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前回の貿易戦争って株価はどんな動きだったの?

前回の貿易戦争って株価はどんな動きだったの?

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トランプ大統領は3月22日、500億ドル~600億ドル規模の中国製品に対して関税を課すことを目指す大統領覚書に署名しました。
今回の関税は、中国の知的財産権の侵害を理由に通商法301条に基づいて発動されました。

通商法301条とは、スーパー301条ともよばれており、前回はビル・クリントン(ヒラリーの夫)大統領のときに発動されました。
その時の相場がどうだったのか見ていきましょう。

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(ビルクリントン・左 モニカ・ルイスキー・右)
ちなみにビル・クリントン氏は、日本では「モニカ・ルイスキー事件」の悪いイメージが強いですが、米国では「経済政策に強い大統領」の良いイメージが強いです。
ビル・クリントンの政策は、増税と歳出を抑制することで赤字を減らしつつ、公共投資にお金を回し景気を良くして多くの中間層を生み出すなど経済主導でした。
今の力強い米国経済の基礎は、ビル・クリントンの功績が大きいと思います。
おそらくモニカ・ルイスキーの事件がなければ、戦後の米国大統領で人気が高いのは”レーガン大統領”ではなく”ビル・クリントン大統領”だったかもしれませんね。

話がそれましたが、前回の貿易戦争をみていきましょう。
前回の貿易戦争の相手は日本なので、“日米貿易戦争”ですね。

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クリントン政権は、1994年3月19日にスーパー301条を復活させます。
その後、米国政府は301条に基づき調査をおこない、1995年5月には制裁措置の対象となる行為が存在するとして日本の行為を「クロ」と断定しました。
結局、日本の粘り強い交渉によって、1995年6月28日に交渉が妥結し、301条にもとづく制裁はひとまず回避されました。

そのため、今回は”スーパー301条の復活(1994年3月)”から”4回目の日米包括経済協議の妥結(1995年6月)”までの期間の株式市場の動きをみていきましょう。

こちらが1994年3月から1995年6月までのS&P500指数のチャートです。
この期間のS&P500指数のパフォーマンスは、+16.26%でした。
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こちらが1994年3月から1995年6月までの日経平均株価のチャートです。
この期間の日経平均のパフォーマンスは、-27.83%でした。
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そもそもスーパー301条は、米国にとって不公正だと考えられる貿易を正す(米国にとって都合の良いものにルールを変更する)ものなので、米国の株価が上がって日本の株価が下がるのは順当ですね。
その当時の日本政府もかなり頑張ったと思いますが、結果的には日本の敗北ですね。

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今回の中国の動きをみていると、この”日米貿易戦争”をよく勉強しているなぁと感心しています。
普通に貿易戦争をしたら、どう考えても中国の負けですからね。

ちなみに、この日米貿易戦争の間におこなわれた1994年の中間選挙では、共和党が上院(44→52)でも下院(176→230)でも勝利して、民主党(クリントン側)は上院(56→48)でも下院(258→204)でも惨敗しました。

注意事項

米国でスーパー301条が発動されたのは、1994年3月19日ですが、市場が閉まっていた関係もあり、日本は1994年3月22日の終値(20,253円)から1995年6月28日の終値(14,618円)で計算しています。米国(S&P500)は1994年3月21日の終値(468.54ドル)から1995年6月28日の終値(544.73ドル)で計算しています。