アマゾン(Amazon)
アマゾン・ドットコム(Amazon.com)は、世界最大級のECサイトを運営している企業です。
上のアマゾンロゴでは、AからZに向かって下向きの弧を描くオレンジ色の矢印が描かれています。
この矢印の意味は“From A to Z”です。
つまり“AからZまでアマゾンなら何でもそろう”という意味と、“顧客の満足度を意味する笑顔”をあらわしています。
アマゾンは、さまざまな事業を展開しています。
代表的な事業は下記のとおりです。
アマゾン(Amazon)
…世界最大級のECサイト
AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)
…世界最大級のクラウドサービス
Kindle(キンドル)
…電子書籍サービス
Amazon Go(アマゾンゴー)
…レジ無しコンビニ
ホールフーズ
…ヘルシー食品に強みをもつスーパー
アマゾンビジネス
…法人向けに特化したネット通販
Amazon Prime(アマゾンプライム)
…動画や音楽が聴き放題になる定額課金サービス
創業者はジェフ・ベゾス
人々を圧倒するカリスマ性と説得力の持ち主、アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏。どのようにしてeコマース界のトップに君臨したのだろうか。https://t.co/tu1SgRswg4 pic.twitter.com/G9dlOaPBEA
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) May 25, 2018
アマゾンは、ジェフ・ベゾス氏が一代で築き上げた企業です。
ベゾス氏はアマゾンだけでなく、“ブルーオリジン”という航空宇宙企業も所有しています。
ブルーオリジンは有人宇宙飛行を目的として設立された企業で、何度も試験飛行を成功させてきました。
最近のインタビューをみると、ベゾス氏は本業よりも宇宙ビジネスのほうに興味があるよう感じがします。
アマゾンの業績(決算)
アマゾンの決算はこちらです(2019年12月期)。
最近の決算をみると、売上高だけでなく利益も伸びてきています。
もともとアマゾンは利益を計上しない企業として有名でしたが、最近は大きく利益を計上しています。
売上高の半分以上を北米地域で計上しています。
AWSの伸び率が高いですね。
営業利益をみると、AWSが稼ぎ頭となっています。
一方で、国際事業は16億93百万ドルの赤字を計上しています。
Amazonプライム
アマゾンの最大の強みは、Amazonプライムです。
Amazonプライムとは、アマゾンが提供する有料会員制サービスです。
2018年4月、ジェフベゾスは株主に向けた書簡で、全世界のプライム会員数が1億人を超えたと公表しています。
安定して継続して会員費が入ってくることは、アマゾンの大きな強みになっています。
日本のプライム会員費は、4,900円(年会費)です。
プライム会員になると配送料が無料になり、動画や音楽を楽しむことができます。
ちなみに、米国のプライム年会費は119ドルです。
日本でもアマゾンが浸透するたびに、だんだん年会費が上昇していきそうですね。
レコメンド機能
アマゾンの強みのひとつが、レコメンド機能です。
レコメンド機能とは、“こういう本はいかがですか?”とか“こういう音楽はいかがですか?”とユーザーに推薦する機能のことです。
アマゾンには、毎日膨大な顧客情報や検索履歴が集まっています。
世界で1番ユーザー情報が集まってくるアマゾンには、世界で1番正確なレコメンドができます。
これからの時代は、自分で商品を選ぶよりも、アマゾンがすすめてくれた商品を買うほうが良いかもしれませんね。
アレクサ(Alexa)
アマゾンが最も力を入れている分野のひとつがスマートスピーカーです。
Amazon Echo(アマゾンエコー)は、世界で最も普及しているスマートスピーカーです。
エコーにはAIアシスタントのアレクサ(Alexa)が搭載されており、上の動画のように様々なことをしてくれます。
音楽やニュースをチェックしたり、スケジュール管理や照明コントロールができるので、Amazon Echoはすごく便利ですね。
AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)
アマゾンの事業で、最も業績を伸ばしているビジネスがクラウドサービスのAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)です。
AWSを使えば、企業のデータやインフラをクラウド上で管理することができます。
世界190ヵ国で展開しており、日本でも数多くの政府機関や大手企業で利用されています。
AWSは利益率が高いので、アマゾンの業績に大きく寄与しています。
今後、クラウドはAWSとマイクロソフトのAzureの2強体制になっていくと思います。
アマゾンゴー(Amazon Go)
アマゾンで注目されているサービスのひとつが、アマゾンゴー(Amazon Go)です。
Amazon Goは、アマゾンが提供しているレジ無しコンビニです。
まず入店したらAmazon Goアプリで表示されたQRコードを入口のゲートにかざします。
その後店内に入り、好きな商品をもってレジを通さず帰ることができます。
