米国株

GEの株価はなぜ上がらないのか?今後どうなる?

GE 株価 上がらない
GE株価下落が止まりません。
株価をみると、リーマンショック以来10年ぶりとなる低い水準にとどまっています。
今回の記事では、米国を代表するGEの抱えている課題について解説します。
GE 解説記事 目次

直近の決算で株価は急落!

10月30日(火)、GEは第3四半期の決算を発表しました。
最終損益が228億ドル(約2兆6千億円)の赤字となるなど、かなり悪い内容でした。
もともと悪い数字が予想されていましたが、発表された数字はかなりキツイです。
決算内容はこちらです。
GE 決算
さらに、四半期配当を“1株12セント⇒1セント”に減配しています。
この決算を受けて、GEの株価は-8.78%と急落しました。

今回のGEの第3四半期の決算は、228億ドルの赤字でした。
大赤字の理由は、主力の電力パワー事業の『のれん代』を減損処理したためです。
2015年に買収したばかりの仏アルストムの電力事業を219億ドルの減損処理したことが響いていますね。

「のれん代って何?」という人のために説明します。
のれん代とは、企業が保有する無形固定資産のことです。
例えば純資産50億円の企業を80億円で買収した場合、のれん代は30億円になります。
カンタンに説明すると、のれん代は買収した企業のブランドや顧客を指します。
今回の場合、仏アルストムの価値が下がったため、減損処理を迫られました。

今回の決算が悪いのは、電力パワー事業の不振が原因です。
第3四半期の決算の売上高を事業別に並べました。

・電力パワー(Power)…57億ドル(前年同期比33%減)
・ヘルスケア(Healthcare)…47億ドル(-)
・航空エンジン(Aviation)…75億ドル(前年同期比12%増)
・再生エネルギー(Renewable)…29億ドル(前年同期比15%増)
・オイルガス(Oil&Gas)…57億ドル(前年同期比7%増)
・照明(Lighting)…4億ドル(前年同期比18%減)
・物流(Transportation)…9億ドル(前年同期比2%減)

今回、減損処理を迫られた電力パワー事業は、売上高が33%減少しています。
受注金額も18%減少しているため、かなり苦戦しているようですね。
第3四半期の決算を受けて、株価が下落したのも当然ですね。
GEは航空エンジン一強状態ですね。
航空エンジン以外はパッとしません。

GEが抱える3つの悩み

GEの株価が上がらない理由は、大きく分けると3つあります。
そして、どの問題も簡単には片付かないものばかりです。
GEの抱える3つの悩み

電力パワー事業の先行きが不安

GEの電力事業
今回のGEの決算が悪かったのは、電力パワー事業で222億ドルの減損処理を迫られたからです。
私は、GEの電力パワー事業は今後も苦戦すると考えています。
理由は、GEのガスタービンの販売が増えていくとは思えないからです。
実は、太陽光発電などの自然エネルギーのコストは大きく低下しています。
世界的に火力発電所の建設需要が弱くなっています。

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、2010年から2017年までに太陽光発電のコストが約73%下落したと発表しています。
さらに国際再生可能エネルギー機関は、太陽光発電のコストが2020年までに2017年比で半減する可能性があると予想しています。
下の図の通り、特に太陽光発電のコストは大きく下がっています。
2020年には火力発電よりも太陽光発電の方が、低いコストになっているようです。
発電コストの推移
外務省「エネルギーをめぐる国際的議論」

火力発電向けガスタービンに強みをもっているGEには、かつてない逆風が吹いています。
世界的に『脱・火力発電』の動きがすすんでいることは、頭に入れておいた方が良さそうですね。

司法省+SECのダブルパンチ

司法省とSECのダブルパンチ
私がGEで1番心配していることは、“GEがSECと司法省の調査を受けている”ことです。
GEは第3四半期の決算を発表した際、SEC(米証券取引委員会)と司法省(DOJ)が調査をしており、調査範囲を広げたことを明らかにしました。
今回の220億ドルの減損費用についても調査をしているそうです。

特に心配なのは、司法省がGEを調査していることです。
実は、司法省は2015年の後半からGEを調べており、まだ結果が出ていません。
司法省は刑事訴訟を起こすことができる強い組織です。
GEが“大きな爆弾を抱え込んでいる”ことは、間違いなさそうですね。

新社長は就任したばかり

現在のGEのラリー・カルプ氏は10月1日にCEOに就任したばかりです。
前CEOのジョン・フラナリー氏はわずか1年で更迭されました。
カルプCEOは、米医療機器メーカーのダナハーの時価総額を5倍にした実績のある優秀な経営者です。
そのため、非常に優秀な経営者であることは間違いないと思います。

しかし、現在のGEの業績をV字回復させるのは非常に難しいと思います。
フラナリー前CEOは、業績を回復させるためにだいぶ事業を切り売りしました。
今年の6月には、ドル箱だったヘルスケア事業の売却も決めています。
そのため、現在のGEの優良事業は航空エンジン事業のみです。
その他の事業は、どれもパッとしません。

いくらカルプ新CEOが優秀な経営者でも、短期間でのV字回復は難しそうですね。
もともとGEのCEO職は内部昇格で就任することが多かったです。
今回の外部招聘というのは、異例中の異例です。
取締役会は“内部の人材では、GEの再建はできない”と判断したのだと思います。
新CEOのカルプ氏には、しがらみのない経営判断で大ナタを振るう可能性があります。
短期的に業績を回復するのは無理でも、長期的な業績回復の道筋をつけていってほしいです。

今回のまとめ

今回の記事のポイントはこちらです。
現在のGEの課題は以下の通りですね。
GE 
現在のGEは上記の通り、様々な課題を抱えています。
どの課題も簡単には解決できないので、長期的にGEは苦しい企業運営を強いられます。
さらに、ここ数年力を入れてきたIoTも上手くいっていません。
ジャック・ウェルチ(8代目CEO)の本が愛読書だった私には、悲しすぎる現状です。


GEは、“発明王”エジソンが設立した歴史と伝統のある企業です。
エジソンはGEを拠点として様々な偉大な発明をしてきました。
1番有名なのは“白熱電球”ですね。
GEはほかにも、電気トースターやコーヒーメーカー、電気冷蔵庫、J47エンジン(ジェットエンジンの原型)などを発明してきました。
GE公式HP「GE REPORTS JAPAN

GEの2018年12月期(通期)の決算は、過去最大の赤字となる見通しです。
しばらくは決算に期待しない方が良いかもしれません。
カルプCEOにとっては、厳しいスタートとなりましたね。
私は、GEが手がけているIoTプラットフォーム『Predix』が突破口になる可能性があるかもしれないと期待しています。

GEの銘柄解説は以下の記事でまとめました。

GE(General Electric)
ゼネラルエレクトリック(GE)の株価・見通し・決算情報GE(GE)の紹介記事です。GE(General Electric)の株価や見通し、決算、配当について記事にしました。エジソンが創業した企業としても有名です。米国株(アメリカ株)の銘柄紹介の記事です。...

関連資料

GE『公式HP』
GE『Annual Report』
外務省『エネルギーをめぐる国際的議論』

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