目次
スターバックス(Starbucks)
スターバックス(Starbucks)は、世界の90を超える国と地域でコーヒー店を展開している企業です。
日本にも1996年に進出しています。
かつてスターバックスは、日本でも”スターバックス・ジャパン”として上場していました。
しかし、2015年に米国スターバックスがTOB(株式公開買付)をしたため、スターバックス・ジャパンが上場廃止となっています。
そのため、スターバックスの株を購入しようと思ったら、米国スターバックス社の株を買うしかありません。
スターバックスの売上高の81.3%は、直営店舗で計上しています(2019年9月期)。
日本でも直営店舗で運営されていて、基本的にフランチャイズはしていません。
直営店舗に注力することで、高い接客レベルを維持しています。
(2019年9月期 事業別売上高)
スターバックスの製品別売上高をみると、60.1%は飲み物です(2019年9月期)。
下の表の通り、飲み物だけでなく食べ物も売上高の18.1%を占めています。
(2019年9月期 製品別売上高)
日本でもスターバックスは人気ですが、売上高の70.3%は米国です(2019年9月期)。
下の表の通り、大半は米国で計上しています。
(2019年9月期 地域別売上高)
スターバックスは、飲食ビジネスのお手本のような企業です。
看板商品の”スターバックス・ラテ”は、420円(Grande)もします。
この高価格のコーヒーを販売して稼ぐことができている理由は、”店の雰囲気”を売っているからです。
スターバックスは“快適に店内で過ごせるかどうか”に非常に力を注いでいます。
店内を過ごしやすい空間にするために、無料WiFiを提供したり、従業員への教育を徹底しています。
スターバックスの『ただコーヒーを売るのではなく、自宅でも職場でもない第3の場所(サードプレイス)を提供する』というビジネスモデルは、世界中のフードビジネスの企業に真似をされています。
スターバックスのロゴ、生みの親はコーヒー好きの大学生 https://t.co/K1KaDssLEW #スタバ pic.twitter.com/iP2JR5wivu
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) May 15, 2018
スターバックスのロゴは、ギリシア神話に登場するセイレーンが由来になっています。
セイレーンは美しい声で船を招き寄せて難破させて、船員を食い殺す怪物です。
ただの美しい人魚かと思ったら、まったく違いますね。
2017年11月、スターバックスは「モバイルオーダー&ペイ」の注文が10%に達したことを発表しました。
このアプリを使えば、家を出る際にアプリでコーヒーをオーダーし、5分後、スターバックスでコーヒーを受け取るような使い方ができます。
コロナの追い風もあり、店舗経由ではなくアプリ経由での注文が増えていくと思います。
コーヒービジネス
スターバックスで提供されているコーヒーの単価は、分かりません。
おそらく原価は、非常に低いと思います。
コーヒービジネスの裏側が知りたい人は、上の動画の『おいしいコーヒーの真実』を観てください。
一般的なコーヒー1杯の売上の内訳は下の図の通りです。
コーヒー豆の単価は、とても低いですね。
数字だけみると、コーヒーは利益率の高い飲み物だということが分かります。
ちなみに、スターバックスは「コーヒー豆を栽培する生産者に利益が還元されるように、キチンとした価格でコーヒー豆を購入している」とコメントしています。
ただ、いくらで購入しているのかは、資料をみてもよく分かりませんでした。
ハワード・シュルツ
米スターバックスCEO、世界で難民1万人を雇用の計画 https://t.co/i7JAdak5i2 pic.twitter.com/Df51Cub3DZ
— ロイター (@ReutersJapan) January 30, 2017
2018年6月、スターバックスは、長年会社を率いてきたハワード・シュルツ会長が退任すると発表しました。
シュルツ氏は「お店でコーヒーを売る」という喫茶店スタイルから「時間と空間を売る」という新しいビジネスモデルを構築した経営者です。
シュルツ氏がスターバックスを買収した際は11店舗しかありませんでしたが、現在では世界中に店舗があります。
飲食リスク
2018年5月29日、スターバックスは米国の直営店舗をすべて一時閉鎖しました。
閉鎖した店舗では、差別や偏見についての研修がおこなわれました。
研修がおこなわれた理由は、4月にフィラデルフィアの店舗で黒人男性が逮捕された事件があったからです。
米スタバ、8000店舗で一時閉店し社員教育へ 黒人男性逮捕受け https://t.co/1Xd2z2adeP
— ロイター (@ReutersJapan) April 18, 2018
スターバックスの店舗に、2人の黒人男性が来店しました。
2人の男性は友達を待っていたため、何も注文せずに店内で待っていました。
店の従業員がオーダーするように言いましたが、2人の男性は応じませんでした。
「オーダーしないなら警察を呼ぶ」と従業員が告げましたが、それでも応じなかったので従業員は警察を呼んだため逮捕に至りました。
We apologize to the two individuals and our customers for what took place at our Philadelphia store on Thursday. pic.twitter.com/suUsytXHks
— Starbucks Coffee (@Starbucks) April 14, 2018
スターバックスは、2日後に「逮捕したのは間違いだった」と公式に声明を発表しました(上のツイート)。
しかし、声明を発表したのは2日後と遅かったので、スターバックスはかなり批判されました。
