目次
ボーイング(The Boeing Company)
ボーイング(The Boeing Company)は、世界最大の航空機メーカーです。
民間航空機のイメージが強いボーイングですが、実は戦闘機なども提供しています。
1997年にマクドネル・ダグラス社を買収したため、ボーイングは米国で唯一の大型航空機メーカーとなりました。
ボーイングは、下記のような米国を代表する数多くの航空機をつくっています。
ボーイング787
…大型ジェット旅客機並みの航続距離を可能にする中型旅客機。
ボーイング737MAX
…小型ジェット旅客機。稼ぎ頭だったが、2度の墜落事故を起こした。
ボーイング777
…双通路型の設計となっている長距離用の大型機
ボーイング767
…中距離用の中型機
AH-64 アパッチ
…軍用の攻撃ヘリコプター
A160ハミングバード
…軍用ヘリコプター
F-15 イーグル戦闘機
…第4世代ジェット戦闘機
スキャンイーグル無人航空機
…無人航空機
E-767早期警戒管制機
…航空機を感知・分析する
ボーイングの事業別売上高はこちらです(2019年12月期)。
売上高をみると、民間航空機が苦戦していますね。
※(Unallocated items, eliminations and otherはグラフに考慮せず)
ボーイングのサービス別売上高はこちらです(2019年12月期)。
ボーイングの地域別売上高はこちらです(2019年12月期)。
※(Estimated potential concessions and other considerations to 737 MAX customers, netはグラフに考慮せず)
ボーイングは、宇宙にも積極的に進出しています。
NASAと国際宇宙ステーションのサポート契約を結ぶなどのしっかりとした実績もあります。
上の動画は、NASAの「商用有人宇宙船開発計画」の一環で開発された『CST-100スターライナー』です。
NASAは月に近い軌道上に中継基地をつくり、将来は中継基地から火星に向けて宇宙船を発着させる長期の計画を掲げています。
ボーイングは、無人機開発にも力を入れています。
上の動画の「スキャンイーグル無人航空機」は、2004年に米国海兵隊に、2005年に米国海軍で運用を開始しています。
無人戦闘機は低コストで滞空時間が長いため、情報収集や偵察任務に適しています。
ボーイング737MAXが墜落事故
米航空宇宙機器大手ボーイングの737MAX型機が起こした2度の墜落事故について、米議会下院の委員会がまとめた報告書が16… https://t.co/XWZUR5l9B4
— AFPBB News (@afpbbcom) September 17, 2020
現在のボーイングの最大のリスクは、ボーイング737MAXの運航停止をめぐるトラブルです。
ボーイング737MAXは、2018年(インドネシア)と2019年(エチオピア)に立て続けに墜落事故を起こしました。
事故の直接の原因は、失速防止システムのMCASと呼ばれるソフトウェアです。
2020年9月16日、米議会下院の運輸・インフラ委員会は最終報告書で『ボーイングは設計と開発に失敗し、FAA(米連邦航空局)が監督と認証で失敗した』と見解を示しています。
今後もボーイング737MAXをめぐるニュースで、ボーイングの株価が大きく上下すると思います。
世界は2強体制
世界の大型航空機業界は、長年にわたってボーイングとエアバスの2強体制です。
そのため、ボーイングの最大のライバルは、ヨーロッパのエアバス社だけです。
エアバスは「世界の航空機市場を米国に独占されたくない!」というEUの思惑があって、設立された経緯があります。
ボーイングには”米国政府”の後ろ盾があり、エアバスには”ヨーロッパ政府”の後ろ盾があります。
ボーイングは、一貫して中・小型機を増やす戦略をとっています。
一時期エアバスは機体を大型化して、1機あたりの乗客数を増やす戦略をとっていました。
しかし、エアバスが開発した『A380』のような大型機は採算がとれませんでした。
現在では、エアバスも大型機ではなく、中・小型機を増やす戦略にシフトしています。
直近の決算
2021年10月27日(水)の寄付き前、ボーイングが2021年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…152億78百万ドル(前年同期比8.1%増)
純損失
…1億32百万ドルの赤字(前年同期は4億66百万ドルの赤字)
EPS
…▲0.60ドル
市場予想では、売上高160億40百万ドル EPS ▲0.21ドルだったので、予想を下回る内容でした。
決算を受けて、株価は -1.53%で引けました。
直近の株価
直近1年間の株価はこちらです(2021年10月28日終値)。
ボーイングの株価:+40.3%
S&P500指数:+39.5%
直近5年間の株価はこちらです(2021年10月28日終値)。
ボーイングの株価:+45.3%
S&P500指数:+114.1%
事業別売上高
ボーイング(Boeing)の事業別売上高はこちらです(2019年12月期)。
