海外投資のポイント

トルコの債券は投資のチャンスか?

トルコは投資のタイミングか?


最近、トルコのリラ債への投資を考えていたので記事としてまとめてみました。
一時期、個人投資家の間で人気となったイメージがありますが、実際のところ投資対象としてどうなのか?調べてみました。

今回トルコリラ債への投資を考えた理由は3つです。

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1つ目は、単純にトルコリラの為替が大きく下落していることです。
上の図は2005年1月からのトルコリラの為替チャートです。
かつてない水準までトルコ・リラは円に対して売られてしまっています。
基本的にトルコは何の問題もなければ、ちゃんと経済成長していく国だと考えています。
現在の水準をみると、ちょっとリラは売られすぎかなと考えています。

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2つ目は、トルコ中銀がなりふり構わず通貨防衛に取り組んでいることです。
上の図は、トルコの政策金利の動きです。
直近、金利が急上昇しています。
これは、トルコ中銀が通貨を防衛するために金利を引き上げたことがわかります。

Erdoğan
3つ目は、エルドアン大統領です。
エルドアン大統領は、金利の引き上げに強い拒否反応を示してきました。
しかし、トルコ中銀が連続して金利を引き上げています。
現在のトルコの政治情勢をみると、大統領の意思に反して中銀が金利を引き上げることは考えにくいです。
おそらくエルドアン大統領が金利を引き上げることを許可している可能性が高いです。

トルコリラ債の良いトコロ

とにかく金利が高い

今回、投資を考えた債券は楽天証券にあるトルコリラの既発債(欧州投資銀行:発行)です。
とにかく金利は良いですね。
公式HPはこちらです。
※クーポンと利回りは税引前の水準です。

発行会社 参考利回り クーポン 償還日 買付単価
欧州投資銀行 15.70 年 8.75% 2021/09/18 83.10

金利が高いのは理由があります。
トルコはもともとの金利が高いです。
中央銀行が決める政策金利は年17.75%となっています。
トルコの債券の金利が高いのは当たり前ですね。
逆に日本の政策金利は年0.10%となっています。
日本の債券の金利が低いのも当たり前ですね。
各国の政策金利を一覧にしました。
トルコはダントツです。

日本 0.10%(5月)
米国 1.75%(5月)
欧州 0.00%(5月)
英国 0.50%(5月)
豪州 1.50%(6月)
NZ 1.75%(5月)
南アフリカ 6.50%(5月)
トルコ 17.75%(6月)
メキシコ 7.50%(5月)

人工ピラミッドは最高!

トルコは人口全体でみると、生産年齢人口が7割近くを占めています。
2030年まで大きく変わることなく推移するとみられているので、経済成長に期待がもてます。
特に『豊富な労働力』と『消費意欲の強い若年市場』が国内にあるのは、心強いですね。

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日興アセットマネジメント『足元のトルコの状況と今後の見通し』より引用

経済は成長方向

トルコ経済が成長していくのは間違いないと思います。
トルコ統計局が発表した2017年の実質GDPは7.4%増でした。
GDPの6割を個人消費が占めており、消費が成長を牽引しています。
様々な金融機関の資料をみても、トルコが経済成長をしていく予測は一致していますね。
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日興アセットマネジメント『足元のトルコの状況と今後の見通し』より引用

トルコリラ債の悪いトコロ

為替スプレッドがものすごく高い

トルコリラ債の最大のデメリットは『為替スプレッドがすごく高い』ということです。

楽天証券ではトルコリラへ通貨をかえようとすると、為替手数料が2円かかります。
6月8日時点のトルコリラの適応為替は1トルコリラ=24.39円でした。
この中に為替の手数料が2円かかっているので、為替自体の数字は1トルコリラ=22.39円となります。

例えば、円から10万トルコリラの債券を購入する場合を考えてみます。
円を10万トルコリラにするためには、243万9千円が必要になります(6月8日時点)。
その時の適用為替は24.39ですが、為替手数料が2円かかっています
そのため、手数料が20万円かかっていることになります