ちなみに日本と米国のスタバの雰囲気は全然ちがいます。
米国のスタバでは、ホームレスが1日中座っていることもあります(オシャレな店内ではない)。
NYは公共トイレが少ないため、スタバのトイレを使うホームレスは多いです。
米国のスタバの現状をみると、「注文しないで店内にいられても困る」と判断した店員の気持ちも少し分かります。
飲食チェーンの従業員を全員キチンと教育するのは実質的に無理なので、こういったトラブルが起きるケースは、今後もあると思います。
直近の決算
2021年07月27日(火)の引け後、スターバックスが2021年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…74億9,650万ドル(前年同期比77.6%増)
純利益
…11億5,340万ドル(前年同期は6億7,840万ドルの赤字)
EPS
…1.01ドル
直近の株価
直近1年間の株価はこちらです(2021年07月30日終値)。
スターバックス株価:+59.7%
S&P500指数:+35.4%
直近5年間の株価はこちらです(2021年07月30日終値)。
スターバックス株価:+109.2%
S&P500指数:+103.3%
事業別売上高
スターバックス(Starbucks)の事業別売上高はこちらです(2019年9月期)。
直営店舗事業
(Company-operated stores)
…215億44.4百万ドル(前年同期比9.4%増)
ライセンス店舗事業
(Licensed stores)
…28億75百万ドル(前年同期比8.4%増)
その他
(Other)
…20億89.2百万ドル(前年同期比12.1%減)
製品別売上高
スターバックス(Starbucks)の製品別売上高はこちらです(2019年9月期)。
飲み物
(Beverage)
…159億21.2百万ドル(前年同期比10.1%増)
食べ物
(Food)
…47億92.8百万ドル(前年同期比9.0%増)
ワンスティックコーヒーや紅茶など
(Packaged and single-serve coffees and teas)
…21億26.8百万ドル(前年同期比24.0%減)
その他
(Other)
…36億67.8百万ドル(前年同期比19.8%増)
国別売上高
スターバックス(Starbucks)の国別売上高はこちらです(2019年9月期)。
米国
(United States)
…186億22.7百万ドル
その他
(Other countries)
…78億85.9百万ドル
地域別売上高
スターバックス(Starbucks)の地域別売上高はこちらです(2019年9月期)。
米国地域
(Americas)
…182億59百万ドル(前年同期比9.0%増)
国際地域
(International)
…61億90.7百万ドル(前年同期比11.5%増)
新興地域
(Channel Development)
…19億92.6百万ドル(前年同期比13.3%減)
本社・その他
(Corporate and Other)
…66.3百万ドル(前年同期比45.8%減)
決算
直近のスターバックス(Starbucks)の決算はこちらです(2019年9月期)。
売上高
…265億8百万ドル(前年同期比7.2%増)
純利益
…35億99百万ドル(前年同期比20.3%減)
営業利益率
…14.8%
EPS
…2.92ドル
BPS
…△3.65ドル
営業キャッシュフロー
…50億47百万ドル
フリーキャッシュフロー
…32億40百万ドル
売上高・純利益
スターバックス(Starbucks)の売上高・純利益はこちらです。
(青色:売上高/赤色:純利益)
営業利益率
スターバックス(Starbucks)の営業利益率は、14.8%です(2019年9月期)。
EPS(1株あたりの利益)
スターバックス(Starbucks)のEPS(1株あたりの利益)はこちらです。
BPS(1株あたりの純資産)
スターバックス(Starbucks)のBPS(1株あたりの純資産)はこちらです。
営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー
スターバックス(Starbucks)のキャッシュフローはこちらです。
(青色:営業CF/赤色:フリーCF)
配当
スターバックス(Starbucks)の1株あたりの配当はこちらです。
配当性向
スターバックス(Starbucks)の配当性向はこちらです。
配当性向は、純利益の中から、配当金をどのくらい払っているかを%(パーセンテージ)で表したものです。
今回のまとめ
今回の記事のポイントは、こちらです。
・スターバックスは、世界最大のコーヒーチェーン
・コーヒーを売るのではなく、時間と場所を売って成功した
・”モバイルオーダー&ペイ”を使った注文が増えている
・従業員の接客でスキャンダルになる可能性がある
スターバックス(Starbucks)は、世界60カ国以上でコーヒー店を展開している企業です。
日本のスターバックス株はTOBしているので、スターバックス株を購入しようと思ったら米国のスターバックス株を購入する必要があります。
スターバックスは「お店でコーヒーを売る」という喫茶店スタイルから、「時間と空間を売る」という新しいビジネスモデルを構築した企業です。
過去の決算
2021年第2四半期の決算
2021年04月27日(火)の引け後、スターバックスが2021年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…66億68百万ドル(前年同期比11.2%増)
純利益
…6億5,940万ドル(前年同期比2.0倍)
EPS
…0.62ドル
市場予想では、売上高68億20百万ドル EPS 0.53ドルだったので、まちまちでした。
決算を受けて、株価は時間外で-1.8%程度で推移しています。
2021年第1四半期の決算
