マイクロソフト(Microsoft)
マイクロソフト(Microsoft)は、”Windows”や”Microsoft Office”などのサービスを提供している企業です。
1995年に発表された”Windows 95”によって、一般家庭にもパソコンが爆発的に広がりました。
マイクロソフトは、下記のような製品・サービスを提供しています。
Microsoft Officeシリーズ
…ExcelやWord、Outlookなどのビジネスソフトウェア
Skype(スカイプ)
…ビデオ通話ソフト
Azure(アジュール)
…クラウド・プラットフォーム・サービス
Surface(サーフェス)
…タブレットPC
Xbox(エックスボックス)
…“Xbox one”などのゲーム機シリーズ
LinkedIn(リンクトイン)
…世界最大のビジネスSNS
Bing(ビング)
…検索エンジン
マインクラフト
…世界で大人気のものづくりゲーム
Teams
…ビジネスチャットアプリ
マイクロソフトの業績(決算)
マイクロソフトの業績はこちらです(2019年6月期)。
過去の業績をみると、安定して収益を稼ぐ体制ができています。
事業・サービス別の売上高はこちらです(2019年6月期)。
マイクロソフトの最大の特徴は、売上高の構成がきれいに分散されていることです。
構成比の1番大きな事業でも25.9%となっています。
グーグルやフェイスブックは広告、アップルはiPhoneに依存しています。
一方マイクロソフトは、バランスの良い事業ポートフォリオを構築してます。
マイクロソフトは2016年度決算から事業区分を変更しています。
ちょっと分かりにくいですが、各事業区分の主なサービスがこちらです。
どの事業でもしっかりと儲けていることが、マイクロソフトの強みです。
創業者 ビル・ゲイツ
マイクロソフトは、1975年にビル・ゲイツ氏とポール・アレン氏によって創業されました。
ゲイツ氏はIBMのパソコンを動かすソフトを開発して、1995年に発表された”Windows 95”の大ヒットによって大きく会社を成長させます。
ビル・ゲイツは『すべてのデスクと、すべての家庭にコンピューターを』という分かりやすいメッセージを掲げ、世界をその言葉とおりの状況に変えました。
現在ビル・ゲイツ氏は「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」を設立して、発展途上国などの貧しい人々に向けて医療サービスなどを提供しています。
具体的には、”ワクチンの開発”や”女性・子どもの教育支援”、”アフリカ諸国への援助”などをおこなっています。
マイクロソフトの復活!
1990年代、マイクロソフトはコンピューターのOS世界シェアが95%近くあり、まさに”無敵企業”でした。
2002年マイクロソフトはGEを抜いて、世界最大の時価総額企業となっています。
しかし、マイクロソフトはゲイツ氏が去った後にやってきた”モバイル”と”SNS”の波に完全に乗り遅れてしまいます。
2代目CEOのバルマー氏はWindows中心の戦略をとっていましたが、あまりうまくいきませんでした。
検索はグーグルに負け、スマホはアップルに負け、モバイルOSはグーグルとアップルに負けました。
そんな行き詰ったマイクロソフトを変えたのが、3代目CEOに就任したサティア・ナデラ氏です。
ナデラ氏は、今まで敵対していた企業と積極的に連携をすすました。
長年関係の悪かったリナックス(Linux)やアマゾンのアレクサ、フェイスブックとも連携をしました。
アップルのiPhoneのように大ヒット商品があるわけではありませんが、ナデラCEOになってマイクロソフトは大きく業績を回復させています。
Azure
現在マイクロソフトで最も伸びているサービスは、クラウドサービスの”Azure”です。
Azureのクラウド参入は後発でしたが、高い成長率を記録しています。
コストの低さとMicrosoft Officeとの組み合わせを武器にしてユーザーを伸ばしています。
マイクロソフトは、2019年の米国防総省の防衛インフラ事業(JEDI)の入札で、アマゾンを下して総額100億ドルの受注を獲得するなど好調ですね。
現在クラウドは、Amazonの『AWS』とMicrosoftの『Azure』の2強体制です。
クラウドサービスの市場規模はこれから伸びていくと予想されているので、Azureの成長には期待できます。
ホロレンズ(HoloLens)
マイクロソフトは、MR(複合現実)にも力を入れています。
ホロレンズ(HoloLens)は、マイクロソフトが2016年に発売した仮想世界と現実世界を融合させたMRを体験できるMRデバイスです。
上の動画のように、ホロレンズの3D映像を現実世界の物体に重ねて表示することができます。
