ナイキ(Nike)
ナイキ(Nike)は、世界一の売上を誇るスポーツ用品メーカーです。
社名は、ギリシャ神話の勝利の女神「ニーケ(Nike)」に由来します。
”ナイキ”ブランドで有名な企業ですが、コンバースなども手がけています。
ナイキは自社工場をもたないファブレス企業として知られています。
製品の大半はアジア企業で委託生産されています。
あのナイキのスニーカーは「パリの建築物」にヒントを得た https://t.co/ZcaNJkVFqt pic.twitter.com/HLfj2uN6o5
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) May 19, 2018
ナイキの革新的なデザインは、ティンカー・ハットフィールド氏によって生み出されました。
ハットフィールド氏は、世界で最も成功した靴デザイナーの1人として知られています。
ナイキといえば、靴(フットウェア)ですね。
『エアマックス』や『コンバース』、『エアフォース1』、『コルテッツ』、『ブレザー』などのブランドを運営しています。
ナイキのスニーカーには、”エア”とよばれるクッショニングシステムがあり、機能とデザインを両立させています。
日本では『エアマックス』のスニーカーが異常な人気となり、”エアマックス狩り”という社会問題にまで発展しました。
2003年、ナイキはコンバースを買収しました。
現在でもナイキからは独立した形で会社運営をしています。
『チャックテイラー(オールスター)』や『ジャックパーセル』、『ワンスター』などの人気スニーカーを展開しています。
”シンプルなデザイン”+”細いフォルム”に特徴があり、どんなコーディネートにもマッチします。
ナイキは靴の自動生産ラインの開発に力を入れています。
靴の生産は、製造工程がかなり複雑なので”自動化”ができませんでした。
ナイキは外部企業と提携して、”靴の自動生産”の開発をすすめています。
もし自動生産に成功すれば、コストを大幅に削減することができますね。
創業者のフィル・ナイト氏も、インタビューで靴の自動生産についてコメントすることが増えています。
ナイキの最大のライバルは、アディダスです。
アディダスは『スーパー・スター』や『リーボック』、『スタン・スミス』、『カントリー』などのブランドで知られています。
実は、アディダスはナイキに抜かれるまでスポーツ用品でダントツの1位でした。
オリンピックやW杯でもユニフォームのブランドは、ナイキかアディダスが多いですね。
Why Nike is betting its slogan on Colin Kaepernick https://t.co/JTmCkYQTXP pic.twitter.com/za7RjbbY7d
— CNN (@CNN) September 4, 2018
ナイキは、30周年の広告キャンペーンに”コリン・キャパニック氏”を起用しました。
キャパニック氏は、NFLサンフランシスコの元クォーターバックです。
2016年のシーズンに、人種差別に抗議するため国歌斉唱時に起立を拒否する抗議をしたことで知られています。
2016年当時、警察官の黒人に対する暴力が問題となっていました。
キャパニック氏は国家斉唱時の起立を拒否することで、事件と警察の暴力に対して抗議の意思を示しました。
この抗議行動は一部の人から称賛されましたが、一部の人の激しい批判を招きました。
ちなみに、トランプ大統領はキャパニック氏のことを罵倒しています。
キャパニック氏はNFLサンフランシスコのスター選手でしたが、抗議行動の影響もありチームを去ることになりました。
そして、どのNFLチームとも契約してもらえませんでした。
そのため、キャパニック氏は抗議行動を理由に自分をリーグから排除したとして、NFLを訴えています。
ナイキは、30周年のキャンペーンにキャパニック氏を起用したことで、NFLとトランプ政権に反対の立場をとったことになります。
一般的に企業は、政治的な論争を招きそうな人物を広告塔にしません。
キャパニックを起用したCMに反対して、ナイキの商品を燃やすなどの抗議活動をおこなう人もでました。
ただし、ブルームバーグによると、キャパニックCMは、公開から24時間以内に4,300万ドルの広告効果を生み出すなど好調のようです。
最近の決算
2021年09月23日(木)の引け後、ナイキが2022年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…122億48百万ドル(前年同期比15.6%増)
純利益
…18億74百万ドル(前年同期比23.5%増)
EPS
…1.16ドル
直近の株価
直近1年間の株価チャートはこちらです(2021年10月22日)。
ナイキの株価:+25.8%
S&P500指数:+31.3%
直近5年間の株価チャートはこちらです(2021年10月22日)。
ナイキの株価:+215.8%
S&P500指数:+112.5%
事業別の売上高
ナイキ(Nike)の事業別の売上高はこちらです(2019年通期)。
店舗での売上高
(Sales to Wholesale Customers)
…266億70百万ドル
ネットでの売上高
(Sales through Direct to Consumer)
…123億06百万ドル
その他
(Other)
…1億41百万ドル
製品別の売上高
ナイキ(Nike)の製品別の売上高はこちらです(2019年通期)。
靴がメイン商品となっています。
靴
(Footwear)
…258億80百万ドル
服
(Apparel)
