米国株

米中貿易戦争が始まらない3つの理由

もう株式市場って駄目なの?

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直近1週間で、米国も日本も株価が大きく下落しました。
米中貿易戦争に突入すれば、株価は大きく下がると思います。

まずは、直近のチャートを確認しましょう。

直近3ヶ月のS&P500のチャートです。
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直近6ヶ月のS&P500のチャート
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直近3ヶ月の日経平均株価のチャート
101043

直近6ヶ月の日経平均株価のチャート
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S&P500も日経平均も急落しており、まさに上昇相場の終わりの始まりのような気配です。
こういうパニックの時には、冷静になって判断するべきだということは長年の感覚で、よくわかっています。

今回の関税引き上げの問題が、本格的な米中貿易戦争に発展しない理由は、3つあります。
1つずつご説明します。

①米中貿易戦争をしたら、中国は終わり


今回トランプ大統領は、中国による知的財産権の侵害を理由に、500億~600億ドルの1300品目の中国製品に25%の関税を課すと表明しています。
中国の方が準備している関税は、米国から輸入するワインやドライフルーツ、豚肉などです。
最高25%の関税をかけるとしており、総額でたったの30億ドルです。
そもそも貿易戦争と報じていますが、今回中国が発表している報復関税は、たったの30億ドルしかないんです。
米国の制裁金額が600億ドルなので、全然仕返しになっていませんよね。

これは、貿易戦争になると中国の方が困ることを意味しています。

中国の貿易の相手国をみてみましょう。

こちらが中国の輸出トップ5です。
アメリカがトップを占めていますね。
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輸出総額:2兆981億5,400万ドル(2016年)
・アメリカ 3,850億8,500万ドル(18.4%)
・香港 2,877億2,300万ドル(13.7%)
・日本 1,292億6,100万ドル(6.2%)
・韓国937億800万ドル(4.5%)
・ドイツ 652億1,400万ドル(3.1%)

次に中国の輸入トップ5です。
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輸入総額:1兆5,874億1,900万ドル(2016年)
・韓国 1,588億6,800万ドル(10.0%)
・日本 1,455億2,500万ドル(9.2%)
・台湾 1,392億1,700万ドル(8.8%)
・アメリカ 1,344億200万ドル(8.5%)
・ドイツ 860億7,300万ドル(5.4%)

中国の輸出にとっては、米国が生命線になっていることがわかります。

次に米国の貿易の相手国をみてみましょう。

こちらが米国の輸出トップ5です。
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輸出総額:1兆4,510億1,100万ドル(2016年)
・カナダ 2,667億9,700万ドル(18.4%)
・メキシコ 2,297億200万ドル(15.8%)
・中国 1,156億200万ドル(8.0%)
・日本 632億3,600万ドル(4.4%)
・イギリス 552億8,900万ドル(3.8%)

次に米国の輸入トップ5です。
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・中国 4,626億1,800万ドル(21.1%)
・メキシコ 2,940億5,600万ドル(13.4%)
・カナダ 2,777億5,600万ドル(12.7%)
・日本 1,320億4,600万ドル(6.0%)
・ドイツ 1,140億9,900万ドル(5.2%)

米国にとっては、中国から輸入はしているが、輸出はできていないことがわかります。

商売の原則ですが、やはり金を出している(買い手)立場の方が力は強いので、貿易戦争がすすめば中国は米国に負ける可能性が高いです。
そして、それは中国もよくわかっているので、中国が米中戦争を積極的に推し進める理由はありません。

②中国が米国債を売ったら、米国は終わり

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貿易戦争で圧倒的に不利なのは、中国です。
例えば、現在注目されている大豆はアメリカの対中国輸出全体の9.5%を占める主力品目です。
ただ中国が米国産大豆の輸入に関税をかけると、中国の一般市民の食費が上がって困るだけなので、可能性は低いです。
中国が関税をかけるとほとんどがブーメランのように、自分のところに返ってきてしまうため、そんなにできることは多くないです。
中国の懐が痛まないでアメリカにダメージを与えるのは、米ボーイング社に注文を入れている予約をキャンセルして、欧エアバス社に注文することくらいですね。

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中国が米国にダメージを与えようとしたとき、きってくる最も強いカードは”米国債の売却”です。
もし中国が米国債を売却したという報道がでれば、アメリカの長期金利が急騰する可能性は高いです。
現在の相場でアメリカの長期金利が上昇すれば、株式市場は間違いなく大暴落するでしょう。
実際売却しなくても、売却したようなそぶりを見せれば、大きくトランプ政権を揺さぶることができますね。

こちらが米国債の保有ランキングです。
2月に米財務省が公表した米国債国別保有残高です。

No. 相手国 残高
1 中国 1兆1,682億ドル
2 日本 1兆658億ドル
3 アイルランド 3275億ドル
4 ブラジル 2657億ドル
5 スイス 2511億ドル
6 英国 2433億ドル
7 ケイマン諸島 2419億ドル
8 ルクセンブルク 2209億ドル
9 香港 1941億ドル
10 台湾 1754億ドル

上の図を見た通り、米国債を保有しているのは、日本と中国がダントツで多いです。
日本がアメリカの意向に逆らって売ることは考えられないので、中国の意向が大切です。
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みずほ総合研究所「トランプ政権下で変わる米国債保有構造」より引用

米国は、中国が米国の最大の弱点を握っていることをしっかり理解しているので、中国を本格的に追い詰めることはしないと思います。

③すべては中間選挙のために

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今回の中国への最大600ドルにも達する関税は、中間選挙のためだとみて間違いないと思います。

3月13日に実施されたペンシルベニア州の下院補選で、共和党の候補が敗北しました。
ペンシルベニアは、鉄鋼の街として知られておりトランプ大統領がヒラリー・クリントンに大差をつけて勝利した州です。
現在の状況では、共和党が中間選挙で勝利するのはかなり難しいので、トランプ政権は戦略の練り直しを迫られています。

そこで今回、トランプ大統領が有権者へのアピールに選んだのが”中国への関税引き上げ”だと思います。
今回の制裁措置で1番重要な点は「まだ何に関税をかけるか決定していない」ということです。
関税を課す中国製品は約1,300品目に及んでおり、これから具体的にどの製品に関税をかけるか決めていきます。
実際の制裁発動までは2カ月近くかかる予定となっています。
それまでにできる限り中国に譲歩してもらって、その成果をもって中間選挙を戦うというシナリオだと思います。
そして、そのことは中国側も重々承知していると思うので、お互い致命的なレベルまで報復関税をかけ合うシナリオは現実的ではないと考えています。

今後どうなるの?

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今後も米中貿易戦争の炎はくすぶり続けていくと思います。
現状をみると、中国の方がダメージが大きいので、バランスを取るために中国側の大きな報復があるかもしれません。
ただし、今回の米中貿易戦争のピークは、その中国側の報復のタイミングじゃないかなと考えています。

ただ、今回の米中貿易戦争が株価に深刻な影響をあたえるレベルにはならないと思います。

日本株は、佐川氏の証言次第では2万円を割れるかもしれないので、よくわかりませんね。
米国株は来週で底打ちして反転すると考えています。

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