ホロレンズは、PCやスマホと接続する必要がなく動かすことができます。
日本でも”トヨタ自動車”や”大東建託”、”野村不動産”などの大企業でも活用されています。
上の動画をみると、トヨタ自動車では車の製造にホロレンズが利用されています。
MR(複合現実)はスマホのディスプレイよりも空間が明らかに広いので、情報量が圧倒的に大きくなります。
もしかしたら、『スマホの次』のデバイスはホロレンズかもしれませんね。
Microsoft Office 365
Office365は、マイクロソフトが提供するサブスクリプション(定額課金)サービスです。
月額980円を支払えば、WordやExcel、PowerPoint、Outlookなどのツールを使うことができます(プランによって金額はちがう)。
今までMicrosoft Officeシリーズは『買い切り型』でしたが、今後は毎月一定額を支払う『サブスクリプション型』に切り替えていくようです。
少額で定額課金することで、”初期導入コスト”を抑えつつ、”継続的な売上”を計上することができ、盤石の経営基盤をつくることができます。
直近の決算
2021年10月26日(火)の引け後、マイクロソフトが2022年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…453億17百万ドル(前年同期比22.0%増)
純利益
…205億5百万ドル(前年同期比47.6%増)
EPS
…2.27ドル
市場予想では、売上高439億70百万ドル EPS 2.07ドルだったので、予想を上回る内容でした。
クラウド関連の売上高は36%増加となっています。
決算を受けて、株価は時間外で+1.8%程度で推移しています。
直近の株価
直近1年間の株価チャートはこちらです(2021年10月28日終値)。
マイクロソフト株価:+60.0%
S&P500指数:+39.2%
直近5年間の株価チャートはこちらです(2021年10月28日終値)。
マイクロソフト株価:+441.8%
S&P500指数:+114.1%
サービス別の売上高
サービス別の売上高はこちらです(2019年6月期)。
サーバー製品+クラウド(Server products and cloud services)
…326億22百万ドル
オフィス製品+クラウド(Office products and cloud services)
…317億69百万ドル
ウィンドウズ(Windows)
…203億95百万ドル
ゲーム事業(Gaming)
…113億86百万ドル
検索広告(Search advertising)
…76億28百万ドル
リンクトイン(LinkedIn)
…67億54百万ドル
エンタープライズサービス(Enterprise Services)
…61億24百万ドル
デバイス(Devices)
…60億95百万ドル
その他(Other)
…30億70百万ドル
事業別の売上高
事業別の売上高はこちらです(2019年6月期)。
Productivity and Business Processes
…411億60百万ドル
Intelligent Cloud
…389億85百万ドル
More Personal Computing
…456億98百万ドル
決算
直近のマイクロソフトの決算はこちらです(2019年6月期)。
売上高
…1,258億43百万ドル
当期利益
…392億40百万ドル
営業利益率
…34.1%
EPS
…5.06ドル
BPS
…12.41ドル
営業キャッシュフロー
…521億85百万ドル
フリーキャッシュフロー
…382億60百万ドル
売上高・当期利益
マイクロソフト(Microsoft)の業績はこちらです。
ここ最近発表される決算内容は、素晴らしい内容ですね。
営業利益率
マイクロソフト(Microsoft)の営業利益率は、34.1%です(2019年6月期)。
直近の推移をみると、30%台で安定しています。
EPS(1株あたりの利益)
マイクロソフト(Microsoft)のEPS(1株あたりの利益)はこちらです。
直近で、利益を大きく伸ばしています。
BPS(1株あたりの純資産)
マイクロソフト(Microsoft)のBPS(1株あたりの純資産)はこちらです。
営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー
マイクロソフト(Microsoft)のキャッシュフローはこちらです。
(青色:営業CF/赤色:フリーCF)
1株あたりの配当
マイクロソフト(Microsoft)の1株あたりの配当はこちらです。
順調に増加傾向で、過去10年間で8倍以上となっています。
配当性向
マイクロソフト(Microsoft)の配当性向はこちらです。
