目次
スクエア(Square)
スクエア(Square)は、クレジットカードリーダー型の端末やその端末をつかった決済インフラを提供している企業です。
下の図のように、白いカード読み取り機『スクエアリーダー』を取り付けたら、顧客のクレジット情報を読み取ることができ、決済ができる仕組みとなっています。
そのため、カンタンにスマホやタブレットがレジの代わりになります。
個人で経営している喫茶店や美容院などがクレジット決済システムを導入する場合、普通は銀行の厳しい審査をクリアしないといけません。
さらに審査をクリアした後は、レジスターなどを納入しなければならないので、高いコストがかかります。
スクエアでは、自社の審査にクリアすればスクエアリーダー(約5,000円)を利用して決済システムを導入できます。
そのため、中小企業や個人事業主にとっては非常にありがたいサービスで、米国を中心にスクエアは人気の決済サービスとなりました。
スクエアの決済サービスを導入した個人事業主や会社は、決済のたびに手数料(米国:2.75%程度、日本:3.25%程度)をスクエアに支払います。
決済手数料がメイン収益となるため、スクエアはできるだけ多く決済してもらう必要があります。
そのため、スクエアは決済だけでなく、在庫管理や勤怠管理などのツールを充実させ、顧客をキチンと囲い込んでいます。
スクエアのメインターゲットは、美容院や喫茶店、フリーランスなどの個人事業主です。
近年では、売上高の大きな顧客のシェアが大きくなっています。
小規模な個人事業主だけのサービスではなく、一般的な決済サービスとして広がってきています。
スクエアはスマホやタブレットでの決済だけでなく、『スクエア・レジスター』などのサービスも提供しています。
スクエア・レジスターには様々なツールがあり、大型の店舗や企業でも十分使うことのできる決済システムとなっています。
スクエアが最近力を入れているのは、『スクエアキャピタル』です。
スクエアキャピタルは、小口の資金を融通する融資事業です。
スクエアは決済システムや店のPOSシステムを提供しているので、事業主の経営状態を把握しています。
加盟店の経営状態(お金の流れ)を把握していれば、AIを用いてすぐに融資の判断をすることができます。
スクエアは、将来的に”銀行の融資”という仕事をどんどん奪っていくのかもしれませんね。
スクエアは、決済システムを販売して稼いでいる会社ではありません。
決済システムを入口にして、在庫管理や従業員の勤怠管理などの分析ツールを提供し、顧客を囲い込みます。
顧客を囲い込んだ後は、決済手数料(米国では2.75%程度)で稼いでいくビジネスモデルとなっています。
スクエアが成長している理由は、『みんなが必要としているサービスだから』です。
現在でも個人事業主がクレジットカードの使える決済システムを導入するには、厳しい審査があります。
さらに厳しい審査の後に、クレジットカードをつかうたびに高い手数料を取られていました。
しかし、スクエアが登場してからは個人事業主でもクレジットカード決済を導入することができるようになりました。
そのため、スクエアは個人事業主を中心に非常に人気のあるサービスです。
直近の決算
2021年08月02日(月)の寄付き前、スクエアが2021年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…46億8,067万ドル(前年同期比2.4倍)
純利益
…2億367万ドル(前年同期は1,147万ドルの赤字)
EPS
…0.40ドル
直近の株価
直近1年間の株価チャートはこちらです(2021年08月04日終値)。
スクエア株価:+94.7%
S&P500指数:+33.8%
直近5年間の株価チャートはこちらです(2021年08月04日終値)。
スクエア株価:+2,289.4%
S&P500指数:+102.6%
事業別の売上高
スクエア(Square)の事業別売上高はこちらです(2019年通期)。
トランザクション売上
(Transaction-based revenue)
…30億8,107万4千ドル(前年同期比24.7%増)
サブスクリプション・サービス売上
(Subscription and services-based revenue)
…10億3,145万6千ドル(前年同期比74.3%増)
ハードウェア売上
(Hardware revenue)
…8,450万5千ドル(前年同期比23.4%増)
ビットコイン売上
(Bitcoin revenue)
…5億1,646万5千ドル(前年同期比210.2%増)
地域別の売上高
スクエア(Square)の地域別売上高はこちらです(2019年通期)。
米国
(United States)
…44億7,247万3千ドル(前年同期比42.5%増)
米国以外
(International)
…2億4,102万7千ドル(前年同期比51.3%増)
決算
直近のスクエア(Square)の決算はこちらです(2019年通期)。
売上高
…47億1,350万ドル(前年同期比42.9%増)
純利益
…3億7,544万6千ドル(前年同期は38453千ドルの赤字)
営業利益率
…3.3%
EPS
…0.81ドル
BPS
…2.89ドル
営業キャッシュフロー
…4億66百万ドル
フリーキャッシュフロー
…4億3百万ドル
売上高・純利益
スクエア(Square)の決算(業績)はこちらです。
売上高は一貫して右肩上がりですが、純利益は2019年通期に黒字転換しています。
営業利益率
スクエア(Square)の営業利益率は、3.3%です(2019年通期)。
