目次
テスラ(Tesla)
テスラ(Tesla)は、世界最大の電気自動車(EV)メーカーです。
会社名は、物理学者の二コラ・テスラにちなんで名づけられています。
電気自動車のイメージが強いテスラですが、ソーラーパネルなども提供しています。
電気自動車は、GMの”ボルト”や日産の”リーフ”なども有名です。
しかし、人気という点ではテスラが圧倒的ですね。
常にテスラの電気自動車は在庫不足で、製造されれば売れるという状態です。
テスラは、さまざまな電気自動車(EV)ブランドを提供しています。
ロードスター
…テスラ初のスポーツカータイプの市販電気自動車
モデルS
…セダンタイプの高級電気自動車
モデルX
…クロスオーバーSUVタイプの電気自動車
モデルY
…7人乗りのミッドサイズSUVタイプの電気自動車
モデル3
…中価格帯のセダンタイプの電気自動車
サイバートラック
…トラックの実用性とスポーツカーを兼ね備えた電気自動車
テスラの業績
テスラの事業別売上高はこちらです。
当たり前ですが、下記の通り電気自動車の販売がメイン事業となっています。
電気自動車の販売(Automotive sales)
…81.2%
電気自動車のリース(Automotive leasing)
…3.5%
エネルギー発電と貯蔵製品(Energy generation and storage)
…6.2%
サービス他(Services and other)
…9.1%
テスラの弱点は”収益力が弱い”ということです。
実は、テスラは通期で黒字になったことがありません(2019年通期まで)。
トヨタやホンダなどの他自動車メーカーとは、まったく違う経営構造となっています。
過去の決算(業績)はこちらです(通期ベース)。
業績は伸びていますが、収益力は弱いですね。
四半期ベースの業績はこちらです。
純利益は黒字転換していますね。
経営者 イーロン・マスク
米テスラのイーロン・マスクCEO、世界7位の富豪に https://t.co/hnt7h38jXw
— cnn_co_jp (@cnn_co_jp) July 13, 2020
テスラの代表取締役(CEO)は、イーロン・マスク氏です。
マスク氏はPayPalの前身となった“X.com”や国際宇宙ステーションへの有人飛行を実現させた“スペースX”を創業したシリアルアントプレナー(連続起業家)です。
テスラは後発の自動車メーカーですが、マスク氏のカリスマ性のおかげもあり急速に成長してきました。
テスラは、“良くも悪くもイーロン・マスク次第”です。
マスク氏は、とにかくスケールのデカいCEOですね。
上の動画は、マスク氏が率いる新交通システム開発企業『The Boring Company』がおこなっている地下トンネル構想です。
マスク氏はロサンゼルスの渋滞を緩和させるために、地下トンネルを活用した交通システムを開発中です。
Tesla CEO Elon Musk smoked weed during a live interview with comedian Joe Rogan https://t.co/iq5F15w0iQ pic.twitter.com/tBP1LnfcGu
— Bloomberg Quicktake (@Quicktake) September 7, 2018
イーロン・マスク氏は、ちょっと精神的に不安定なところがあります。
2018年9月、マスク氏はポッドキャスト番組の収録中に大麻を吸引しました。
番組の収録がおこなわれたカリフォルニア州で大麻は合法なので、法律的な問題はありません。
しかし、大企業のCEOが番組収録中に大麻を吸うのは、さすがにアウトですね。
テスラに投資する際は、“イーロン・マスク”という人物のこともよく調べる必要があります。
テスラ独自の収益源
テスラ(Tesla)には、他の自動車メーカーにはない大きな収益源があります。
それは“規制クレジット(Regulatory Credits)”です。
米国では、自動車会社が“排出ガスゼロ”の車を一定の割合で販売することが規制によって決められています。
もし販売台数が規制で決められた台数まで届かない場合、自動車メーカーは違反金を支払うか、他の自動車メーカーから規制枠を購入する必要があります。
テスラの提供している車はすべて電気自動車なので、余った枠をGMなどの他メーカーに販売しています。
余剰枠の販売はそのまま利益になるので、大きな収益源となりつつあります。
テスラ、中国EV市場で躍進 4~6月も最終黒字 https://t.co/01twGaR0kW
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) July 23, 2020
テスラの規制クレジットは、下記の通り大きく成長しています。
今後も世界的に排ガス規制が強化される可能性が高いため、テスラが他社に売却できる規制クレジット枠がどんどん増えていきそうですね。
2019年…5億94百万ドル
2018年…4億19百万ドル
2017年…3億60百万ドル
時価総額でトヨタ抜き
テスラ(Tesla)の時価総額は、トヨタ自動車を超えて自動車業界首位です。
トヨタグループの新車販売台数は1,074万台ですが、テスラはやく36万7,500台となっており大きな差があります。
現在は業績がともなって株価が上がっているというよりも、“株式市場の期待感”がほとんどですね。
テスラの時価総額
…28兆1,196億円
トヨタ自動車の時価総額
…21兆9,567億円
※トヨタ…2020年7月22日終値