どの商品をとって退店したかは、AIとセンサーによってチェックされています。
そのため、店から出た後に自動で決済されます。
もしアマゾンゴーが上手くいけば、今後コンビニや小売店で店員がいなくなるかもしれませんね。
バーニー・サンダース
On September 5, we are going to introduce legislation to end the absurdity of middle-class taxpayers having to subsidize billionaires like Jeff Bezos. https://t.co/hSgepSP2TR
— Bernie Sanders (@SenSanders) August 30, 2018
アマゾンの最大の敵は、ウォルマートでもクローガーでもなく、バーニー・サンダースかもしれません。
サンダース上院議員は、2016年の大統領選挙で民主党の指名をヒラリー・クリントンと争ったことで有名です。
サンダース議員は、アマゾンに対して辛辣な議員のひとりです。
上のツイートでは、「ベゾス氏は、自分の従業員を公的住宅やフードスタンプに頼らざる得ない状況に追い込んでいる」とつぶやいています。
サンダース議員は、民主党の有力議員の1人なので要注目ですね。
アメリカ大統領
トランプ元大統領も、アマゾンに対して厳しい態度をとっていました。
過去にツイートでは、「アマゾンは交通システムを利用しているのに、税金を払っていない。そして多くの小売企業を廃業させている」とつぶやいています。
現在、アマゾンにはネット通販の分野でライバルはいないかもしれません。
これからのアマゾンのライバルは“国”や“制度”そのものになるような気がします。
直近の決算
2021年07月29日(木)の引け後、アマゾン・ドットコムが2021年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…1,130億80百万ドル(前年同期比27.2%増)
純利益
…77億78百万ドル(前年同期比48.4%増)
EPS
…15.12ドル
市場予想では、売上高1,150億70百万ドル EPS 12.22ドルだったので、まちまちでした。
AWSの売上高が148億10百万ドル(前年同期比37%増)と好調でした。
予想に売上高が届かなかったことが嫌気されています。
決算を受けて、株価は時間外で -6.9%程度で推移しています。
直近の株価
直近1年間の株価チャートはこちらです(2021年08月04日終値)。
アマゾン株価:+6.9%
S&P500指数:+33.8%
直近5年間の株価チャートはこちらです(2021年08月04日終値)。
アマゾン株価:+338.0%
S&P500指数:+102.6%
事業別の売上高①
事業別の売上高はこちらです(2019年12月期)。
北アメリカ
(North America)
…1,707億73百万ドル(前年同期比20.8%増)
国際事業
(International)
…747億23百万ドル(前年同期比13.4%増)
アマゾン・ウェブ・サービス
(AWS)
…350億26百万ドル(前年同期比36.5%増)
事業別の売上高②
事業別(詳細)の売上高はこちらです(2019年12月期)。
オンラインストア事業
(Online stores)
…1,412億47百万ドル(前年同期比14.8%増)
実店舗事業
(Physical stores)
…171億92百万ドル(前年同期比0.2%減)
サードパーティ(外部業者)販売事業
(Third-party seller services)
…537億62百万ドル(前年同期比25.8%増)
サブスクリプションサービス
(Subscription services)
…192億10百万ドル(前年同期比35.6%増)
アマゾン・ウェブ・サービス
(AWS)
…350億26百万ドル(前年同期比36.5%増)
その他
(Other)
…140億85百万ドル(前年同期比39.3%増)
製品・サービス売上高比率
製品とサービスの売上高比率はこちらです(209年12月期)。
製品の売上高
(Net product sales)
…1,604億08百万ドル(前年同期比13.0%増)
サービスの売上高
(Net service sales)
…1,201億14百万ドル(前年同期比32.0%増)
地域別の売上高
地域別の売上高はこちらです(2019年12月期)。
米国
(United States)
…1,936億36百万ドル(前年同期比20.9%増)
ドイツ
(Germany)
…222億32百万ドル(前年同期比7.9%増)
英国
(United Kingdom)
…175億27百万ドル(前年同期比6.2%増)
日本
(Japan)
…160億02百万ドル(前年同期比5.7%増)
その他・世界
(Rest of world)
…311億25百万ドル(前年同期比11.1%増)
決算
直近のアマゾンの決算はこちらです(2019年12月期)。
売上高
…2,805億22百万ドル
純利益
…115億88百万ドル
営業利益率
…5.2%
EPS
…23.01ドル
BPS
…113.47ドル
営業キャッシュフロー
…385億14百万ドル
フリーキャッシュフロー
…216億53百万ドル
