GAFAとは、”グーグル“と”アップル“、”フェイスブック“、”アマゾン“の4社の頭文字を並べた呼び名です。
G…Google(グーグル)
A…Apple(アップル)
F…Facebook(フェイスブック)
A…Amazon(アマゾン)
今回の記事では、GAFAをめぐる状況を解説していきます。
「GAFAってどんな企業なの?」という方は、ぜひチェックしてください。
目次
GAFA(ガーファ)とは
GAFAとは、グーグルとアップル、フェイスブック、アマゾンの4社の頭文字を並べた呼称です。
現在の日常生活では、GAFAのサービスが”社会基盤”と表現しても良いくらいの存在感を示しています。
そのため、GAFAは”プラットフォーマー”とも呼ばれています。
世界の中のGAFAの存在感は圧倒的です。
日本の大企業の時価総額と比較してみました。
GAFAの時価総額をみると、日本の大企業の数倍ありますね。
~GAFAの時価総額~
・アップル
…7,485億ドル(2018/12/31 終値)
⇒81兆5,865億円(109円換算)
・アマゾン
…7,344億ドル(2018/12/31 終値)
⇒80兆496億円(109円換算)
・アルファベット(グーグルA.C株)
…6,745億ドル(2018/12/31 終値)
⇒73兆5,205億円(109円換算)
・フェイスブック
…3,149億ドル(2018/12/31 終値)
⇒34兆3,241億円(109円換算)
~日本の大企業~
・トヨタ自動車
…20兆9,027億円(2018/12/28 終値)
・NTTドコモ
…9兆3,517億円(2018/12/28 終値)
・NTT
…8兆7,416億円(2018/12/28 終値)
・ソフトバンクG
…8兆403億円(2018/12/28 終値)
GAFAの直近5年間の株価チャートを一覧にしました。
S&P500や日経平均と比較しても、大きく上昇していますね。
(直近5年間の株価チャート)
株価の動きをみると、大きく相場全体を上回るパフォーマンスを記録しています。
・Apple…+107.19%(青色)
・Google…+84.73%(赤色)
・Amazon…+277.70%(緑色)
・Facebook…+126.25%(オレンジ色)
・S&P500…+36.07%(黒色)
・日経平均…+25.78%(紫色)
現時点で、GAFAのライバルになりそうな企業はいません。
実は、GAFAのライバルは”GAFAの中の1社“です。
下記の通り、GAFA同士で激しい競争を繰り広げています。
・デジタル広告
…フェイスブック×グーグル×アマゾン(新規参入)
・検索
…グーグル×アマゾン
・動画
…グーグル×アマゾン×アップル(新規参入)
現在、圧倒的な強さを誇るGAFAに対して”規制をかける動き”が世界中で起きています。
GAFAが膨大な個人情報を独占的に扱っていることに批判が集まっています。
特に欧州で議論が活発ですが、日本でも議論され始めています。
仏、「デジタル課税」導入へ 税収年640億円 https://t.co/qXU4BCYtxX
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) December 17, 2018
フランスでは、IT大手企業に対する”デジタル課税”を2019年1月から導入しています。
EU全体では2019年3月までのデジタル課税での合意を目指しています。
デジタル課税は、ネット広告や個人情報の販売などに課税をする内容となっています。
GAFAを狙い撃ちした課税ルールとなります。
圧倒的な利益を稼いでいるGAFAに対する風当たりは強くなる一方ですね。
個人情報などのデータは「金銭と同じ価値」があるとみなして独占禁止法の運用範囲に含め、企業から個人への「優越的地位の乱用」適用を検討。「GAFA」などプラットフォーマーの規制に関する日本政府の基本原則です。https://t.co/HWmcUfCCWj
— 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) December 18, 2018
日本政府でもGAFAに対する規制の議論がすすんでいます。
2018年12月18日、日本政府はIT企業大手の規制に関する基本原則を公表しました。
プラットフォーマーが消費者や中小企業に対して”不利益”を強いないように、規制の整備をすすめる内容です。
上の記事を読むと、”GAFA”の経済活動を縛るような内容のようですね。
最近の世界的な報道をみると、GAFAに対して厳しい論調が増えてきました。