民間航空機
(Commercial Airplanes)
…322億55百万ドル(前年同期比43.9%減)
防衛・宇宙・セキュリティ
(Defense, Space & Security)
…262億27百万ドル(前年同期比0.6%減)
グローバル・サービス
(Global Services)
…184億68百万ドル(前年同期比8.3%増)
ボーイング・キャピタル
(Boeing Capital)
…2億44百万ドル(前年同期比10.9%減)
※ Unallocated items, eliminations and otherは考慮せず
内容別の売上高
ボーイング(Boeing)のサービス別売上高はこちらです(2019年12月期)。
製品の売上高
(Sales of products)
…660億94百万ドル(前年同期比26.7%減)
サービスの売上高
(Sales of services)
…104億65百万ドル(前年同期比4.0%減)
地域別売上高
ボーイング(Boeing)の地域別売上高はこちらです(2019年12月期)。
米国
(United States)
…426億81百万ドル(前年同期比4.5%減)
中国以外のアジア
(Asia, other than China)
…106億62百万ドル(前年同期比12.2%減)
欧州
(Europe)
…103億66百万ドル(前年同期比20.1%減)
中東
(Middle East)
…92億72百万ドル(前年同期比4.9%減)
中国
(China)
…56億84百万ドル(前年同期比58.7%減)
カナダ
(Canada)
…20億19百万ドル(前年同期21.8%減)
オセアニア
(Oceania)
…20億06百万ドル(前年同期比12.7%減)
アフリカ
(Africa)
…11億13百万ドル(前年同期比25.1%減)
ラテンアメリカ・カリブ諸国など
(Latin America, Caribbean and other)
…10億15百万ドル(前年同期比30.4%減)
※ Estimated potential concessions and other considerations to 737 MAX customers, net は考慮せず
決算
直近のボーイング(Boeing)の決算はこちらです(2019年12月期)。
売上高
…765億59百万ドル(前年同期比24.3%減)
純損失
…6億36百万ドルの赤字(前年同期は104億60百万ドルの黒字)
営業利益率
…△3.5%
EPS
…△1.12ドル
BPS
…△7.31ドル
営業キャッシュフロー
…△24億46百万ドル
フリーキャッシュフロー
…△44億07百万ドル
売上高・純利益
ボーイング(Boeing)の売上高・純利益はこちらです。
(青色:売上高/赤色:純利益)
営業利益率
ボーイング(Boeing)の営業利益率は、△3.5%です(2019年12月期)。
EPS(1株あたりの利益)
ボーイング(Boeing)のEPS(1株あたりの利益)はこちらです。
BPS(1株あたりの純資産)
ボーイング(Boeing)のBPS(1株あたりの純資産)はこちらです。
営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー
ボーイング(Boeing)のキャッシュフローはこちらです。
(青色:営業CF/赤色:フリーCF)
配当
配当性向
ボーイング(Boeing)の配当性向はこちらです。
配当性向は、純利益の中から、配当金をどのくらい払っているかを%(パーセンテージ)で表したものです。
今回のまとめ
今回の記事のポイントは、こちらです。
・ボーイングは、世界最大の民間航空機メーカー
・世界にはボーイング社とエアバス社で、民間航空機市場を2分している
・民間航空機だけでなく、戦闘機やヘリコプターをつくっている
・ボーイング787のような中型の旅客機がメイン
ボーイング(BA)は、世界最大の民間航空機メーカーです。
そもそも大型航空機をつくることができるのは、エアバスとボーイングだけです。
ボーイング株を購入するときは、エアバスの状況もチェックしましょう。
過去の決算
2021年第2四半期の決算
2021年07月28日(水)の寄付き前、ボーイングが2021年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…169億98百万ドル(前年同期比44.0%増)
純利益
…5億87百万ドル(前年同期は23億76百万ドルの赤字)
EPS
…0.40ドル
市場予想では、売上高177億80百万ドル EPS -0.72ドルだったので、まちまちでした。
決算を受けて、株価は+4.18%で引けました。
2021年第1四半期の決算
2021年04月28日(水)の寄付き前、ボーイングが2021年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…152億17百万ドル(前年同期比10.0%減)
純損失