2021年01月26日(火)の引け後、スターバックスが2021年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…67億4,940万ドル(前年同期比4.9%減)
純利益
…6億2,220万ドル(前年同期比29.8%減)
EPS
…0.61ドル
市場予想では、売上高69億30百万ドル EPS 0.55ドルだったので、まちまちでした。
既存店売上高は5%減でした。
決算を受けて、株価は時間外でマイナス1.4%程度で推移しています。
2020年第4四半期の決算
2020年10月29日(木)の引け後、スターバックスが2020年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…62億310万ドル(前年同期比8.1%減)
純利益
…3億9,260万ドル(前年同期比51.1%減)
EPS
…0.51ドル
市場予想では、売上高60億60百万ドル EPS 0.31ドルだったので、予想を上回る内容でした。
既存店売上高は、前年同期比9%減となりました。
決算を受けて、株価は時間外でマイナス1.4%程度で推移しています。
2020年第3四半期の決算
2020年7月28日(火)の引け後、スターバックスが2020年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…42億2,210万ドル(前年同期比38.1%減)
純損失
…6億7,840万ドルの赤字(前年同期は13億7,280万ドルの黒字)
EPS
…△0.46ドル
市場予想では、売上高40億60百万ドル EPS △0.59ドルだったので、市場予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+5.7%程度で推移しています。
2020年第2四半期の決算
2020年4月28日(火)の引け後、スターバックスが2020年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…59億9,570万ドル(前年同期比4.9%減)
純利益
…3億2,840万ドル(前年同期比50.5%減)
EPS
…0.32ドル
市場予想では、売上高58億90百万ドル EPS 0.34ドルだったので、まちまちの内容でした。
四半期ベースでは、11年ぶりの減収決算となりました。
決算を受けて、株価は時間外で -1.1%程度で推移しています。
2020年第1四半期の決算
2020年1月28日(火)の引け後、スターバックスが2020年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…70億9,710万ドル(前年同期比7.0%増)
純利益
…8億8,570万ドル(前年同期比16.4%増)
EPS
…0.79ドル
市場予想では、売上高71億10百万ドル EPS 0.76ドルだったので、まちまちでした。
新型コロナウイルスによる店舗閉鎖の期間がハッキリしなかったので嫌気されています。
決算を受けて、株価は時間外で-1.2%程度で推移しています。
2019年第4四半期の決算
2019年10月30日(水)の引け後、スターバックスが2019年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…67億47百万ドル(前年同期比7.0%増)
純利益
…8億290万ドル(前年同期比6.2%増)
EPS
…0.70ドル
市場予想では、売上高66億80百万ドル EPS 0.7ドルだったので、まちまちでした。
地域別にみると、米国と中国が好調ですね。
決算を受けて、株価は+2.8%程度で推移しています。
2019年第3四半期の決算
2019年7月25日(木)の引け後、スターバックスが2019年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…68億23百万ドル(前年同期比8.1%増)
純利益
…13億7,280万ドル(前年同期比61.0%増)
EPS
…0.78ドル
市場予想は、売上高66億70百万ドル EPS 0.72ドルだったので、予想を上回る内容でした。
通期EPSの見通しを引き上げたことが好感されていますね。
決算を受けて、株価は時間外で+6.5%程度で推移しています。
2019年第2四半期の決算
2019年4月25日(木)の引け後、スターバックスが2019年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…63億590万ドル(前年同期比4.5%増)
純利益
…6億6,320万ドル(前年同期比0.5%増)
EPS
…0.60ドル
市場予想は、売上高63億20百万ドル EPS 0.56ドルだったので、まちまちでした。
決算を受けて、株価は時間外で+0.8%程度で推移しています。
2019年第1四半期の決算
2019年1月24日(木)の引け後、スターバックスが2019年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…66億3,270万ドル(前年同期比9.2%増)
純利益
…7億6,060万ドル(前年同期比66.2%減)
EPS
…0.75ドル
市場予想は 売上高64億90百万ドル EPS 0.65ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+2.1%程度で推移しています。
減益になっているのは、撤退などの再編費用が増加したことが原因です。
中国の既存店売上高が1%増にとどまっていることが、気になります。
備考
関連資料
スターバックス:『公式HP』
スターバックス:『Annual Report』
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