体像が見えにくい企業です。
2018年11月、ユナイテッド・テクノロジーズはエレベーター事業と空調事業を分社化すると発表しています。
これから大きく企業としても変わっていきそうですね。
関連資料
ユナイテッド・テクノロジーズ:『公式HP』
ユナイテッド・テクノロジーズ:『Annual Report』
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過去の決算
2019年第2四半期の決算
2019年7月23日(火)の寄付き前、ユナイテッド・テクノロジーズが2019年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…196億34百万ドル(前年同期比17.5%増)
純利益
…19億ドル(前年同期比7.2%減)
EPS
…2.20ドル
市場予想は、売上高195億50百万ドル EPS 2.05ドルだったので、予想を上回る内容でした。
空調のキャリアは減収ですが、航空機エンジンのプラット&ホイットニーは増収でした。
決算を受けて、株価は+1.5%で引けました。
2019年第1四半期の決算
2019年4月23日(火)の寄付き前、ユナイテッド・テクノロジーズが2019年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…183億65百万ドル(前年同期比20.5%増)
純利益
…13億46百万ドル(前年同期比3.8%増)
EPS
…1.91ドル
市場予想は、売上高180億ドル EPS 1.71ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は+2.27%で引けました。
2018年第4四半期の決算
2019年1月23日(水)の寄付き前、ユナイテッド・テクノロジーが2018年第4四半期の決算を発表しました。
・売上高
…180億44百万ドル(前年同期比15.1%増)
・純利益
…6億86百万ドル(前年同期比72.8%増)
・EPS
…1.95ドル
市場予想は 売上高169億10百万ドル EPS1.53ドルだったので、予想を上回る内容でした。
昨年11月に買収した航空システム大手のロックウェル・コリンズの業績も加わっています。
好調な決算を受けて、株価は+5.27%で引けました。
2018年第3四半期の決算(2018/10/24 更新)
2018年10月23日の寄付き前、ユナイテッド・テクノロジーズは2018年第3四半期の決算を発表しました。
・売上高 165億1,000万ドル(前年同期比9.6%増)
・純利益 12億3,800万ドル(前年同期比6.9%減)
・EPS 1.54ドル
2018年第2四半期の決算(2018/07/25 更新)
ユナイテッド・テクノロジーズは、寄り前に第2四半期の決算を発表しました。
・売上高 167億500万ドル(前年同期比9.3%増)
・純利益 20億4,800万ドル(前年同期比42.3%増)
・EPS 1.97ドル
市場予想は、売上高162億70百万ドル EPS1.85ドルだったので、市場予想を上回る決算内容でした。
この決算を受けて、株価は+3.76%で引けています。
2018年第1四半期の決算(2018/04/25 更新)
ユナイテッド・テクノロジーズは、寄り前に第1四半期の決算を発表しました。
・売上高 152億4,200万ドル(前期比10.3%増)
・純利益 12億9,700万ドル(前期比6.4%減)
・EPS 1.77ドル