…5億37百万ドルの赤字(前年同期は6億28百万ドルの赤字)
EPS
… -1.53ドル
市場予想では、売上高150億20百万ドル EPS -1.16ドルだったので、まちまちでした。
決算を受けて、株価は-2.89%で引けました。
2020年第4四半期の決算
2021年01月27日(水)の寄付き前、ボーイングが2020年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…153億4百万ドル(前年同期比14.6%減)
純損失
…84億20百万ドルの赤字(前年同期は10億10百万ドルの赤字)
EPS
…▲15.25ドル
市場予想では、売上高150億70百万ドル EPS ▲1.8ドルだったので、まちまちでした。
決算を受けて、株価はマイナス3.97%で引けました。
2020年第3四半期の決算
2020年10月28日(水)の寄付き前、ボーイングが2020年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…141億39百万ドル(前年同期比29.2%減)
純損失
…4億49百万ドルの赤字(前年同期は11億67百万ドルの黒字)
EPS
…▲1.39ドル
市場予想では、売上高144億90百万ドル EPS ▲2.32ドルだったので、まちまちでした。
コロナウイルスの影響もあり、4四半期連続の赤字となりました。
決算を受けて、株価はマイナス4.57%で引けました。
2020年第2四半期の決算
2020年7月29日(水)の寄付き前、ボーイングが2020年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…118億7百万ドル(前年同期比25.0%減)
純損失
…23億76百万ドルの赤字(前年同期は29億42百万ドルの赤字)
EPS
…△4.79ドル
市場予想では、売上高131億60百万ドル EPS △2.54ドルだったので、予想を下回る内容でした。
決算を受けて、株価は△2.83%で引けました。
2020年第1四半期の決算
2020年4月29日(水)の寄付き前、ボーイングが2020年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…169億8百万ドル(前年同期比26.2%減)
純利益
…6億28百万ドルの赤字(前年同期は21億49百万ドルの黒字)
EPS
… -1.7ドル
市場予想では、売上高173億10百万ドル EPS -1.61ドルだったので、予想を下回る内容でした。
ただし、約1万6,000人の従業員(全従業員の約10%)を削減すると発表したことが好感されています。
決算を受けて、株価は+5.86%で引けました。
2019年第4四半期の決算
2020年1月29日(水)の寄付き前、ボーイングが2019年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…179億11百万ドル(前年同期比36.8%減)
純損失
…10億10百万ドルの赤字(前年同期は34億24百万ドルの黒字)
EPS
… -2.33ドル
市場予想では、売上高216億70百万ドル EPS 1.47ドルだったので、予想を下回る内容でした。
今回の決算は、22年ぶりの最終赤字となりました。
新型機”737MAX”の運航停止にともなう費用は、総額186億ドルと見通しを発表しました。
決算を受けて、株価は+1.72%で引けています。
2019年第2四半期の決算
2019年7月24日(水)の寄付き前、ボーイングは2019年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…157億51百万ドル(前年同期比35.1%減)
純損失
…29億42百万ドルの赤字(前年同期は21億96百万ドルの黒字)
EPS
…2.92ドル
市場予想は、売上高185億50百万ドル EPS 1.87ドルだったので、まちまちでした。
新型機737MAXが運航停止になったため、10億ドル近くを取り崩しています。
737MAXの運航停止が長期化すると、大きな負担になるかもしれません。
決算を受けて、株価は-3.12%と大きく下落しました。
2019年第1四半期の決算
2019年4月24日(水)の寄付き前、ボーイングは2019年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…229億17百万ドル(前年同期比2.0%減)
純利益
…21億49百万ドル(前年同期比13.2%減)
EPS
…3.16ドル
市場予想は、売上高235億10百万ドル EPS 3.33ドルだったので、予想を下回る内容でした。
2019年の業績見通しを取り下げて、自社株買いの停止も発表しています。
決算を受けて、株価は+0.39%で引けました。
備考
関連資料
ボーイング:『公式HP』
ボーイング:『Annual Report』
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