※テスラ…2020年7月24日終値(為替107円で計算)
テスラのライバル
テスラのライバルは、下記の通りです。
現在の高級電気自動車市場は、テスラの独壇場となっています。
※上の動画はEQC
・ベンツの『EQC』
・BMWの『i3』
・日産自動車の『リーフ』
・三菱自動車の『i-MiEV』
・フォルクスワーゲンの『e-GOLF』
直近の決算
2021年04月26日(月)の引け後、テスラが2021年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…103億89百万ドル(前年同期比73.6%増)
純利益
…4億38百万ドル(前年同期比27.4倍)
EPS
…0.93ドル
市場予想では、売上高102億90百万ドル EPS 0.79ドルだったので、予想を上回る内容でした。
通期の販売台数の見通しを開示しなかったことが嫌気されています。
決算を受けて、株価は時間外で-2.5%程度下落して推移しています。
直近の株価
直近1年間の株価チャートはこちらです(2021年04月26日終値)。
テスラの株価:+409.0%
S&P500指数:+47.4%
直近5年間の株価チャートはこちらです(2021年04月26日終値)。
テスラの株価:+1,433.1%
S&P500指数:+102.4%
事業別の売上高
テスラ(Tesla)の事業別売上高はこちらです(2019年12月期)。
自動車の販売
(Automotive sales)
…199億52百万ドル(前年同期比13.2%増)
自動車のリース
(Automotive leasing)
…8億69百万ドル(前年同期比1.6%減)
サービス他
(Services and other)
…22億26百万ドル(前年同期比60.0%増)
エネルギー発電・貯蔵製品
(Energy generation and storage segment revenue)
…15億31百万ドル(前年同期比1.5%減)
サービス別の売上高
テスラ(Tesla)のサービス別売上高はこちらです(2019年12月期)。
自動車の販売(再販価格保証なし)
(Automotive sales without resale value guarantee)
…192億12百万ドル(前年同期比21.5%増)
自動車の販売(再販価格保証あり)
(Automotive sales with resale value guarantee)
…1億46百万ドル(前年同期比89.6%減)
自動車の規制クレジット
(Automotive regulatory credits)
…5億94百万ドル(前年同期比41.8%増)
エネルギー発電・貯蔵製品
(Energy generation and storage sales)
…10億ドル(前年同期比5.3%減)
サービス他
(Services and other)
…22億26百万ドル(前年同期比60.0%増)
自動車のリース
(Automotive leasing)
…8億69百万ドル(前年同期比1.6%減)
エネルギー発電・貯蔵製品のリース
(Energy generation and storage leasing)
…5億31百万ドル(前年同期比6.4%増)
地域別の売上高
テスラ(Tesla)の地域別売上高はこちらです(2019年12月期)。
最近は中国の存在感が増しています。
米国
(United States)
…126億53百万ドル(前年同期比14.9%減)
中国
(China)
…29億79百万ドル(前年同期比69.6%増)
オランダ
(Nertherlands)
…15億90百万ドル(前年同期比64.8%増)
ノルウェー
(Norway)
…12億01百万ドル(前年同期比47.7%増)
その他
(Other)
…61億55百万ドル(前年同期比101.5%増)
決算
テスラ(Tesla)の決算はこちらです(2019年12月期)。
売上高
…245億78百万ドル(前年同期比14.5%増)
純利益
…△8億62百万ドル
営業利益率
…0.3%
EPS
…△4.92ドル
BPS
…33.36ドル
営業キャッシュフロー
…24億05百万ドル
フリーキャッシュフロー
…9億68百万ドル
売上高・純利益
テスラ(Tesla)の業績はこちらです。
収益力が弱いのが、テスラの最大の弱点ですね。
(青色:売上高/赤色:純利益)
営業利益率
テスラ(Tesla)の営業利益率は0.3%です(2019年12月期)。
EPS(1株あたりの利益)
テスラ(Tesla)のEPS(1株あたりの利益)はこちらです。
BPS(1株あたりの純資産)
テスラ(Tesla)のBPS(1株あたりの純資産)はこちらです。
営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー
テスラ(Tesla)のキャッシュフローはこちらです。
(青色:営業CF/赤色:フリーCF)
配当
テスラ(Tesla)は、配当を出していません。
配当性向
テスラ(Tesla)は、配当を出していません。
今回のまとめ
今回の記事のポイントはこちらです。
・テスラは、世界最大の電気自動車メーカー
・テスラの電気自動車は、カッコよくて品不足
・最近の四半期決算で急速に業績が改善
・イーロンマスクCEOの経営手腕に大きな期待
テスラ(Tesla)は、世界最大の電気自動車(EV)メーカーです。
CEOは、カリスマ経営者として有名なイーロン・マスク氏です。
業績は改善していますが、収益基盤の弱い会社として有名ですね。