…116億68百万ドル
エクイップメント
(Equipment)
…14億28百万ドル
その他
(Other)
…1億41百万ドル
地域別の売上高
ナイキ(Nike)の地域別売上高はこちらです(2019年通期)。
中国での売上高が20.9%増と大きく伸びています。
※コンバースブランド(Converse)の地域別売上高はありません。
※相殺分はグラフに考慮していません。
北アメリカ
(North America)
…159億02百万ドル(前年同期比7.0%増)
欧州・中東・アフリカ
(Europe, Middle East & Africa)
…98億12百万ドル(前年同期比6.2%増)
中華圏
(Greater China)
…62億08百万ドル(前年同期比20.9%増)
アジア太平洋&ラテンアメリカ
(Asia Pacific & Latin America)
…52億54百万ドル(前年同期比1.7%増)
海外でのナイキブランドのライセンス収入
(Global Brand Divisions)
…42百万ドル(前年同期比52.3%減)
コンバース
(Converse)
…19億06百万ドル(前年同期比1.1%増)
ナイキブランドの男女比等
ナイキブランド(NIKE Brand)の男女比などです。
男女比でみると、男性に偏りがありますね。
※コンバースブランドは考慮されていません。
男性向け
(Men’s)
…177億37百万ドル
女性向け
(Women’s)
…73億80百万ドル
キッズ
(NIKE Kids’)
…52億83百万ドル
その他
(Others)
…21億50百万ドル
ナイキブランドの売上高
ナイキブランド(NIKE Brand)の売上高はこちらです(2019年通期)。
ランニング
(Running)
…44億88百万ドル(前年同期比0.2%減)
バスケットボール
(NIKE Basketball)
…15億97百万ドル(前年同期比6.9%増)
ジョーダンブランド
(Jordan Brand)
…31億38百万ドル(前年同期比9.9%増)
フットボール(サッカー)
(Football:Soccer)
…18億94百万ドル(前年同期比11.7%減)
トレーニング
(Training)
…31億37百万ドル(前年同期比0.4%増)
スポーツウェア
(Sportswear)
…124億42百万ドル(前年同期比16.1%増)
その他
(Others)
…58億54百万ドル(前年同期比7.2%増)
決算
ナイキ(Nike)の決算(業績)はこちらです(2019年通期)。
売上高
…391億17百万ドル(前年同期比7.5%増)
純利益
…40億29百万ドル(前年同期比108.4%増)
営業利益率
…12.2%
EPS
…2.49ドル
BPS
…5.71ドル
営業キャッシュフロー
…59億03百万ドル
フリーキャッシュフロー
…47億84百万ドル
売上高・純利益
ナイキ(Nike)の売上高/純利益はこちらです。
(紺色:売上高/赤色:純利益)
営業利益率
ナイキ(Nike)の営業利益率は、12.2%です(2019年5月期)。
EPS(1株あたりの利益)
ナイキ(Nike)のEPS(1株あたりの利益)はこちらです。
BPS(1株あたりの純資産)
ナイキ(Nike)のBPS(1株あたりの純資産)はこちらです。
営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー
ナイキ(Nike)のキャッシュフローはこちらです。
(紺色:営業CF/赤色:フリーCF)
1株あたり配当
配当性向
ナイキ(Nike)の配当性向はこちらです。
配当性向は、純利益の中から、配当金をどのくらい払っているかを%(パーセンテージ)で表したものです。
今回のまとめ
今回の記事のポイントは、こちらです。
・ナイキは世界最大のスポーツ用品メーカー
・自社工場をもたないファブレス企業
・靴の自動生産の開発をすすめている
・フットウェア(靴)がメイン商品
ナイキ(Nike)は、世界最大のスポーツ用品メーカーです。
エアマックスやコンバースなどの長年愛されてきた老舗ブランドを複数保有していることが最大の強みですね。
過去の決算
2021年第4四半期の決算
2021年6月24日(木)の引け後、ナイキが2021年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…123億44百万ドル(前年同期比95.5%増)
純利益
…15億9百万ドル(前年同期は7億90百万ドルの赤字)
EPS
…0.93ドル
強気の決算発表を受けて、アナリストの目標株価の引き上げが相次ぎました。
一時時間外の取引で+14%をつけるなど、高評価の決算でした。
2021年第3四半期の決算
2021年03月18日(木)の引け後、ナイキが2021年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…103億57百万ドル(前年同期比2.5%増)
純利益
…14億49百万ドル(前年同期比71.1%増)
EPS
…0.90ドル
市場予想では、売上高110億20百万ドル EPS 0.76ドルだったので、まちまちでした。
オンライン販売は増えていますが、店舗での売上高は減少しています。
決算を受けて、株価は時間外でマイナス3.8%程度で推移しています。
2021年第2四半期の決算
2020年12月18日(金)の引け後、ナイキが2021年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…112億43百万ドル(前年同期比8.9%増)