配当性向は、純利益の中から、配当金をどのくらい払っているかを%(パーセンテージ)で表したものです。
今回のまとめ
今回の記事のポイントはこちらです。
マイクロソフトは、OfficeやWindowsで知られるネット起業
3代目CEOのサティア・ナデラがマイクロソフトを復活させる
ホロレンズは、製造企業や不動産会社などで利用されている
クラウドサービスのAzureが大きく成長
マイクロソフト(Microsoft)は、”Windows”や”Microsoft Office”などのソフトウェア製品を中心に成長してきたネット企業です。
高い利益率を維持しつつ、ホロレンズやAzure、リンクトインなどの次世代の種まきも欠かしていません。
過去の決算
2021年第4四半期の決算
2021年07月27日(火)の引け後、マイクロソフトが2021年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…461億52百万ドル(前年同期比21.3%増)
純利益
…164億58百万ドル(前年同期比46.9%増)
EPS
…2.17ドル
市場予想では、売上高441億ドル EPS 1.9ドルだったので、予想を上回る内容でした。
クラウドの売上高が51%増と大きく成長しています。
決算を受けて、株価は時間外で -2.7%程度で推移しています。
2021年第3四半期の決算
2021年04月27日(火)の引け後、マイクロソフトが2021年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…417億6百万ドル(前年同期比19.1%増)
純利益
…154億57百万ドル(前年同期比43.8%増)
EPS
…1.95ドル
市場予想では、売上高410億30百万ドル EPS 1.78ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で-2.6%程度で推移しています。
2021年第2四半期の決算
2021年01月26日(火)の引け後、マイクロソフトが2021年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…430億76百万ドル(前年同期比16.7%増)
純利益
…154億63百万ドル(前年同期比32.7%増)
EPS
…2.03ドル
市場予想では、売上高401億80百万ドル EPS 1.64ドルだったので、予想を上回る内容でした。
クラウド事業の売上高が146億ドル(前年同期比23%増)と好調でした。
決算を受けて、株価は時間外で+3.6%程度で推移しています。
2021年第1四半期の決算
2020年10月27日(火)の引け後、マイクロソフトが2021年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…371億54百万ドル(前年同期比12.4%増)
純利益
…138億93百万ドル(前年同期比30.1%増)
EPS
…1.82ドル
市場予想では、売上高357億20百万ドル EPS 1.54ドルだったので、予想を上回る内容でした。
コロナウイルスの影響で、ゲームやクラウド事業が好調ですね。
決算を受けて、株価は時間外でマイナス1.7%程度で推移しています。
2020年第4四半期の決算
2020年7月22日(水)の引け後、マイクロソフトが2020年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…380億33百万ドル(前年同期比12.8%増)
純利益
…112億2百万ドル(前年同期比15.1%減)
EPS
…1.46ドル
市場予想では、売上高365億ドル EPS 1.37ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で△2.6%程度で推移しています。
2020年第3四半期の決算
2020年4月29日(水)の引け後、マイクロソフトが2020年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…350億21百万ドル(前年同期比14.6%増)
純利益
…107億52百万ドル(前年同期比22.1%増)
EPS
…1.40ドル
市場予想では、売上高336億60百万ドル EPS 1.26ドルだったので、予想を上回る内容でした。
コロナウイルスの影響で、クラウドの”アジュール”や電話会議用アプリ”Teams”が好調ですね。
決算を受けて、株価は時間外で+2.3%程度で推移しています。
2020年第2四半期の決算
2020年1月29日(水)の引け後、マイクロソフトが2020年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…369億6百万ドル(前年同期比13.7%増)
