目次
ビザ(Visa)
ビザ(Visa)は、クレジットカードなどの電子決済サービスを提供している世界最大の企業です。
世界最大の決済ネットワークをもっており、世界200ヵ国以上の国と地域で5,400万以上の商店と契約を結んでいます(2018年通期)。
大手クレジットカード会社の大半が、VISAと提携しています。
ビザは、決済ネットワークを提供しています。
あくまで決済ネットワークを提供しているだけで、クレジットカード自体を発行する等はしていません。
具体的には、クレジットカードの発行元に決済ネットワークと決済処理システムを提供しているだけです。
そして利用状況に応じて、決済手数料収入とライセンスフィーをとっています。
ネットワークを提供しているだけなので、高い利益率を毎年のように計上しています。
強固なビジネスモデル
VISAの強みは、”決済システムを提供するだけで、金融リスクを負っていない”ことです。
例えば、楽天のVISAカードのケースを考えてみましょう。
まず、VISAは楽天に自社の決済ネットワークを提供しています。
楽天はVISAの決済システムで取引がおこなわれるたびに、VISAに決済手数料を支払わないといけません。
カードの利用者が代金を支払わなかった場合、責任を負うのは楽天にです。
そのため、ビザは楽天にリスクを負わせたまま、安心して稼げるビジネスモデルとなっています。
ビザの業績(決算)
ビザ(VISA)は、右肩上がりのキレイな決算を発表しています。
クレジットカード決済で、世界最大のシェアを有しているので業績が安定しています。
直近の決算をみても、営業利益率が67.0%とかなり高いです(2019年9月期)。
クレジットカード会社の業績比較
現在、世界的に有名な国際ブランドは下記の3つです。
ビザとマスターカードはクレジットカードの発行をしておらず、決済処理システムのみ提供しています。
アメックスも決済システムを提供していますが、カード発行も自社でおこなっています。
それぞれ特徴があるので、軽くおさえておいたほうが良さそうですね。
クレジットカード会社の業績比較はこちらです。
3社とも高い利益率を計上しています。
ビザとマスターカードは決済システムを提供しているだけです。
アメックスはクレジットカードの運営もおこなっているので、利益率は低いですね。
ビザが1番になった理由
ビザ(VISA)の歴史は、1958年にバンク・オブ・アメリカが『Bank Americard』を発行したときにスタートしています。
1950年には、世界初のクレジットカード会社”ダイナーズクラブ”がすでに設立されています。
そのため、ビザ(VISA)がクレジットカード業界に参入したのは、かなり後発になります。
ビザが最大手のクレジットカード会社になった1番大きな理由は、”安心感”と”決済処理技術”です。
ビザには”バンク・オブ・アメリカ”という大手銀行が後ろ盾になっていたので、ユーザーは安心してサービスを利用することができました。
当時のバンク・オブ・アメリカは、決済技術のシステム化に力を入れていました。
そのため、決済の処理スピードが他社よりも非常に速かったです。
”安心感”と”利便性”が優れていたため、ビザは後発ながらも業界トップの地位までのぼりつめました。
直近の決算
2021年10月26日(火)の引け後、ビザが2021年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…65億59百万ドル
純利益
…35億21百万ドル
EPS
…1.62ドル
直近の株価
直近1年間の株価チャートはこちらです(2021年10月28日終値)。
ビザの株価:+16.0%
S&P500指数:+39.2%
直近5年間の株価チャートはこちらです(2021年10月28日終値)。
ビザの株価:+155.2%
S&P500指数:+114.1%
サービス別の売上高
サービス別の売上高はこちらです(2019年9月期)。
サービス
(Service revenues)
…97億ドル(前年同期比8.8%増)
データ処理
(Data processing revenues)
…103億33百万ドル(前年同期比14.5%増)
国際取引
(International transaction revenues)
…78億4百万ドル(前年同期比8.2%増)
その他
(Other revenues)
…13億13百万ドル(前年同期比39.1%増)
インセンティブ
(Client incentives)
…△61億73百万ドル
※Client Incentivesは、円グラフに考慮せず
※サービス売上高は、決済手数料収入
※データ処理は、決済やメンテナンス、サポートに関わる事業
※国際取引事業は、国境をまたぐ決済や為替手数料サービス
地域別の売上高
地域別の売上高はこちらです(2019年9月期)。
米国(U.S.)
