今回の記事では”米中貿易戦争の影響を受けそうな米国企業”を5銘柄ピックアップしました。
米中貿易戦争の状況をみると、トランプ政権と中国政府の貿易問題は”着地点”が見えません。
2020年の再選をにらむトランプ大統領が”対中制裁関税”を取り下げる理由がないので、まだまだ”米中貿易戦争”が相場のテーマとなっていく可能性が高いです。
下の5銘柄は、いずれも米中貿易戦争の影響を大きく受ける銘柄です。
・キャタピラー
・ボーイング
・GM
・アップル
・スリーエム
今回の記事では、米中貿易戦争の影響を大きく受けそうな銘柄を解説しています。
「米中貿易戦争に関係する銘柄は投資対象から外したい!」という方は、ぜひチェックしてください。
キャタピラー(Caterpillar)
キャタピラー(Caterpillar)は、中国関連銘柄の筆頭にあげられることが多い銘柄です。
建機を提供している企業なので、景気に非常に左右されます。
”好景気”で業績が良くなり、”不景気”では業績が悪化する傾向が、他の企業とくらべても強いです。
そのため、キャタピラーは”米中貿易問題”で悪いニュースがあるたびに、株価が大きく下落します。
キャタピラーの地域別売上高をチェックしましょう。
直近の決算をみると、地域別売上高は以下の通りです(2018年第3四半期の決算)。
中国単体での売上高は載っていませんが、アジア・太平洋地域の売上高は22.9%を占めています。
・北米地域
62億76百万ドル(46.5%)
・ラテンアメリカ
11億83百万ドル(8.8%)
・中東,欧州,アフリカ地域
29億57百万ドル(21.9%)
・アジア,太平洋地域
30億94百万ドル(22.9%)
ボーイング(Boeing)
ボーイング(Boeing)は、世界最大の民間航空機メーカーです。
世界の大型航空機市場は、長年にわたってボーイングと欧州のエアバスの2強体制です。
米中貿易が激しくなってくると、中国政府がエアバスに発注するようになるかもしれません。
中国は世界第2位の航空市場になるため、ボーイングとしては撤退するわけにはいかない市場です。
ボーイングにとって、”米中貿易戦争”の進展によっては大きく業績が振れてしまう可能性がありますね。
ボーイングの地域別売上高をチェックしましょう。
直近の通期決算をみると、地域別売上高は以下の通りです(2017年12月通期)。
・アジア(中国除く)
88億99百万ドル(17.4%)
・欧州
114億57百万ドル(22.4%)
・中国
119億11百万ドル(23.3%)
・中東
122億87百万ドル(24.1%)
・オセアニア
20億61百万ドル(4.0%)
・カナダ
21億97百万ドル(4.3%)
・アフリカ
7億55百万ドル(1.5%)
・ラテンアメリカ,カリブ地域など
14億94百万ドル(2.9%)
GM(General Motors)
GM(ゼネラル・モーターズ)は、米国最大級の自動車メーカーです。
日本でも有名な”キャデラック”や”シボレー”、”ビュイック”などのブランドを展開しています。
トランプ氏中国生産停止要求、GMが応じられぬ理由 https://t.co/YbzhPL8dg9
— ウォール・ストリート・ジャーナル日本版 (@WSJJapan) November 27, 2018
2018年11月、トランプ大統領はGMに対して”中国での生産打ち切り”を要求しました。
実はGMの海外展開をみると、唯一上手くいっている国が”中国”です。
欧州やインド、南アフリカなどの国から撤退したGMにとって、中国は海外進出の最後の砦です。
そのため、トランプ政権と対立しても、GMは中国での生産計画を取り下げないと思います。
GMの地域別売上高をチェックしましょう。
直近の通期決算をみると、地域別売上高は以下の通りです(2017年12月通期)。
中国単体の数字はありませんが、米国以外の売上高の大半は中国です。
・米国
1,111億63百万ドル(76.4%)
・米国以外
344億25百万ドル(23.6%)
アップル(Apple)
アップル(Apple)は、”iPhone(アイフォーン)”や”Mac(マック)などの製品を提供している企業です。
主力製品の”iPhone”は中国でも人気となっており、アップルにとって中国は外せない主力市場のひとつとなっています。
アップルの地域別売上高をチェックしましょう。
直近の通期決算をみると、地域別売上高は以下の通りです(2018年9月通期)。
中国の存在感は年々増しています。
・米国
…1,120億93百万ドル(42.2%)
・欧州
…624億20百万ドル(23.5%)
・中国地域
…519億42百万ドル(19.6%)
・日本
…217億33百万ドル(8.2%)
・その他アジア太平洋
…174億7百万ドル(6.6%)
スリーエム(3M)
スリーエム(3M)は、5万点を超える商品を提供しているコングロマリット・メーカーです。
日本ではポストイットのイメージが強いですが、幅広い商品を取り扱っています。
スリーエムの地域別売上高をチェックしましょう。
直近の通期決算をみると、地域別売上高は以下の通りです(2017年通期)。
・米国
…123億72百万ドル(39.1%)
・アジア太平洋
…98億9百万ドル(31.0%)
・欧州,中東,アフリカ
…64億56百万ドル(20.4%)
・ラテンアメリカ,カナダ
…30億33百万ドル(9.6%)
※Other Unallocated はグラフに考慮せず
今回のまとめ
今回の記事では、”米中貿易戦争の影響を受けそうな米国企業”をピックアップしました。
現時点では、トランプ政権と中国政府の間で貿易問題が解決しそうな雰囲気がしません。
今回ピックアップした銘柄を保有している投資家は、要注意ですね。
・キャタピラー(Caterpillar)
・ボーイング(Boeing)
・GM(General Motors)
・アップル(Apple)
・スリーエム(3M)
・ウィンリゾーツ(Wynn Resorts)
・クアルコム(Qualcomm)
・ブロードコム(Broadcom)
・マイクロン(Micron)
・エヌビディア(Nvidia)
今回紹介した銘柄以外にも、市場から”中国関連銘柄”とみられている銘柄は様々な企業があります。
銘柄を保有している人は、米中貿易戦争の行方に注目しましょう。
関連資料
キャタピラー(Caterpillar):『公式HP』
ボーイング(Boeing):『公式HP』
GM(General Motors):『公式HP』
アップル(Apple):『公式HP』
スリーエム(3M):『公式HP』
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