売上高・当期利益
アマゾン(Amazon)の業績はこちらです。
最近AWSが大きく利益を上げているので、純利益が増加しています。
営業利益率
アマゾン(Amazon)の営業利益率は、5.2%です(2019年12月期)。
利益率は低い水準ですが、AWSのおかげで少しずつ上昇しています。
EPS(1株あたりの利益)
アマゾン(Amazon)のEPS(1株あたりの利益)はこちらです。
直近10年間で、EPSは9倍以上になっています。
AWSが好調なので、直近で大きくEPSが伸びています。
BPS(1株あたりの純資産)
アマゾン(Amazon)のBPS(1株あたりの純資産)はこちらです。
営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー
アマゾン(Amazon)のキャッシュフローはこちらです。
(青色:営業CF/赤色:フリーCF)
配当
アマゾンは、配当を出していません。
配当性向
アマゾンは、配当を出していません。
今回のまとめ
今回の記事のポイントは、こちらです。
・ネット通販の業界で、アマゾンのライバルはいない
・AWSの利益率は高い
・プライム会員は、1億5千万人を突破している
・アマゾンの最大の障壁は、政治家
アマゾンドットコムは、世界最大のECサイトを運営している企業です。
ネット通販を事業の中核に置きながら、スマートスピーカーやクラウドなどの事業も展開しています。
アマゾンゴーは、コンビニやスーパーのあり方も変えていきそうですね。
過去の決算
2021年第1四半期の決算
2021年04月29日(木)の引け後、アマゾン・ドットコムが2021年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…1,085億18百万ドル(前年同期比43.8%増)
純利益
…81億7百万ドル(前年同期比3.2倍)
EPS
…15.79ドル
市場予想では、売上高1,044億60百万ドル EPS 9.54ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+2.4%程度で推移しています。
2020年第4四半期の決算
2021年02月03日(水)の寄付き前、アマゾン・ドットコムが2020年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…1,255億55百万ドル(前年同期比43.6%増)
純利益
…72億22百万ドル(前年同期比2.2倍)
EPS
…14.09ドル
市場予想では、売上高1,197億ドル EPS 7.23ドルだったので、予想を上回る内容でした。
2020年第3四半期の決算
2020年10月29日(木)の引け後、アマゾン・ドットコムが2020年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…961億45百万ドル(前年同期比37.4%増)
純利益
…63億31百万ドル(前年同期比3.0倍)
EPS
…12.37ドル
市場予想では、売上高927億ドル EPS 7.41ドルだったので、予想を上回る内容でした。
AWSの売上高が29%増加するなど好調ですね。
決算を受けて、株価は時間外でマイナス1.6%程度で推移しています。
2020年第3四半期の決算
2020年10月29日(木)の引け後、アマゾン・ドットコムが2020年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…961億45百万ドル(前年同期比37.4%増)
純利益
…63億31百万ドル(前年同期比3.0倍)
EPS
…12.37ドル
市場予想では、売上高927億ドル EPS 7.41ドルだったので、予想を上回る内容でした。
内容の良い決算でしたが、高値警戒感から時間外で売られていますね。
決算を受けて、株価は時間外でマイナス1.6%程度で推移しています。
2020年第2四半期の決算
2020年7月30日(木)の引け後、アマゾンが2020年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…889億12百万ドル(前年同期比40.2%増)
純利益
…52億43百万ドル(前年同期比99.7%増)
EPS
…10.30ドル
市場予想では、売上高815億30百万ドル EPS 1.46ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+5.0%程度で推移しています。
2020年第1四半期の決算
2020年4月30日(火)の引け後、アマゾンが2020年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…754億52百万ドル(前年同期比26.4%増)
純利益
…25億35百万ドル(前年同期比28.8%減)
EPS
…5.01ドル
市場予想では、売上高736億10百万ドル EPS 6.25ドルだったので、まちまちの内容でした。
通販事業が大きく伸びていますが、注文の急増に対応するためにコストも増えていますね。
決算を受けて、株価は時間外で -4.8%程度で推移しています。
2019年第4四半期の決算