営業利益率の改善がすすんでいますが、利益率はかなり低い水準です。
EPS(1株あたりの利益)
スクエア(Square)のEPS(1株あたりの利益)はこちらです。
BPS(1株あたりの純資産)
スクエア(Square)のBPS(1株あたりの純資産)はこちらです。
営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフロー
スクエア(Square)のキャッシュフローはこちらです。
(青色:営業CF/赤色:フリーCF)
配当
スクエア(Square)は、配当を出していません。
配当性向
スクエア(Square)は、配当を出していません。
今回のまとめ
今回の記事のポイントは、こちらです。
・スクエアは、決済端末をつかったインフラを提供している企業
・決済手数料が収益になるため、決済回数が増えれば儲かる
・スクエアキャピタルは、小口の資金を融通する融資事業
・中小の事業主に人気のサービス
スクエア(Square)は、クレジットカードリーダー等の端末やその端末を使った決済インフラを提供している企業です。
ただ、スクエアは決済システムだけで稼いでいる企業ではありません。
決済システムを入り口にして、手数料や融資業務などを展開しています。
スクエアをただの決済企業だと考えるのは、過小評価していると思います。
過去の決算
2021年第1四半期の決算
2021年05月06日(木)の引け後、スクエアが2021年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…50億5,727万ドル(前年同期比3.7倍)
純利益
…39百万ドル(前年同期比1億589万ドルの赤字)
EPS
…0.41ドル
2020年第4四半期の決算
2021年02月23日(火)の引け後、スクエアが2020年第4四半期の決算を発表しました。
売上高
…31億5,897万ドル(前年同期比2.4倍)
純利益
…2億9,395万ドル(前年同期比24.8%減)
EPS
…0.32ドル
市場予想では、売上高30億90百万ドル EPS 0.24ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外でマイナス5.7%程度で推移しています。
2020年第3四半期の決算
2020年11月05日(木)の引け後、スクエアが2020年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…30億3,387万ドル(前年同期比2.4倍)
純利益
…3,651万ドル(前年同期比24.2%増)
EPS
…0.34ドル
市場予想では、売上高20億70百万ドル EPS 0.16ドルだったので、予想を上回る内容でした。
決算を受けて、株価は時間外で+4.6%程度で推移しています。
2020年第2四半期の決算
2020年8月5日(水)の寄付き前、スクエアが2020年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…19億2,362万ドル(前年同期比63.8%増)
純損失
…1,147万ドルの赤字(前年同期は674万ドルの赤字)
EPS
…0.18ドル
2020年第1四半期の決算
2020年5月6日(水)の引け後、スクエアが2020年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…13億8,110万ドル(前年同期比44.0%増)
純損失
…1億589万ドルの赤字(前年同期は3,815万ドルの赤字)
EPS
… -0.02ドル
決算を受けて、株価は時間外で-5.4%程度で推移しています。
2019年第3四半期の決算
2019年11月6日(水)の引け後、スクエアが2019年第3四半期の決算を発表しました。
売上高
…12億6,647万ドル(前年同期比43.6%増)
純利益
…2,939万ドル(前年同期比49.7%増)
EPS
…0.25ドル
2019年第2四半期の決算
2019年8月1日(木)の引け後、スクエアが2019年第2四半期の決算を発表しました。
売上高
…11億7,423万ドル(前年同期比44.1%増)
純損益
…674万ドルの赤字(前年同期は590万ドルの赤字)
EPS
…0.21ドル
売上高は市場予想を上回りましたが、第3四半期の決算見通しは予想に届きませんでした。
コストや人件費がかさんでいますね。
決算を受けて、株価は時間外で-8%程度で推移しています。
2019年第1四半期の決算
2019年5月1日(水)の引け後、スクエアが2019年第1四半期の決算を発表しました。
売上高
…9億5,935万ドル(前年同期比43.5%増)
純損失
…3,815万ドルの赤字(前年同期は2,398万ドルの赤字)
EPS
…0.11ドル
コスト調整後の売上高は4億89百万ドル(前年同期比59%増)です。
次の決算(4~6月期)の業績予想が予想を下回ったため、嫌気されています。
決算を受けて、株価は時間外で-4.4%程度で推移しています。
備考
関連資料
スクエア:『公式HP』
スクエア:『Annual Report』
注意事項
・当サイトに掲載されている事項は、投資に関する情報の提供を目的に作成したものであり、特定の金融商品の勧誘を目的としたものではありません
・当サイトは特定の商品の勧誘や売買の推奨等を目的としたものではありません
・最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようにお願いします
・当サイトでは、米国株についての情報を提供しています。