純利益
…116億49百万ドル(前年同期比38.3%増)
EPS
…1.51ドル
市場予想では、売上高356億70百万ドル EPS 1.32ドルだったので、予想を上回る内容でした。
クラウドサービスのAzureは、62%増と好調でした。
決算を受けて、株価は時間外で+3.8%程度で推移しています。
2019年第4四半期の決算
2019年7月18日(木)の引け後、マイクロソフトが2019年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…337億17百万ドル(前年同期比12.1%増)
純利益
…131億87百万ドル(前年同期比48.6%増)
EPS
…1.37ドル
市場予想は、売上高327億70百万ドル EPS 1.21ドルだったので、予想を上回る内容でした。
“オフィス365″は31%増、”リンクトイン”は25%増、クラウド”アジュール”は64%増と全般的に好調でした。
決算を受けて、株価は時間外で+2.4%程度で推移しています。
2019年第3四半期の決算
2019年4月24日(水)の引け後、マイクロソフトが2019年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…305億71百万ドル(前年同期比14.0%増)
純利益
…88億9百万ドル(前年同期比18.7%増)
EPS
…1.14ドル
市場予想は、売上高298億40百万ドル EPS 1.0ドルだったので、予想を上回る内容でした。
クラウドサービス”アジュール”が好調で、増収率は73%でした。
決算を受けて、株価は時間外で+3.5%程度で推移しています。
2019年第2四半期の決算
2019年1月30日(水)の引け後、マイクロソフトは2019年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…324億71百万ドル(前年同期比8.5%増)
純利益
…84億20百万ドル(前年同期は63億2百万ドルの赤字)
EPS
…1.97ドル
市場予想は、売上高325億ドル EPS 1.09ドルだったので、まちまちの内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で-2.7%程度で推移しています。
クラウド”アジュール”の売上高が76%増となり、伸びが鈍化したことが嫌気されました。
2019年第1四半期の決算
マイクロソフトは引け後、第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…290億8,400万ドル(前年同期比18.5%増)
純利益
…88億2,400万ドル(前年同期比34.2%増)
EPS
…1.14ドル
市場予想は 売上高279億ドル EPS 0.96ドルだったので、予想を上回る内容でした。
クラウド『アジュール』やクラウド型業務ソフト『オフィス365』が好調でした。
伸び率はやや鈍化しましたが、相変わらず好調を維持しています。
決算を受けて、株価は時間外で+1.7%程度で推移しています。
2018年第4四半期の決算
マイクロソフトが第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…300億85百万ドル(前期比17.5%増)
純利益
…88億73百万ドル(前期比10.0%増)
EPS
…1.13ドル
市場予想は、売上高292億10百万ドル EPS 1.08ドルだったので、市場予想を上回る内容でした。
この決算を受けて、株価は時間外で+3.1%で推移しています。
クラウド『Azure』とクラウド型の『オフィス365』が好調でした。
マイクロソフトは、クラウドサービスではアマゾンに次いで世界第2位の地位を維持しています。
まだまだクラウドの需要の増加が見込めるので、業績を伸ばす余地は大きそうですね。
2018年第3四半期の決算
マイクロソフトが第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…268億1,900万ドル(前期比15.5%増)
純利益
…74億2,400万ドル(前期比35.3%増)
EPS
…0.95ドル
市場予想では、売上高257億7,000万ドル、EPS0.85ドルとなっているので市場予想を大きく上回っています。
決算を受けて、アフターマーケットでは+2.9%程度で推移しています。
上場来高値の株価97.24ドルがターゲットに入ってきました。
備考
関連資料
マイクロソフト:『公式HP』
マイクロソフト:『Annual Report』
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