純利益
…12億51百万ドル(前年同期比12.2%増)
EPS
…0.78ドル
市場予想では、売上高105億60百万ドル EPS 0.62ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+2.7%程度で推移しています。
2021年第1四半期の決算
2020年9月22日(火)の引け後、ナイキが2021年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…105億94百万ドル(前年同期比0.6%減)
純利益
…15億18百万ドル(前年同期比11.0%増)
EPS
…0.95ドル
市場予想では、売上高91億40百万ドル EPS 0.47ドルだったので、予想を上回る内容でした。
コロナの逆風の中で、かなりの好決算を発表しました。
決算を受けて、株価は時間外で+13.0%程度で推移しています。
2020年第4四半期の決算
2020年6月25日(木)の引け後、ナイキが2020年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…63億13百万ドル(前年同期比38.0%減)
純損失
…7億90百万ドルの赤字(前年同期は9億89百万ドルの黒字)
EPS
…マイナス0.51ドル
市場予想では、売上高75億20百万ドル、EPS 0.09ドルだったので、予想を下回る内容でした。
新型コロナウイルスのせいで直営店舗を閉鎖したことが大きなダメージになりました。
ただし、ネット通販が75%増だったのは大きなプラス材料です。
2020年第3四半期の決算
2020年3月24日(火)の引け後、ナイキが2020年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…101億4百万ドル(前年同期比5.1%増)
純利益
…8億47百万ドル(前年同期比23.1%減)
EPS
…0.78ドル
2020年第2四半期の決算
2019年12月19日(木)の引け後、ナイキは2020年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…103億26百万ドル(前年同期比10.2%増)
純利益
…11億15百万ドル(前年同期比31.6%増)
EPS
…0.70ドル
予想を上回る決算でしたが、材料出尽くしで株価は下落しました。
中国での売上高が2割近く増加しています。
2020年第1四半期の決算
2019年9月24日(火)の引け後、ナイキは2020年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…106億60百万ドル(前年同期比7.2%増)
純利益
…13億67百万ドル(前年同期比25.2%増)
EPS
…0.86ドル
市場予想は、売上高104億40百万ドル EPS 0.7ドルだったので、予想を上回る内容でした。
ナイキがユニフォームを提供した米女子代表チームがワールドカップに優勝したので、大きく業績に寄与していますね。
好調な決算を受けて、株価は時間外で+5.3%程度で推移しています。
2019年第4四半期の決算
2019年6月27日(木)の引け後、ナイキは2019年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…101億84百万ドル(前年同期比4.0%増)
純利益
…9億89百万ドル(前年同期比13.0%減)
EPS
…0.62ドル
2019年第3四半期の決算
2019年3月21日の引け後、ナイキは2019年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
96億11百万ドル(前年同期比7.0%増)
純利益
11億1百万ドル(前年同期は9億21百万ドルの赤字)
EPS
0.68ドル
市場予想は、売上高96億10百万ドル EPS 0.65ドルだったので、予想を上回る内容でした。
中国の業績が上がっていますが、北米はイマイチでした。
中華圏が売上高+19%と好調でしたが、トータルではほぼ予想通りだったため、株価は時間外で-4.6%程度下げて推移しています。
2019年第2四半期の決算
2018年12月20日の引け後、ナイキは2019年第2四半期の決算を発表しました。
・売上高 93億7,400万ドル(前年同期比9.6%増)
・純利益 8億4,700万ドル(前年同期比10.4%増)
・EPS 0.52ドル
市場予想は 売上高91億70百万ドル、EPS 0.46ドルだったので、予想を上回る内容でした。
売上が大きく伸びていますが、北米(9%増)や中国(26%増)での売上が好調でした。
2019年第1四半期の決算(2018/09/26 更新)
ナイキは、引け後に第1四半期の決算を発表しました。
・売上高 99億48百万ドル(前年同期比9.7%増)
・利益 10億92百万ドル(前年同期比14.9%増)
・EPS 0.67ドル
市場予想は、売上高99億40百万ドル EPS 0.63ドルだったので、市場予想を上回る内容でした。
売上高もEPSも、ちょっとだけ市場予想を上回りました。
しかし、材料出尽くしのため、株価は時間外で3.3%程度下落して推移しています。
備考
関連資料
ナイキ:『公式HP』
ナイキ:『Annual Report』
ナイキ:『Morningstar』
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