…102億79百万ドル
国際(International)
…126億98百万ドル
決算
ビザ(VISA)の決算(業績)はこちらです(2019年9月期)。
売上高
…229億77百万ドル
純利益
…123億75百万ドル
営業利益率
…67.0%
EPS
…5.32ドル
BPS
…13.26ドル
営業キャッシュフロー
…127億84百万ドル
フリーキャッシュフロー
…120億28百万ドル
売上高・当期利益
ビザ(VISA)は、右肩上がりのキレイな決算を発表してきました。
日本でもキャッシュレス化がすすんでおり、ビザの経営に大きな追い風が吹いています。
(紺色:売上高/赤色:純利益)
営業利益率
ビザ(VISA)の営業利益率は、67.0%と非常に高いです(2019年9月期)。
クレジットカードで高いシェアをもっているので、経営基盤は万全ですね。
EPS(1株あたりの利益)
ビザ(VISA)のEPS(1株あたりの利益)はこちらです。
直近10年間で、EPSは5倍以上になっています。
BPS(1株あたりの純資産)
ビザ(VISA)のBPS(1株あたりの純資産)はこちらです。
営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー
ビザ(VISA)のキャッシュフローはこちらです。
クレジットカードは、毎年継続的に安定したキャッシュを生んでくれるドル箱ですね。
(青色:営業CF/赤色:フリーCF)
1株あたり配当
ビザ(VISA)の1株あたりの配当はこちらです。
順調に増加傾向で、過去10年間で7倍以上となっています。
配当性向
ビザ(VISA)の配当性向はこちらです。
配当性向は、純利益の中から、配当金をどのくらい払っているかを%(パーセンテージ)で表したものです。
今回のまとめ
今回の記事のポイントは、こちらです。
・ビザは、電子決済サービスを提供している世界最大の企業
・決済システムを提供するだけで、金融リスクは負っていない
・鉄壁のビジネスモデルが高い利益率を計上している
・カード会社の大半は、ビザと提携している
ビザ(VISA)は、クレジットカードなどの電子決済サービスを提供している世界最大の企業です。
強みは、”決済システムを提供するだけで、金融リスクを負っていない”ことです。
ビザは提携企業にリスクを負わせたまま、安心して稼げるビジネスモデルを構築しています。
過去の決算
2021年第2四半期の決算
2021年04月27日(火)の引け後、ビザが2021年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…57億29百万ドル(前年同期比2.1%減)
純利益
…30億26百万ドル(前年同期比1.9%減)
EPS
…1.38ドル
市場予想では、売上高55億50百万ドル EPS 1.27ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+1.1%程度で推移しています。
2021年第1四半期の決算
2021年01月28日(木)の引け後、ビザが2021年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…56億87百万ドル(前年同期比6.1%減)
純利益
…31億26百万ドル(前年同期比4.5%減)
EPS
…1.42ドル
市場予想では、売上高55億30百万ドル EPS 1.28ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+1.8%程度で推移しています。
2020年第4四半期の決算
2020年10月28日(水)の引け後、ビザが2020年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…51億1百万ドル(前年同期比16.9%減)
純利益
…21億37百万ドル(前年同期比29.4%減)
EPS
…1.12ドル
市場予想では、売上高50億ドル EPS 1.1ドルだったので、予想を上回る内容でした。
コロナウイルスの影響で、減収減益の決算となりました。
決算を受けて、株価は時間外で+0.6%程度で推移しています。
2020年第3四半期の決算
2020年7月28日(火)の引け後、ビザが2020年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…48億37百万ドル(前年同期比17.2%減)
純利益
…23億73百万ドル(前年同期比23.5%減)
EPS
…1.06ドル
市場予想では、売上高48億20百万ドル EPS 1.03ドルだったので、まちまちでした。
決算を受けて、株価は時間外で△1.9%程度で推移しています。
2020年第2四半期の決算
2020年4月30日(木)の引け後、ビザが2020年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…58億54百万ドル(前年同期比6.6%増)
純利益
…30億84百万ドル(前年同期比3.6%増)
EPS
…1.39ドル
市場予想では、売上高57億50百万ドル EPS 1.35ドルだったので、予想を上回る内容でした。
ビザは、コロナウイルスの影響を受けて、通年の業績予想を撤回しています。
決算を受けて、株価は時間外で -0.7%程度で推移しています。
2020年第1四半期の決算
2020年1月30日(木)の引け後、ビザが2020年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…60億54百万ドル(前年同期比10.0%増)
純利益
…32億72百万ドル(前年同期比9.9%増)
EPS
…1.46ドル
市場予想では、売上高60億80百万ドル EPS 1.46ドルだったので、まちまちでした。
決算を受けて、株価は時間外で-3.0%程度で推移しています。
2019年第4四半期の決算
2019年10月24日(木)の引け後、ビザが2019年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…61億37百万ドル(前年同期比12.9%増)
純利益
…30億25百万ドル(前年同期比6.3%増)
EPS
…1.47ドル
市場予想では、売上高60億80百万ドル EPS 1.43ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+0.4%程度で推移しています。
2019年第2四半期の決算
2019年4月24日(水)の引け後、ビザが2019年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…54億94百万ドル(前年同期比8.3%増)
純利益
…29億77百万ドル(前年同期比14.3%増)
EPS
…1.31ドル
市場予想は、売上高54億60百万ドル EPS 1.24ドルだったので、予想を上回る内容でした。
消費額をみると、米国経済は堅調のようですね。
決算を受けても、株価は時間外でほぼ変わらずで推移しています。
2019年第1四半期の決算
2019年1月30日(水)の引け後、ビザは2019年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…55億6百万ドル(前年同期比13.2%増)
純利益
…29億77百万ドル(前年同期比18.0%増)
EPS
…1.30ドル
市場予想は、売上高54億10百万ドル EPS 1.25ドルだったので、まちまちの内容でした。
決算の内容を受けて、株価は時間外で-1.6%程度で推移しています。
備考
関連資料
ビザ:『公式HP』
ビザ:『Annual Report』
ビザ:『Morningstar』
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