トルコの債券の投資ポイント

トルコの債券とは?

トルコの債券とは、“トルコリラ建ての債券”のことです。
利率が良く、トルコのイメージも良いため、日本の証券会社でも一時期かなり人気になりました
ただ、トルコは特殊な国の事情を多いため、投資する際はしっかりとリスクを認識してから投資するようにしましょう。
米ドル債”や“豪ドル債”、“ユーロ債”と同じイメージで投資するとヤケドする可能性がありますよ

トルコの債券の良いトコロ

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トルコの債券の最大の良いトコロは『とにかく利回りが高い』ことです。
もともとの政策金利が高いので、トルコ建ての債券の利回りはかなり高いです。

トルコの政策金利は年17.75%となっており、日本年0.10%と比べるとケタ違いに高い金利となっています。
トルコの債券の金利が高いのは、当たり前ですね。

トルコの債券の在庫はなかなかありませんでしたが、楽天証券に欧州投資銀行のトルコリラ債の在庫がありました。
利回りは、年16.41%になります。
為替がある程度トルコ・リラ安の方向に動いても、利回りでカバーすることができますね。
公式HPはこちらです。

発行体 欧州投資銀行
格付 AAA(S&P)、Aaa(Moody’s)
通貨 トルコ・リラ
参考単価 81.67
税率 年 8.75%
利回り 年 16.41%
利払日 9月18日(年1回)
期間 約3年3ヶ月
償還日 2021年9月18日

トルコの債券の悪いトコロ

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トルコ債券に投資する際は、特に以下の3つのリスクについてよく理解するようにしましょう。
他の金融商品と同等に扱わない方が良いと思います。

為替手数料がメチャクチャ高い

トルコリラ建ての債券の最大のデメリットは『為替手数料がすごく高い』ということです。
楽天証券やSBI証券でも2円の為替手数料がかります。
例えば、6月8日時点のトルコリラの適応為替は1トルコリラ=24.39円でした。
この24.39円の中に、2円の為替手数料がかかっているので、為替レート自体の数字は1トルコリラ=22.39円となります。

例えば、日本円からトルコリラ建ての債券を10万リラ分購入する場合を考えてみます。
まず円を10万トルコリラにするためには、243万9千円が必要となります(1トルコリラ=24.39円)。
この中の20万円分が為替手数料となります。

トルコの債券を円から購入する場合、高い為替手数料を負担しなければならないことは、必ず覚えておきましょう。
忘れてはならないのは、トルコリラを円に戻す場合も同じだけ手数料がかかるということです。
上記の例だと『往復で40万円の手数料がかかる』ということですね。

トルコの為替の動きはジェットコースター状態

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(直近1年間の為替レート)
トルコ・リラの為替は非常に動きが激しいです。
上の図は、直近1年間の為替チャートの動きです。
青色はトルコリラ(-24.56%)、赤色は米ドル(+0.13%)、緑色はユーロ(+5.45%)、オレンジ色は豪ドル(+0.52%)です。
トルコリラの為替だけ大きく売られていますね。

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(直近5年間の為替レート)
上の図は、直近5年間の為替チャートの動きです。
青色はトルコリラ(-54.31%)、赤色は米ドル(+10.21%)、緑色はユーロ(+0.31%)、オレンジ色は豪ドル(-8.67%)です。
トルコリラは5年間で為替レートが半分になっています。

トルコの為替リスクが、他の主要国と比べて高いことがよくわかります。
『米ドル債』や『ユーロ債』、『豪ドル債』とはまったく違うタイプの外債だということは認識しておきましょう。

トルコの金利の動きはジェットコースター状態

トルコの債券に投資する場合、気を付けなければならないのは『トルコの金利』です。
トルコ中央銀行は、通貨防衛するために政策金利を引き上げています。
6月7日、政策金利(1週間物レポ金利)を1.25%引き上げて、17.75%としています。
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大和投資信託『トルコ金融政策(2018年6月)』より引用

下の図は、トルコの2年国債の動きです。
トルコでは2年国債すら大きく動くため、日本だと考えられないですね。
日本の常識は通じないので、リスクは高いですね。
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大和投資信託『トルコ金融政策(2018年6月)』より引用

トルコってどんな国?

トルコは、アジアとヨーロッパの文化が混ざり合う独自の発展をしてきた国です。
首都はアンカラ、人口が7,981万人(2016年)、面積が78万㎢(日本の約2倍)あります。

中東の中でも、非常に親日的な国として知られています。
2012年に外務省がおこなった世論調査によれば、83.2%のトルコ人が日本との関係を「友好関係にある」「どちらかというと友好関係にある」と回答しています(外務省公式HP)。

トルコはアジアや欧州、中央、アフリカ、ロシアといった経済圏が近くにあり、恵まれた場所に位置しています。
しかし、シリアやイラク、イランとも国境を接しています。
地政学的リスクも大きいことも考慮に入れないといけませんね。
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野村證券『野村トルコ債券ファンド トルコリラ建て』より引用

トルコはEUには加盟していませんが、NATO(北大西洋条約機構)やOECD(経済協力開発機構)、OSCE(欧州安全保障協力機構)には加盟しているため、欧米との距離は近いです。

トルコ経済の良いトコロ

トルコ経済は、今後も順調に成長していく見通しです。
2017年の実質GDPは7.4%増でした(トルコ統計局の発表)。
不安材料はありますが、特別なことがなければ経済成長していく国ですね。
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日興アセットマネジメント『足元のトルコの状況と今後の見通し』より引用