とにかく手数料が高いですね。
いくら利率が良いとっても、なんか投資する気がなくなってきます。

為替はジェットコースター

トルコ・リラの為替は動きが激しいです。
下の図は期間が1年間の為替チャートの動きです。
青色はトルコリラ(-21.54%)、赤色は米ドル(-0.70%)、緑色はユーロ(+4.36%)、オレンジ色は豪ドル(+0.27%)となっています。
トルコリラの為替の動きをみると、“何か悪い出来事”が起きた際に売られることが多いですね。
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(青:トルコリラ赤:米ドル緑:ユーロオレンジ:豪ドル)

金利もジェットコースター

トルコの場合、為替だけではなく金利もジェットコースター状態です。
さらにトルコ中銀の力よりもエルドアン大統領の力が強いので、中銀の独立が担保されているか不安です。
直近で大きく金利を引き上げているのは、インフレがすすまないように引き締めをおこなったためです。
大きな金利の変動を繰り返すと経済が混乱するので、景気にはマイナスです。
金利が動くということは、債券単価も大きく変動するため債券投資には逆風です。
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野村アセット『トルコ中銀、市場予想を上回る利上げ』より引用

政治は独裁体制か

現在のエルドアン大統領は、首相時代も含めると2003年3月から国の指導者の地位に就いています

2016年7月には、エルドアン体制に不満をもっていた軍部がクーデターを起こしました。
しかし、クーデターに参加した軍部もごく一部だったため、統制がとれていませんでした。
そのため、すぐに失敗しました。

その直後、エルドアン大統領は「反・クーデター」を旗印に大弾圧を始めます。
軍人だけでなく、警察や裁判官、教員、公務員、記者などを対象に、逮捕者が数万人でたといわれています。
ちなみに、本当にクーデターに関与していた人ばかりだったかはハッキリしていません。

エルドアン大統領は、2017年4月には憲法を改正して大統領の権限を強くしています。
そのため現在のトルコでは、実質的な独裁者並みの権力をもっています

6月24日に大統領選挙がおこなわれる予定となっているので、要注目ですね。

トルコの位置はリスクが高い

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上の地図を見れば分かりますが、トルコはヨーロッパとアジアにまたがる世界でも珍しい地理的場所に位置しています。
北に国会、西にエーゲ海、南に地中海があり、海に囲まれています。
シリアとイラクにも国境を接しているので、地理的リスクはかなり高いです。

実際にトルコはテロリストを掃討する目的で、イラク北西部に侵攻しています。
今後も中東の情勢が悪化するたびにトルコ・リラの為替が動く可能性がありますね。

結論

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結論から申し上げると、今回はトルコリラ債を購入することは見送ることにしました。
理由は2つあります。

1つ目は6月24日におこなわれる大統領選挙です。
私は、エルドアン大統領が再選されると予想しています。
経済がどんなに悪くても、エルドアン大統領を熱烈に支持する有権者がしっかりといる限り、選挙で負けることはないと思います。
トルコの大統領選挙では、得票率が50%を超える候補者がいない場合、決選投票にすすみます。
決選投票にすすんだ場合、エルドアン大統領にとっては厳しい戦いになりますね。
その際、政治リスクは過去最大まで大きくなると思います。
そのタイミングでトルコリラが売られる可能性があるので、その時にもう1度考えようと思いました。

もしエルドアン大統領が勝利したとしても大きな課題があります。
トルコは毎年大きな経常赤字を計上しています。
そのため、海外投資家からの投資資金がどうしても必要になります。
海外投資家というと、欧米の機関投資家たちです。
欧米の金融機関からは、独裁体制についてはネガティブな評価がされがちです。
そのため、大統領選でエルドアン大統領が勝利しても今後もトルコリラの急落リスクは存在し続けるということです。

2つ目は手数料が高すぎることに嫌気がさしたことです。
上記でも説明しましたが、2円の為替手数料がかかるのはコストが高すぎますね。
6月8日時点のトルコリラの適応為替は1トルコリラ=24.39円でした。
10万トルコリラの債券を買おうとすると、243万9千円が必要で、為替手数料が20万円かかります。
色々と調べていると、「トルコに投資すると面白そうだな」という気持ちがだんだん冷めてきました。

おそらく、トルコで何か大きな動きがないとトルコ・リラ債には投資しないと思います。
トルコの投資信託の方が面白そうなので、今度はそちらを調べています。

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