目次
クアルコム(Qualcomm)
クアルコム(Qualcomm)は、スマートフォン用の半導体や通信機器を提供している企業です。
“CDMA方式”という独自の通信技術をもとに、世界各地で事業を展開しています。
クアルコムの事業別売上高はこちらです(2019年12月期)。
売上高のうち、ライセンス収入が39.8%を占めています。
クアルコムの下記のサービスを提供しています(2019年12月期)。
QCT
…CDMAをベースとした半導体やソフトウェアを提供
QTL
…特許のライセンスを供与
QSI
…“クアルコムベンチャーズ”を通じた投資事業
Reconciling items
…調整項目
クアルコムの地域別売上高はこちらです(2019年12月期)。
最も重要な市場は、中国(香港を含む)ですね。
もともとクアルコムは1985年にサンディエゴで設立され、配車センターと輸送車を結びつけるデータ通信の開発をおこなっていた小さな企業でした。
クアルコムが現在のような大企業に成長したのは、”CDMA方式”の実用化に成功したからです。
”CDMA”とは、最大3つの基地局から電波を受信して最も状態の良い電波を選ぶ無線方式のことです。
そのため、1つの電波状況が悪くなっても、他の基地局からの電波を受信できるので通話が途切れにくいという特徴があります。
もともとアメリカの軍事技術ですが、クアルコムが実用化のレベルにまで引き上げました。
このCDMA携帯電話用チップでは、クアルコムが圧倒的なマーケットシェアをもっています。
クアルコムは、もともと携帯電話や通信設備も手がけていました。
しかし、スマホ用チップに特化するために、携帯電話事業は京セラに売却し、通信設備はエリクソンに売却しました。
思い切りの良い”クアルコム”らしい経営判断ですね。
クアルコムの業績見通し、アップルとの和解で売上高上乗せ https://t.co/JabK4vtAPT pic.twitter.com/vHja3iPzsQ
— ブルームバーグニュース (@BloombergJapan) May 1, 2019
クアルコムは“ロイヤリティが高すぎる”として、アップルから訴訟をおこされていました。
長年争った泥沼の訴訟合戦となりました。
しかし、結局アップルが折れ、クアルコムと和解しました。
この和解で、クアルコムはiPhoneにチップを提供することになります。
直近の決算
2021年07月28日(水)の引け後、クアルコムが2021年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…80億60百万ドル(前年同期比64.7%増)
純利益
…20億27百万ドル(前年同期比2.4倍)
EPS
…1.92ドル
市場予想では、売上高75億50百万ドル EPS 1.67ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+3.1%程度で推移しています。
直近の株価
直近1年間の株価はこちらです(2021年08月04日終値)。
クアルコム株価:+33.6%
S&P500指数:+33.2%
直近5年間の株価はこちらです(2021年08月04日終値)。
クアルコム株価:+139.1%
S&P500指数:+102.6%
事業別の売上高
クアルコム(Qualcomm)の事業別売上高はこちらです(2019年12月期)。
機器・サービス
(Equipment and services)
…146億11百万ドル(前年同期比16.0%減)
ライセンス
(Licensing)
…96億62百万ドル(前年同期比85.4%増)
サービス別の売上高
クアルコム(Qualcomm)のサービス別売上高はこちらです(2019年12月期)。
CDMA
(QCT)
…146億39百万ドル(前年同期比15.3%減)
ライセンス
(QTL)
…45億91百万ドル(前年同期比8.9%減)
投資事業
(QSI)
…1億52百万ドル(前年同期比52.0%増)
調整項目
(Reconciling items)
…48億91百万ドル(前年同期比2,515.5%増)
地域別売上高
クアルコム(Qualcomm)の地域別売上高はこちらです(2019年12月期)。
中国(香港含む)
(China including Hong Kong)
…116億10百万ドル(前年同期比23.4%減)
アイルランド
(Ireland)
…29億57百万ドル(前年同期は1百万ドルの黒字)
米国
(United States)
…27億74百万ドル(前年同期比360.0%増)
韓国
(South Korea)
…24億ドル(前年同期比24.4%減)
その他
(Other foreign)
…45億32百万ドル(前年同期比23.1%増)
決算
直近のクアルコム(Qualcomm)の決算はこちらです(2019年12月期)。
売上高
…242億73百万ドル(前年同期比6.8%増)
純利益
…43億86百万ドル(前年同期は48億64百万ドルの赤字)
営業利益率
…31.6%
EPS
…3.59ドル
BPS
…4.77ドル
営業キャッシュフロー
…72億86百万ドル
フリーキャッシュフロー
…63億99百万ドル
売上高・純利益
クアルコム(Qualcomm)の売上高・純利益はこちらです。
(青色:売上高/赤色:純利益)
営業利益率
クアルコム(Qualcomm)の営業利益率は、31.6%です(2019年12月期)。
EPS(1株あたりの利益)
クアルコム(Qualcomm)のEPS(1株あたりの利益)はこちらです。
BPS(1株あたりの純資産)
クアルコム(Qualcomm)のBPS(1株あたりの純資産)はこちらです。
営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー
クアルコム(Qualcomm)のキャッシュフローはこちらです。
(青色:営業CF/赤色:フリーCF)
配当
クアルコム(Qualcomm)の1株あたりの配当はこちらです。
配当性向
クアルコム(Qualcomm)の配当性向はこちらです。
配当性向は、純利益の中から、配当金をどのくらい払っているかを%(パーセンテージ)で表したものです。