経済成長を支えているのは、トルコの『消費』です。
2017年も家計消費が11%増となり、好調でした。
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野村證券『野村トルコ債券ファンド トルコリラ建て』より引用

その好調なトルコの消費を支えているのが、下の図の『人工ピラミッド』です。
人口全体の7割近くが生産年齢人口となっており、今後の経済成長にも期待できます。
2030年まで現在の人口構成には変化がないのは心強いですね。
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野村證券『野村トルコ債券ファンド トルコリラ建て』より引用

トルコ経済の悪いトコロ

トルコ経済の悪いトコロは「常に赤字状態」ということです。

下の図は経常赤字の推移です。
多少赤字の多い年と少ない年がありますが、一貫して赤字の国です。
お金がなくなってしまうので、トルコ経済には『海外からの投資』が欠かせません。

野村證券『野村トルコ債券ファンド トルコリラ建て』より引用

トルコには天然資源がありません。
エネルギー関係(原油や天然ガス)は、原則輸入に頼っています。
そのため、景気が悪くなればお金が外に流出してしまうリスクは高いです。
外貨準備高が豊富にあるわけでもないので、市場介入も限定的しかできません。
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野村證券『野村トルコ債券ファンド トルコリラ建て』より引用

上記でも説明した通り、トルコの財政状態は決して良くはありません
特に海外からの借り入れが多いため、資金を引きあげられてしまうとダメージが大きいです。
大きな油田でも見つからない限りは、短期的に構造がかわる理由もありませんね。
「世界的にリスクが高まるとトルコから資金が流出する可能性がある」とおぼえておきましょう。
国債の格付もなかなか上がりません。
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野村證券『野村トルコ債券ファンド トルコリラ建て』より引用

トルコ名所を勝手にランキング!

1位 カッパドキア

トルコを観光するなら、何といっても『カッパドキア』です。
不思議でキノコのような形をした岩が大地一面を埋めつくしています。
カッパドキアの岩は削りやすい岩質をしているため、岩石をくりぬいて部屋をつくるなど、独自の住居をつくっています。
カッパドキアでは、上の動画のような気球に乗ることができます。

2位 イスタンブル

トルコといえば、ヨーロッパとアジアの文化が混ざり合ってできた『イスタンブール』ですね。
そのイスタンブルを観光するなら「トプカプ宮殿」が有名です。
「トプカプ宮殿」は、オスマン帝国が強かった時代に建てられた宮殿で、オスマン帝国の絶頂時代の栄光を感じることができますよ。
最大の見どころは「宝物館」です。
世界的に有名な「スプーンのダイヤモンド」とよばれている86カラットのダイヤモンドやエメラルドのついた短刀などは一見の価値があります。

3位 トロイの木馬

トルコの西部には、トロイ遺跡があります。
トロイ遺跡は、シュリーマンが3年の歳月を費やして掘り当てた遺跡です。
シュリーマンは、神話上の都市と思われていたトロイの存在を信じ、資材を投じて発掘に成功しました。
そのトロイ遺跡の入り口には「トロイの木馬」が再現されています。

トルコの政治は?

トルコの政治は、実質的にエルドアン大統領の独裁体制です。
エルドアン大統領は、首相時代も含めると2003年3月から国の指導者の地位に就いています

トルコではたびたび軍がクーデターを起こしていることが不安ですね。
2016年7月、エルドアン大統領に不満をもっていた軍部がクーデターを起こしました。
首都のアンカラやイスタンブールでは道路や橋が封鎖されるなど、緊迫した状況でしたね。
結局、クーデターの動きはごく一部の軍にとどまったため、12時間足らずで鎮圧されました。
国民の支持を得ることができなかったことが失敗の最大の原因ですね。

そのクーデター直後から、エルドアン大統領の弾圧が厳しくなりました。
2017年4月には憲法を改正して大統領の権限を強くしています
クーデターに関与していたかハッキリしない人でも、逮捕するなど強権的でした。
現在のエルドアン大統領は独裁者並みの権力をもっています。

トルコの債券の注意事項

債券全般のリスク

トルコの債券にも他の債券と同じく『債券全般のリスク』があります。

①価格変動リスク
債券の単価は毎日動いています。
満期まで保有していれば単価100で償還になるので問題ないです。
しかし、途中で売却する場合は債券を時価で売却しなければならないので、注意してください。
単価が100を割っていたら、損する可能性があります。

②信用リスク
信用リスクとは「その企業自体が潰れる可能性があるかどうか」です。
もし発行した企業が潰れたら、元本が返ってこない可能性があるので注意してください。

③為替リスク
トルコリラ建ての債券には、為替リスクがあります。
為替レートは動いているので、為替が下がったら損する可能性があることに注意してください。

④流動性リスク
債券には流動性のリスクがあります。
例えばトルコで戦争が起きた場合など、「売却したくても売却できない」ことがあります。
流動性がなくなってしまい、売却できない可能性があるかもしれないので注意してください。

外貨で受取可能かチェックしましょう

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トルコリラ債
を購入する際は、『外貨決済』ができるかどうかは必ず確認しておきましょう。
トルコリラ債の最大のネックは『為替手数料』が高いことです。
「償還になるけど購入時より円高になったので、まだ円にはかえずにトルコリラで置いておく」という外貨決済ができるかは、必ず確認するようにしてください。
『外貨決済』ができるかどうかは、非常に大切なことです。