目次
マコーミック(McCormick)とは
マコーミック(McCormick)は、スパイスなどの調味料で世界一の企業です。
調味料関連の製品は、日本ではエスビー食品やハウス食品が強いですが、世界的にはマコーミックの一強状態です。
もともと1889年にボルチモアで創業された企業で、伝統のある食品会社のひとつです。
マコーミックの強みは、世界各地でスパイス市場を席巻していることです。
日本だとイメージしにくいですが、マコーミックは世界各地で高いシェアを有しています。
海外のスーパーマーケットをみると、マコーミックのスパイスを置いていない店はほぼありません。
そのため、他のスパイスメーカーが今さらマコーミックのシェアを脅かす状況にはありませんね。
下の図は2016年時点のシェアですが、分かりやすいので載せておきました。
マコーミックの最大のライバルは、PB(プライベートブランド)食品です。
PB食品とは、食品会社ではなく、小売企業が企画・開発して販売している商品のことです。
イオンは”トップバリュ”、セブンイレブンは”セブンプレミアム”、生協は”CO-OP”、西友は”グレートバリュー”を展開しています。
PB食品は、しっかりと市民権を得ている印象ですね。
農水省がPB食品の市場規模(日本)を公表していました(少し古い)。
市場は右肩上がりで伸びているので、今後も伸び続けていくと思います。
(農水省の公式HPより引用)
日本ではかなり浸透しているPB食品ですが、実はアメリカではそんなに普及していません。
マコーミックのシェアが高い欧州で、だんだんPB食品が浸透しているのは要注意です。
(みずほ銀行産業調査部「新興企業が活気をもたらす米国加工食品市場」より引用)
米国では、まだPB食品は浸透している感じはしません。
しかし、基本的にはどんどん浸透していく可能性が高いと思います。
正直、マコーミックは今の規模を維持することはできるかもしれませんが、長期的に業績を拡大できるかというと難しいかもしれません。
さらに気になるのが、米国では”オーガニック食品やナチュラル系ブランドが人気”になっていることです。
Organic Trade Association社の調査では、年々オーガニック製品の売り上げが伸びているそうです。
マコーミック社も、米国の消費者の嗜好の変化に合わせるように、オーガニック系の健康志向の製品もちゃんと出しています。
ただ現状、マコーミックにはオーガニック系のイメージはないと思いますね。
マコーミックは、オーガニックに興味のある健康志向の高級志向の消費者と安い価格を求める消費者(PB商品でもいい)の両者からそっぽ向かれる可能性もあります。
直近の決算
2021年01月28日(木)の寄付き前、マコーミックが2020年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…15億5,790万ドル(前年同期比4.9%増)
純利益
…2億70万ドル(前年同期比6.0%減)
EPS
…0.79ドル
市場予想では、売上高15億60百万ドル EPS 0.89ドルだったので、市場予想を下回る内容でした。
決算を受けて、株価はマイナス3.24%で引けました。
直近の株価
直近1年間の株価はこちらです(2021年02月05日終値)。
マコーミック株価:+11.4%
S&P500指数:+15.7%
直近5年間の株価はこちらです(2021年02月05日終値)。
マコーミック株価:+110.3%
S&P500指数:+105.9%
事業別の売上高
事業別の売上高はこちらです(2017年通期)。
消費者事業
…29億70百万ドル
産業用事業
…18億64百万ドル
決算
今回のまとめ
今回の記事のポイントは、こちらです。
・マコーミックは、調味料で世界一の企業
・海外のスーパーをみると、マコーミックのスパイスは必ず置いてある
・マコーミックの最大のライバルはPB食品
・米国ではオーガニック製品が年々増えています
マコーミックは、スパイスなどの調味料で世界一の企業です。
日本ではマコーミックのイメージはありませんが、世界的には”スパイスといえばマコーミック一強状態”です。
世界的にPB商品やオーガニック系商品の販売が伸びています。
マコーミックの経営でどういう影響が出るかに注目ですね。
関連資料
マコーミック:『公式HP』
マコーミック:『Annual Report』
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過去の四半期決算
2020年第3四半期の決算
2020年9月29日(火)の寄付き前、マコーミックが2020年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…14億3,030万ドル(前年同期比7.6%増)
純利益
…2億610万ドル(前年同期比7.4%増)
EPS
…1.53ドル
2020年第2四半期の決算
2020年6月25日(木)の寄付き前、マコーミックが2020年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…14億110万ドル(前年同期比7.6%増)
純利益
…1億9,590万ドル(前年同期比31.1%増)
EPS
…1.47ドル
市場予想では、売上高13億50百万ドル EPS 1.12ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は+3.64%で引けました。
2020年第1四半期の決算
2020年3月31日(火)の寄付き前、マコーミックが2020年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…12億12百万ドル(前年同期比1.6%減)
純利益
…1億4,470万ドル(前年同期比2.2%減)
EPS
…1.08ドル
2019年第4四半期の決算
2020年1月28日(火)の寄付き前、マコーミックが2019年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…14億8,480万ドル(前年同期比1.2%増)
純利益
…2億1,340万ドル(前年同期比0.3%減)
EPS
…1.61ドル
市場予想では、売上高15億20百万ドル EPS 1.61ドルでした。
決算を受けて、株価は-3.85%で引けました。
2019年第3四半期の決算
2019年10月1日(火)の寄付き前、マコーミックが2019年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…13億2,920万ドル(前年同期比0.8%増)
純利益
…1億9,190万ドル(前年同期比10.6%増)
EPS
…1.46ドル
市場予想は、売上高13億40百万ドル EPS 1.29ドルだったので、予想を上回る内容でした。
通期の利益見通しを上方修正しています。
好調な決算を受けて、株価は+6.81%で引けています。
2019年第2四半期の決算
2019年6月27日(木)の寄付き前、マコーミックが2019年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…13億190百万ドル(前年同期比0.0%増)
純利益
…1億4,940万ドル(前年同期比21.2%増)
EPS
…1.16ドル
2019年第1四半期の決算
2019年3月26日(火)の寄付き前、マコーミックが2019年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…12億3,150万ドル(前年同期比1.3%増)
純利益
…1億4,800万ドル(前年同期比65.0%減)
EPS
…1.12ドル
市場予想は、売上高12億40百万ドル EPS1.03ドルだったので、まちまちでした。
2018年第4四半期の決算
2019年1月24日(木)の寄付き前、マコーミックが2018年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…14億9,920万ドル(前年同期比0.6%増)
純利益
…2億1,400万ドル(前年同期比21.8%増)
EPS
…1.67ドル
市場予想は 売上高15億50百万ドル EPS 1.7ドルだったので、予想を下回る内容でした。
コストが増加しており、かなり内容の悪い決算内容ですね。
決算を受けて、株価は-10.54%と大きく下落しました。
2018年第3四半期の決算
昨晩の寄付き前、マコーミックは第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…13億4,530万ドル(前年同期比13.5%増)
純利益
…1億7,350万ドル(前年同期比60.4%増)
EPS
…1.28ドル
市場予想は 売上高13億60百万ドル、EPS 1.27ドルだったので、まちまちの内容でした。
第3四半期の決算を受けて、株価は1.23%下落しました。
2018年第2四半期の決算
昨晩の寄付き前、マコーミックは第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…13億2,730万ドル(前年同期比19.1%増)
純利益
…1億2,330万ドル(前年同期比23.3%増)
EPS
…1.02ドル
決算は市場予想を大きく上回る内容でした。
第2四半期の決算を受けて、株価は上場来高値を更新しました。
株価は結局、+8.4%で引けました。