「データを独占して稼ぎまくっているGAFAは税金をもっと払うべき!」と考えている人が多いようです。
現在、GAFAは高い利益率を計上しています。
今後は、高い利益率を計上することが難しくなってくるかもしれませんね。
グーグル
グーグル(Google)は、世界最大の検索エンジン”Google“を運営している企業です。
アルファベット(Alphabet)の名前で上場しています。
検索エンジンで有名ですが、検索以外にも様々なサービスを提供しています。
グーグルの強み
グーグルの最大の強みは、利用者が10億人を超えるサービスを7つも提供していることです。
とにかく世界最大の集客力をもっており、集客をしてデジタル広告で稼いでいく戦略ですね。
グーグルは、以下のビリオンサービス(利用者10億人超)を提供しています。
①Google
…世界最大の検索サービス
②アンドロイド
…スマートフォン用のOS
③YouTube
…世界最大の動画共有サービス
④Gmail
…世界最大のメールサービス
⑤Google Play
…アンドロイド端末向けのコンテンツ配信サービス
⑥Chrome
…グーグルが提供しているWebブラウザ
⑦Googleマップ
…世界最大の地図サービス
グーグルの弱み
グーグルは、検索事業以外にも様々なサービスを提供しています。
しかし、売上高のほとんどがGoogleです。
広告以外の売上は”ほとんどない”と認識したほうが良いようですね。
事業別の売上高はこちらです(2017年通期)。
・Google事業 1,096億52百万ドル
・その他事業 12億3百万ドル
アップル
アップル(Apple)は、”iPhone(アイフォーン)”や”Mac(マック)などの製品を提供している企業です。
2007年に発売された”iPhone”は、世界の携帯電話を一変させました。
最近は中国の売上高が上昇しているので、中国の重要性が上がっています。
下記のような製品を提供しています。
・iPhone
…アップルのスマートフォン
・iPad
…アップルのタブレット型端末
・Mac
…アップルのPC
・Apple Watch
…アップルのスマートウォッチ
アップルの強み
2011年の今日、スティーブ・ジョブズ氏が亡くなりました:今日は何の日?
https://t.co/08R3lKPkw4— Engadget 日本版 (@engadgetjp) October 4, 2017
アップルは、伝説のカリスマ経営者”スティーブ・ジョブズ”が創業した企業です。
映画「スティーブ・ジョブズ」やマンガ、書籍などのジョブズを描いた作品は数多くあります。
作品の影響を受けて、アップルの製品が好きな”アップル信者”が世界中にいます。
そのため、直近の決算ではiPhoneだけで、売上高が1,666億ドルも計上しています(2018年通期)。
アップルの弱み
アップルの弱みは”収益がiPhoneに依存している”ことです。
直近の決算(2018年通期)をみると、iPhoneは売上高の62.8%を占めています。
そのため、iPhoneが売れなくなると、一気に業績が悪くなります。
iPhoneに依存しすぎていることは、アップルの長年の経営上の課題として知られています。
フェイスブック
フェイスブック(Facebook)は、世界最大のSNS「Facebook」を運営している企業です。
SNS業界では圧倒的なポジションを築いており、SNSの代名詞のような企業ですね。
フェイスブックが有名ですが、以下のサービスも提供しています。
・フェイスブック
…世界最大のSNSサービス
・インスタグラム
…若者に人気のSNSサービス
・ワッツアップ
…世界最大のメッセージアプリ
・オキュラスVR
…ウエラブル端末VR
フェイスブックの強み
フェイスブックの強みは、月間アクティブユーザーが22億71百万人もいることです(2018年第3四半期決算時)。
下の表の通り、SNS業界でフェイスブックのライバルはいません。
フェイスブックのユーザー数はダントツですね。
SNS名 | 月間ユーザー | デイリーユーザー |
フェイスブック | 22億71百万人 | 14億95百万人 |
インスタグラム | 約10億人 | 非公表 |
ツイッター | 3億26百万人 | 非公表 |
スナップチャット | 非公表 | 1億86百万人 |
※フェイスブックは2018年第3四半期の決算時
※インスタグラムは2018年6月末時点
※ツイッターは2018年第3四半期の決算時
※スナップチャットは2018年第3四半期の決算時
フェイスブックの弱み
フェイスブックの弱みは、収益が広告に依存していることです。
下の図の通り、フェイスブックには広告収入以外の収益はありません(2018年第3四半期決算時)。
