目次
ギャップ(Gap)
ギャップ(Gap)は、世界最大級の衣料小売りチェーンです。
米国を象徴する代表的なカジュアル・ファッションブランドとして知られています。
旗艦ブランドはギャップ(GAP)ですが、下記のブランドも運営しています。
ギャップ(GAP)
…中価格帯のGAP旗艦ブランド
バナナリパブリック(Banana Republic)
…高品質のカジュアルブランド
オールドネイビー(OLD NAVY)
…低価格のカジュアルブランド
アスリータ(Athleta)
…女性向けフィットネスウェアブランド
ギャップのブランド別売上高はこちらです(2020年1月期)。
旗艦ブランドのGAPの売上はどんどん下がり、オールドネイビーは業績を伸ばしています。
オールドネイビー
…79億83百万ドル(前年同期比1.8%増)
ギャップ
…46億34百万ドル(前年同期比10.2%減)
バナナリパブリック
…25億39百万ドル(前年同期比3.4%増)
その他
…12億27百万ドル(前年同期比9.2%増)
ギャップの地域別売上高はこちらです(2020年1月期)。
地域別にみると、大半の売上を米国で計上しています。
米国
…133億98百万ドル(前年同期比0.4%増)
カナダ
…11億53百万ドル(前年同期比3.4%減)
欧州
…5億39百万ドル(前年同期比10.6%減)
アジア
…10億84百万ドル(前年同期比12.1%減)
その他地域
…2億9百万ドル(前年同期比0.9%減)
ギャップが世界的なブランドに成長できたのは、SPA戦略のおかげです。
SPAとは”Speciality store retailer of Private label Apparel”の略称のことで、企画から製造、小売りまでを一貫して行うアパレルのビジネスモデルのことです。
仕入・製造・小売りを自社で一貫しておこない、中間業者を通さないので、マージンを取られることなく利益を確保できます。
さらに自社の店舗で販売できるので、すぐにそのデータを企画に反映することもできます。
1980年代にGAPが世界を席巻したのは、SPAによって消費者のニーズを常に把握しながら利益率を確保できたからです。
現在では、ライバルの”ユニクロ”や”H&M”、”ZARA”などもSPA戦略をとっており、GAPの優位性はなくなってきています。
特にユニクロは、GAPの作り出したSPA戦略をGAPよりも上手く活用している印象があります。
現在のギャップの経営状況は良くありません。
コロナウイルスの影響で、大きなダメージを負っています。
ブランド別にみると、好調と不調のブランドがハッキリしていますね。
不調⤵
…ギャップ、バナナパブリック
好調⤴
…オールドネイビー、アスリータ
GAP
GAP(ギャップ)は、GAPの旗艦ブランドです。
服はベーシックなデザインが多く、無地のカラー商品の無難な商品が多いです。
安心して着ることはできますが、その分面白くないという意見も多いようですね。
『Fall into the GAP(GAPにはまる)』広告で一世を風靡しましたが、最近は勢いがないようです。
オールドネイビーよりもちょっと価格帯が高くなります。
オールドネイビー
オールドネイビーは、GAPで最も勢いのあるブランドです。
最近のGAPの決算をみると、オールドネイビーがギャップを支えているようにみえます。
オールドネイビーは、GAPの廉価版のようなイメージで良いと思います。
日本で例えると、GUのような存在です。
これからのGAPの旗艦ブランドは、オールドネイビーになるかもしれませんね。
米国では絶好調のオールドネイビーですが、日本では撤退に追い込まれています。
日本で上手くいかなかった理由は、ユニクロとGU、H&M、ZARAとの競争が激しくなったからです。
ATHLETA
アスリータは、GAPの運営しているスポーツウェアです。
ナイキやアンダーアーマー、アディダスのようなイメージで良いと思います。
ブランド名の通り、スポーツをする人のための服やアクセサリを販売しています。
女性向けのスポーツウェアブランドなので、オシャレにこだわったフィットネスウェアが多いです。
バナナ・パブリック
バナナ・リパブリックは、高価格帯のカジュアルブランドです。
GAPグループの中では高価格の商品が多く、最近はあまりうまくいっていません。
今後、バナナ・リパブリックブランドの店舗は縮小していく方針です。
直近の決算
2021年08月26日(木)の引け後、ギャップが2022年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…42億11百万ドル(前年同期比28.6%増)
純利益
…2億58百万ドル(前年同期は62百万ドルの赤字)
EPS
…0.70ドル
直近の株価
直近1年間の株価はこちらです(2021年10月22日終値)。
ギャップ株価:+5.1%
S&P500指数:+31.3%
直近5年間の株価はこちらです(2021年10月22日終値)。
ギャップ株価:▲14.7%
S&P500指数:+112.5%
ブランド別売上高
ギャップ(Gap)のブランド別売上高はこちらです(2020年1月期)。
オールドネイビー(Old Navy)
…79億83百万ドル(前年同期比1.8%増)
ギャップ(Gap)
…46億34百万ドル(前年同期比10.2%減)
バナナリパブリック(Banana Republic)
…25億39百万ドル(前年同期比3.4%増)
その他(Other)
…12億27百万ドル(前年同期比9.2%増)
地域別売上高
ギャップ(Gap)の地域別売上高はこちらです(2020年1月期)。
米国
…133億98百万ドル(前年同期比0.4%増)
カナダ
…11億53百万ドル(前年同期比3.4%減)
欧州
…5億39百万ドル(前年同期比10.6%減)
アジア
…10億84百万ドル(前年同期比12.1%減)
その他地域
…2億9百万ドル(前年同期比0.9%減)
決算
直近のギャップ(Gap)の決算はこちらです(2020年1月期)。
売上高
…163億83百万ドル(前年同期比1.2%減)
純利益
…3億51百万ドル(前年同期比65.0%減)
営業利益率
…3.5%
EPS
…0.93ドル