今回のまとめ
今回の記事のポイントは、こちらです。
・クアルコムは、スマホ用半導体に強みをもつメーカー
・売上高の39.8%は、ライセンス収入(2019年12月期)
・アップルとロイヤルティ料でもめていたが、解決済み
・CDMA方式の成功で大きく成長してきた
クアルコム(QCOM)は、スマートフォン用の半導体で圧倒的なシェアをもつ半導体メーカーです。
売上高の39.8%がライセンス収入を占めています。
高すぎる特許料がネックとなり、長年アップルと揉めましたが解決しています。
過去の決算
2021年第2四半期の決算
2021年04月28日(水)の引け後、クアルコムが2021年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…79億35百万ドル(前年同期比52.1%増)
純利益
…17億62百万ドル(前年同期比3.8倍)
EPS
…1.90ドル
市場予想では、売上高76億20百万ドル EPS 1.67ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+5.5%程度で推移しています。
2021年第1四半期の決算
2021年02月03日(水)の引け後、クアルコムが2021年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…82億35百万ドル(前年同期比62.2%増)
純利益
…24億55百万ドル(前年同期比2.7倍)
EPS
…2.17ドル
2020年第4四半期の決算
2020年11月04日(水)の引け後、クアルコムが2020年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…83億46百万ドル(前年同期比73.4%増)
純利益
…29億60百万ドル(前年同期比5.8倍)
EPS
…1.45ドル
市場予想では、売上高59億40百万ドル EPS 1.17ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+10.4%程度で推移しています。
2020年第3四半期の決算
2020年7月29日(水)の引け後、クアルコムが2020年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…48億93百万ドル(前年同期比49.2%減)
純利益
…8億45百万ドル(全円同期比60.7%減)
EPS
…0.86ドル
市場予想では、売上高48億10百万ドル EPS 0.71ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+11.6%程度で推移しています。
2020年第2四半期の決算
2020年4月29日(火)の引け後、クアルコムが2020年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…52億16百万ドル(前年同期比4.7%増)
純利益
…4億68百万ドル(前年同期比29.4%減)
EPS
…0.88ドル
市場予想では、売上高50億20百万ドル EPS 0.78ドルだったので、予想を上回る内容でした。
コロナウイルスの悪影響はありますが、中国で需要が回復してきているようです。
決算を受けて、株価は時間外で+3.2%程度で推移しています。
2019年第4四半期の決算
2019年11月6日(水)の引け後、クアルコムが2019年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…48億14百万ドル(前年同期比16.7%減)
純利益
…5億6百万ドル(前年同期比は5億13百万ドルの赤字)
EPS
…0.78ドル
2019年第3四半期の決算
2019年7月31日(水)の引け後、クアルコムが2019年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…96億35百万ドル(前年同期比72.8%増)
純利益
…21億49百万ドル(前年同期比78.8%増)
EPS
…0.80ドル
知的財産の法廷闘争で、和解したアップルから47億ドルを受け取ったため、大きく売上と利益が増加しました。
しかし、本業の売上高をみると良くはありません。
・半導体事業 35億67百万ドル(前年同期比13%減)
・ライセンス事業 12億92百万ドル(前年同期比10%減)
市場予想は、売上高50億80百万ドル EPS 0.75ドルだったので、予想を下回る内容でした(本業のみを考えている)。
決算を受けて、株価は時間外で-5.5%程度で推移しています。
2019年第2四半期の決算
2019年5月1日(水)の引け後、クアルコムが2019年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…49億82百万ドル(前年同期比4.6%減)
純利益
…6億63百万ドル(前年同期比2.0倍)
EPS
…0.77ドル
市場予想は、売上高48億ドル EPS 0.71ドルだったので、予想を上回る内容でした。
アップルとの訴訟が和解になったことで、直近で株価が大きく上昇しています。
決算を受けて、株価は時間外で-2.8%程度で推移しています。
2019年第1四半期の決算
2019年1月30日(水)の引け後、2019年第1四半期の決算を発表しました。
・売上高
…48億42百万ドル(前年同期比19.8%減)
・純利益
…10億68百万ドル(前年同期は59億83百万ドルの赤字)
・EPS
…1.20ドル
市場予想は、売上高49億ドル EPS 1.09ドルだったので、まちまちの内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+2.45%と上昇しています。
もともとアナリストから評判が悪かったので、ハードルが低くなっていたのがプラスにはたらいているようですね。
備考
関連資料
クアルコム:『公式HP』
クアルコム:『Annual Report』
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