アマゾン
アマゾンは、世界最大のECサイトを運営している小売企業です。
ネット通販では圧倒的なポジションを築いているアマゾンですが、最近では少しずつ実店舗への進出をすすめています。
下記の通り、アマゾンは様々な事業を展開しています。
・Amazon
…世界最大のECサイト
・AWS
…クラウドサービス
・kindle
…電子書籍
・AmazonGo
…レジ無しコンビニ
・ホールフーズ
…ヘルシー食品に強みをもつスーパー
・アマゾンビジネス
…法人向けに特化したネット通販
アマゾンの強み
アマゾンの強みは、1億人を超える会員数を誇る”アマゾン・プライム”です。
2018年4月、ジェフ・ベゾスCEOはプライム会員数が1億人を突破したと発表しました。
アマゾンプライムは、日本で3,900円(年会費)、米国で119ドル(年会費)もかかります。
もともと収益力の弱いアマゾンですが、アマゾンプライムのおかげで収益力が強くなっています。
アマゾンの弱み
最近、米国の有力政治家がアマゾンへの批判を強めています。
ネットの小売業界はアマゾンの一強状態なので、様々な方面から批判を浴びやすくなっていますね。
I have stated my concerns with Amazon long before the Election. Unlike others, they pay little or no taxes to state & local governments, use our Postal System as their Delivery Boy (causing tremendous loss to the U.S.), and are putting many thousands of retailers out of business!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) March 29, 2018
アマゾン批判の筆頭は、トランプ大統領です。
2018年3月、トランプ大統領はアマゾンを批判しました。
上のツイートでは『Amazonは交通システムを利用しているのに税金を払っていない。そして多くの小売り企業を廃業させている』とコメントしています。
Amazon is worth $1 TRILLION.
Jeff Bezos is worth $155 BILLION.
Thousands of Amazon workers have to rely on food stamps, Medicaid and public housing to survive.
That is what a rigged economy looks like. Tomorrow we will introduce a bill to end subsidies for low-wage employers. https://t.co/jYQrtYbwZL
— Bernie Sanders (@SenSanders) September 4, 2018
民主党の上院議員のバーニー・サンダース氏も、アマゾンを批判しています。
2018年8月、サンダース上院議員はアマゾンを批判しました。
上のツイートでは『ベゾス氏は、自分の従業員を公的住宅やフードスタンプに頼らざる得ない状況に追い込んでいる』とコメントしています。
今回のまとめ
今回の記事のポイントはこちらです。
・GAFAのサービスは、社会基盤になっている
・GAFAのライバルは”GAFA”
・世界的にGAFAに対する批判が集まっている
・フランスでは、世界に先行してデジタル課税を導入
・日本でもGAFAに対する規制の議論がすすんでいる
・今後GAFAの利益率は低くなるかも
GAFAは、”グーグル(Google)“や”アップル(Apple)“、”フェイスブック(Facebook)“、”アマゾン(Amazon)“の4社を並べた呼称です。
世界的なプラットフォーマーとなっているため、日常生活に”なくてはならない”サービスとなっています。
GAFAの存在感は圧倒的で、ライバルになりそうな企業はいません。
しかし、圧倒的な強さを誇るGAFAに対して”規制をかける動き”が、世界中で起きています。
今後、GAFAは今まで通りの事業展開をするのは難しいかもしれませんね。
関連資料
アップル:『公式HP』
アマゾン:『公式HP』
フェイスブック:『公式HP』
アルファベット:『公式HP』
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