BPS
…9.73ドル
営業キャッシュフロー
…14億11百万ドル
フリーキャッシュフロー
…3億66百万ドル
売上高・純利益
ギャップ(Gap)の業績はこちらです。
(青色:売上高/赤色:純利益)
営業利益率
ギャップ(Gap)の営業利益率は、3.5%です(2020年1月期)。
EPS(1株あたりの利益)
ギャップ(Gap)のEPS(1株あたりの利益)はこちらです。
BPS(1株あたりの純資産)
ギャップ(Gap)のBPS(1株あたりの純資産)はこちらです。
営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー
ギャップ(Gap)のキャッシュフローはこちらです。
(青色:売上高/赤色:純利益)
配当
配当性向
ギャップ(Gap)の配当性向はこちらです。
配当性向は、純利益の中から、配当金をどのくらい払っているかを%(パーセンテージ)で表したものです。
今回のまとめ
今回の記事のポイントはこちらです。
・ギャップは、世界最大級の衣料小売りチェーン
・主力のGAPは不調、一方オールドネイビーは好調
・オールドネイビーとアスリータが好調
・今後は米国・中国・メキシコに注力する予定
ギャップ(GAP)は、世界最大級の衣料小売チェーンのひとつです。
旗艦ブランドのGAPは上手くいっていませんが、低価格のオールドネイビーは絶好調です。
GAPは戦略も価格帯も中途半端な位置にいるので、苦戦しているようです。
今後はオールドネイビー中心に事業を展開していくと思います。
過去の決算
2022年第1四半期の決算
2021年05月27日(木)の引け後、ギャップが2022年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…39億91百万ドル(前年同期比89.4%増)
純利益
…1億66百万ドル(前年同期は9億32百万ドルの赤字)
EPS
…0.48ドル
市場予想では、売上高34億40百万ドル EPS -0.05ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で -0.1%程度で推移しています。
2020年第4四半期の決算
2021年03月04日(木)の引け後、ギャップが2020年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…44億24百万ドル(前年同期比5.3%減)
純利益
…2億34百万ドル(前年同期は1億84百万ドルの赤字)
EPS
…0.28ドル
市場予想では、売上高46億60百万ドル EPS 0.18ドルだったので、まちまちでした。
決算を受けて、株価は時間外で+4.7%程度で推移しています。
2020年第3四半期の決算
2020年11月24日(火)の引け後、ギャップが2020年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…39億94百万ドル(前年同期比0.1%減)
純利益
…95百万ドル(前年同期比32.1%減)
EPS
…0.25ドル
市場予想では、売上高38億20百万ドル EPS 0.32ドルだったので、予想を上回る内容でした。
コロナウイルスとコスト増加の影響で、減益決算となりました。
決算を受けて、株価は時間外でマイナス10.7%程度で推移しています。
2020年第2四半期の決算
2020年8月27日(木)の引け後、ギャップが2020年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…32億75百万ドル(前年同期比18.2%減)
純損失
…62百万ドルの赤字(前年同期は1億68百万ドルの黒字)
EPS
…△0.05ドル
2019年第4四半期の決算
2020年3月12日(木)の引け後、ギャップが2019年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…46億74百万ドル(前年同期比1.1%増)
純損失
…1億84百万ドルの赤字(前年同期は2億76百万ドルの黒字)
EPS
…0.58ドル
2019年第3四半期の決算
2019年11月21日(木)の引け後、ギャップが2019年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…39億98百万ドル(前年同期比2.2%減)
純利益
…1億40百万ドル(前年同期比47.4%減)
EPS
…0.53ドル
2019年第2四半期の決算
2019年8月22日(木)の引け後、ギャップが2019年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…40億5百万ドル(前年同期比2.0%減)
純利益
…1億68百万ドル(前年同期比43.4%減)
EPS
…0.63ドル
市場予想は、売上高40億20百万ドル EPS 0.53ドルだったので、まちまちの内容でした。
傘下ブランドのオールドネイビーの分社化のための設備投資が膨らんだので、減益決算となりました。
旗艦ブランド”GAP”は-7%、”オールド・ネイビー”は-5%、”バナナ・リパブリック”は-3%でした。
決算を受けて、株価は時間外で-2%程度で推移しています。
2019年第1四半期の決算
2019年5月30日(木)の引け後、ギャップが2019年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…37億6百万ドル(前年同期比2.0%減)
純利益
…2億27百万ドル(前年同期比38.4%増)
EPS
…0.24ドル
市場予想は、売上高37億70百万ドル EPS 0.32ドルだったので、予想を下回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で-13%程度と急落しています。
主力のオールドネイビーの売上高が減少したことが嫌気されていますね。
備考
関連資料
ギャップ:『公式HP』
ギャップ:『Annual Report』
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