今後はモデル3の販売次第で、大きく業績が振れる可能性があります。
過去の決算
2020年第4四半期の決算
2021年01月27日(水)の引け後、テスラが2020年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…107億44百万ドル(前年同期比45.5%増)
純利益
…2億70百万ドル(前年同期比2.6倍)
EPS
…0.80ドル
市場予想では、売上高103億20百万ドル EPS 1.01ドルだったので、まちまちでした。
決算を受けて、株価は時間外でマイナス2.7%程度で推移しています。
2020年第3四半期の決算
2020年10月22日(木)の引け後、テスラが2020年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…87億71百万ドル(前年同期比39.2%増)
純利益
…3億ドル(前年同期比2.1倍)
EPS
…0.76ドル
市場予想では、売上高82億60百万ドル EPS 0.56ドルだったので、予想を上回る内容でした。
この決算で、5四半期連続での最終黒字となりました。
決算を受けて、株価は時間外で+2.7%程度で推移しています。
2020年第2四半期の決算
2020年7月22日(木)の引け後、テスラが2020年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…60億36百万ドル(前年同期比4.9%減)
純利益
…1億4百万ドル(前年同期は4億8百万ドルの赤字)
EPS
…2.18ドル
市場予想では、売上高52億30百万ドル EPS -0.11ドルだったので、予想を上回る内容でした。
これで4四半期連続で黒字決算となりました。
新型コロナウイルスの影響で、自動車業界全体が苦戦する中で好決算でした。
決算を受けて、株価は時間外で+4.2%程度で推移しています。
2020年第1四半期の決算
2020年4月29日(火)の引け後、テスラが2020年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…59億85百万ドル(前年同期比31.8%増)
純利益
…16百万ドル(前年同期比7億2百万ドルの赤字)
EPS
…1.24ドル
市場予想では、売上高59億ドル EPS -0.36ドルだったので、予想を上回る内容でした。
新車販売台数は、8万8,400台でした。
16百万ドルの黒字決算となりました。
決算を受けて、株価は時間外で+9.0%程度で推移しています。
2019年第4四半期の決算
2020年1月29日(水)の引け後、テスラが2019年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…73億84百万ドル(前年同期比2.2%増)
純利益
…1億5百万ドル(前年同期比25.0%減)
EPS
…2.14ドル
市場予想では、売上高70億20百万ドル EPS 1.72ドルだったので、予想を上回る内容でした。
世界販売台数は、11万2,095台(前年同期比23%増)でした。
決算を受けて、株価は時間外で+11.6%程度で推移しています。
2019年第3四半期の決算
2019年10月23日(水)の引け後、テスラが2019年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…63億3百万ドル(前年同期比7.6%減)
純利益
…1億43百万ドル(前年同期比54.0%減)
EPS
…1.86ドル
市場予想は、売上高63億30百万ドル EPS -0.42ドルだったので、予想を上回る黒字決算でした。
人員削減をすすめたため、今回の決算で黒字転換していますね。
決算を受けて、株価は時間外で+20.2%程度で推移しています。
2019年第2四半期の決算
2019年7月24日(水)の引け後、テスラが2019年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…63億4,967万ドル(前年同期比58.7%増)
純損失
…4億833万ドル(前年同期比は7億1,753万ドルの赤字)
EPS
…-1.12ドル
市場予想は、売上高64億10百万ドル EPS -0.4ドルだったので、まちまちの内容でした。
世界の販売台数は、9万5,356台(2.3倍)でした。
米国のEV購入の税額控除が減額されたため、モデルSとモデルXの販売が落ちました。
予想よりも大きな赤字だったため、株価は時間外で-11%と急落して推移しています。
2019年第1四半期の決算
2019年4月24日(水)の引け後、テスラが2019年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…45億4,146万ドル(前年同期比33.2%増)
純損益
…7億213万ドル(前年同期は7億955万ドルの赤字)
EPS
…-2.90ドル
市場予想は、売上高53億30百万ドル EPS -0.69ドルだったので、予想を下回る内容でした。
第2四半期も赤字になるとの見通しを発表しました。
「モデル3」の納入は、相変わらず上手くいっていないようですね。
赤字が続くようだと手元資金への不安が再燃してきそうです。
備考
関連資料
テスラ:『公式HP』
テスラ:『Annual Report』
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