2020年1月30日(木)の引け後、アマゾンが2019年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…874億37百万ドル(前年同期比20.8%増)
純利益
…32億68百万ドル(前年同期比8.0%増)
EPS
…6.47ドル
市場予想では、売上高860億20百万ドル EPS 4.03ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+9.8%程度で推移しています。
2019年第3四半期の決算
2019年10月24日(金)の引け後、アマゾン・ドットコムが2019年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…699億81百万ドル(前年同期比23.7%増)
純利益
…21億34百万ドル(前年同期比26.0%減)
EPS
…4.23ドル
市場予想では、売上高688億10百万ドル EPS 4.62ドルだったので、まちまちでした。
人件費や翌日配送サービスのコストが増加したため、減益決算となりました。
決算を受けて、株価は時間外で-6.9%程度で推移しています。
2019年第2四半期の決算
2019年7月25日(木)の引け後、アマゾン・ドットコムが2019年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…634億4百万ドル(前年同期比19.9%増)
純利益
…26億25百万ドル(前年同期比3.6%増)
EPS
…5.22ドル
市場予想は、売上高624億80百万ドル EPS 5.57ドルだったので、まちまちの内容でした。
EPSが予想を下回ったことが嫌気されています。
クラウド”AWS”の売上高は83億81百万ドル(前年同期比37%増)でした。
決算を受けて、株価は時間外で-1.6%程度で推移しています。
2019年第1四半期の決算
2019年4月25日(木)の引け後、アマゾン・ドットコムが2019年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…597億ドル(前年同期比17.0%増)
純利益
…35億61百万ドル(前年同期比2.2倍)
EPS
…7.09ドル
市場予想は、売上高596億50百万ドル EPS 4.72ドルだったので、予想を上回る内容でした。
クラウドサービス”AWS”は前年同期比42%増と好調です。
ただし次回の決算の営業利益が予想を下回ったため、まちまちの内容となりました。
決算を受けて、株価は時間外で+0.5%程度で推移しています。
2018年第4四半期の決算
2019年1月31日(金)の引け後、アマゾンが2018年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…723億83百万ドル(前年同期比20%増)
純利益
…30億27百万ドル(前年同期比63%増)
EPS
…6.04ドル
市場予想は、売上高718億70百万ドル EPS 5.67ドルだったので、予想を上回る内容でした。
クラウドサービス“AWS”の売上高が前年同期比45%増と大きく伸びました。
ただし、次回の決算(2019年第1四半期)の売上高見通しが市場予想に届きませんでした。
決算を受けて、株価は時間外で-0.2%程度で推移しています。
2018年第3四半期の決算
アマゾンが、引け後に第3四半期の決算を発表しました
売上高
…565億7,600万ドル(前年同期比29.3%増)
純利益
…28億8,300万ドル(前年同期は11.3倍)
EPS
…5.75ドル
市場予想は、売上高571億ドル EPS 3.14ドルだったので、まちまちでした。
売上高が市場予想に届かなかったことが嫌気され、アマゾン株は時間外で-7.42%と大きく下落しています。
AWSが絶好調で、収益の柱に成長しています。
2018年第2四半期の決算
アマゾンが、引け後に第2四半期の決算を発表しました
売上高
…528億86百万ドル(前年同期比39.3%増)
純利益
…25億34百万ドル(前年同期比12.9倍)
EPS
…5.07ドル
市場予想は、売上高532億70百万ドル EPS 2.5ドルだったので、市場予想を上回る内容でした。
発表された数字は絶好調でしたが、2018年7~9月期の売上高と利益の見通しは市場予想を下回りました。
そのため、時間外(アフターマーケット)で一時株価は伸び悩みました。
現在では、アマゾン株は時間外で+3%程度で推移しています。
2018年第1四半期の決算
アマゾンが第1四半期の決算を発表しました
売上高
…510億4,200万ドル(前期比42.9%増)
純利益
…16億2,900万ドル(前期比2.3倍)
EPS
…3.27ドル
市場予想では、売上高498億7,000万ドル、EPS 1.27ドルだったので、売上もEPSも市場予想を上回りました。
この決算を受けて、アフターマーケットで+5.8%程度で推移しています。
AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)が収益面で全体の業績を支えています。
備考
関連資料
アマゾン:『公式HP』
アマゾン:『Annual Report』
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